第5弾はキャデラックSTSです。
久々のアメ車登場です^^
今の時代、キャデラックというとエスカレードですが、STSを考えるには90年代まで遡る必要があります。
90年代に入った頃のキャデラックは、アメリカン・フルサイズFRのプロアム、フルサイズFFのフリートウッド、少しコンパクトなセヴィルとそのクーペ版であるエルドラードというラインアップでした。どのモデルを見ても、いかにもアメリカン・ラグジュアリーという感じがして「らしさ」が詰まってますが、別の見方をするとどれもアメリカ国内専売車で世界に通用しない…、また、60歳代と言われるユーザーの高齢化、と売れ行き悪化にGMは頭を抱えていたわけです。
唯一ピニンファリーナデザインのアランテは特別でしたが、生産過程でボディを空輸するなど、コスト面では疑問が多い車でもありました。
そこで、GMはキャデラック・ブランドの若返りと日欧のライバルに対抗できるクルマ作りへと本腰を入れます。
そして、登場したのが4代目セヴィルです。
STSのルーツはこのクルマにあると考えます。
これまでのキャデラックとは違う直線を基調としたデザインも新鮮でしたが、注目すべきはこの世代から搭載されたノーススターシステムです。ノーススターというと4.6L V8のエンジンを指すと思われがちですが、統合制御システムの名前なのです。たしかにエンジン単体でも、エンジン系のAwardを多数受賞してるので、優秀であると考えますが、パワトレ、ドラトレ、ブレーキ、シャシーを統合的にコンピューター制御したシステムの先駆けです。現代の車では当たり前になっているシステムですが、20年近く前のこと、GMもかなりの投資をしたと思われます。
しかし、登場した時期が悪かったのです!
この頃、このクラスで最もインパクトが強かったのは、LEXUS LS400 / 初代セルシオ。
セルシオは世界一のホスピタリティー、世界一の静けさを目指して開発されたクルマ、意欲作のセヴィルも質感面や試乗のショールームバトルでは、セルシオに負けてしまったのです (>.<)
多くのメーカーが、このセルシオというクルマを研究しまくったと思います。
GMもそうであったでしょう。
そして、1998年に五代目セヴィルが誕生します。
このクルマは、それまでのGMでは考えられないくらい日本仕様に力を入れていたと思います。
セルシオを研究した結果なのか分かりませんが、右ハンドル、たしかウインカーまでも右側、それにご丁寧に全長5メーターをギリギリ切るバンパーを日本仕様には用意したのです!
それに円高効果もあって、価格的にも結構戦略的だったと思います!
でも、これが魅力に直結したかと言われる正直微妙で…
なんか妙にこじんまりとしちゃって影が薄いというか…
同時代のコンコースのほうが帆世の目には、はるかに魅力的に映っていました…
なんというか、例えばハンバーガーは本場のどうやって食べるんだ?って厚みが魅力なんであって、妙に食べやすいサイズになってたら、逆に魅力がなくなるというか (>.<)
歴代で一番ジャパン・フレンドリーなのは、この5世代目セヴィルだと思いますけどね☆
また世代が変わり、2005年に登場したのが、STSです。やっと今回の本題です!
21世紀に入ったキャデラックのテーマ"Art & Science"に従って、デザインも一新し、FRに回帰したのです。正規輸入されたのは、3.6 V6、4.6 V8、4.6 V8 AWD、スポーツモデルのSTS-Vです。
この当時コルベットC5に乗ってましたが、それと比べると、アメ車もずいぶんと質感が上がって良くなったなぁというのが第一印象です。
そして、セルシオをずいぶんと研究したんだな~って印象を受けます。
実はSTSのV8モデルを新車で買ってしまった人がいます。しかも、かなり身近に (^^;;
一応、値落ちを考えて新車で買ってはいけないクルマ、と忠告はしたんですけどね…
豊かなアメリカに憧れた世代には、キャデラックブランドは刺さるようです☆
そんなわけで、V6、V8両方とも乗りましたが、やはりV8をオススメします!
セルシオを意識したハードウェアとしてみると、85点のセルシオかもしれない (-_-)
それに首都高なんかを飛ばすと、不安定ではないけど、脚も少し柔らかいし、ロードホルディングはドイツ車のレベルに達していない…
でも、そういう乗り方をするクルマではないんです!
高速を120キロくらいでのんびり流すと非常にしっくりきます^^
そして、そんな時に重宝するのが、純正のBOSEサウンドシステム!!
BOSEを搭載する車は数多く体験しましたが、STSのものはトップクラスだと思います☆
純正オーディオでこれを超えるものは、なかなかないんではないでしょうか。
それに、BOSEはJazzやR&Bの再生が得意なんで、クルマのキャラとも合ってるんでしょうね!
なんというか、ハイヤットリージェンシーに泊まった時のような、アメリカ的高級感・贅沢なクルマという感じです☆
ヨーロッパのお城や貴族の邸宅を改築した、ちょいと堅苦しいホテルではなく、分かりやすい軽いノリの高級感です^^
肩の力を抜いて、大らかな気分で、気分良く乗れるクルマ☆
ベンツの安心からくるリラックス感とも違う。
セルシオは頭のイイ人が頭ひねって作ったんだなぁって感じしますが、STSはアメリカの豊かさが根底にあるんだなぁって感じがします!
そういう大らかに乗るクルマなんで、V8がオススメなのです!
トルクの出方と厚みが余裕ある大らかな特性で、V6のようなエンジンが働いてる感をあまり感じないのがポイントです^^
ハッキリ言って、性能的にはV6もV8も、対して変わりません。
特にマイナー後は…
◇V6 3.6 311ps/38.1kg-m 0-60加速:6.7秒 最高速:240km/h
◇V8 4.6 324ps/42.8kg-m 0-60加速:6.0秒 最高速:250km/h
どう見るかで評価が変わってきますが、見方によってなかなかいいクルマです!
これ新車で買った人は、これが欲しくて買ってるんで、ワンオーナー物は程度いいものが多そうですしね☆
そういう個体が上手く行けば、100万円台で買えます^^
この選択肢も意外と面白いと思います!