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2012年11月21日

フォレスター 4

フォレスター 4  だからと言って、スバルがキライになったわけではない。今でもスバルが好きだし、その動向は常に気になっている。スバルと言うメーカーは、独自の技術でアイデンティティを確立したメーカーで、その身の立て方には好感が持てる。しかし当時のスバル車は、それが自らの足かせにもなっていた。

 スバルのアイデンティティの一つである、水平対向エンジン。重心を低くすることができて運動性能が上がるとか、背合わせのピストンがお互いに振動を打ち消して、静かでフリクションの少ないエンジンになるとか、メリットがあれこれ言われていたが、デメリットも複数あった。

 まず、このエンジンは横幅を取るのだ。ポルシェは、エンジンをリアに配置しているので、エンジンスペースには制約はないのだが、スバルはフロントエンジンである。しかも、ある時期まで5ナンバーにこだわって、横幅に制限のあるところに、幅広のボクサーエンジンをねじ込んだ。その結果、前輪はエンジンを避ける形で、フロントから引っ込んだ場所に配置する必要があり、フロントオーバーハングはやたらと長くなってしまう。

 さりとて、充分な幅が確保できているわけではないので、ステアリング角度は浅く、小回りの利かない車になってしまう。エンジンにとっても、充分な横幅が確保できないので、ショートストロークになってしまい、結果的に低速トルクがスカスカの高回転型エンジンになってしまう。それをターボでごまかした。

 さらに、ある時期まで、排気干渉と言う構造的な欠陥が放置されていた。ドコドコ、ドロドロという独特な排気音を出すスバルのエンジンについて、「これが水平対向エンジンの特徴で味なのだ」などという話がまかり通っていたが、これは単なる欠陥。排気効率を悪くし、エンジン出力を低下させる弊害以外の何物でもない。単に開発費をケチって、改善をしなかっただけとの話もある。

 冷静に見ていくと、水平対向エンジンはメリットより、それを打ち消して余りあるデメリットがあるのにもかかわらず、それを守り続けたスバルの根性には頭が下がる。今では、それなりに使えるものにしてしまったのだから、エライ。他メーカーと同じ路線で、効率、収益性のみを追求していたのでは、今頃スバルブランドは消えていた。アイデンティティを守ることこそが生き残る唯一の道だったし、そこを踏み外さなかったスバルはエライ。

 しかし、その生き方もどこまで持ちこたえられるか。トヨタの合理主義の流入によって、流れは確実に変わりつつある。

 スバルアイデンティティの一つであった、軽自動車部門が淘汰されてしまったことは、往年のスバルファンとしては悲しくて仕方がない。鳴り物入りのBRZ(トヨタ86)も、走りのスバルなら絶対にやらないような、構造の簡略化をしている部分がある。オレは、スバルのアイデンティティが危機にさらされているのだと思う。

 さて新型フォレスターだ。トヨタ資本が流入したときに、フォレスターはトヨタのRV4か何かのOEMになってしまうのではないかといううわさも流れたが、今回もしっかりスバルブランドのクルマを作り上げてきた。インプレッサベースの不格好さは相変わらずだけれど、トヨタのOEMではなかったことを歓迎したい。
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Posted at 2012/11/21 00:15:37

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この記事へのコメント

2012年11月21日 0:49
私は 何度か 突然の降雪に遭い、危ういところを レガシーの 4駆システムに 助けられたことが
あります。  その時は ジムニーも ランドクルーザーも 立ち往生する中、 レガシーだけが チェーンも 巻かずに 登坂して行き、 大変 痛快な 思いをしました。

水平対向エンジンの ノウハウは ポルシェにも 伝授されている そうですし、なにより この 4駆の 技術こそが スバルの真骨頂では ないかと 思います。

上屋さんのTOYOTAと シャシー屋のスバルが 良いとこどりで クルマを 造ってくれることを 願っております^^;
コメントへの返答
2012年11月21日 9:58
スバルアイデンティティのもう一つがAWDですよね。レオーネは唯一無二の存在として、雪国などで絶大な信頼がありましたよね。

レガシィから、高出力エンジンにも手をだし、AWDとの組み合わせで、高い運動性能の車づくりを目指したのですが、その道のりは平たんではなく、いろいろとドラマがあります。

スバルのエンジニアの方と親交があり、初代レガシィの時の、すごい話をたくさん聞きました。またいずれその話も書きたいと思います。
2012年11月21日 4:43
イトケンさん こんばんは

ずーっとフォレスターに対する辛辣なテキストが続いていましたので、よっぽどSUBARUに嫌悪感を抱いていらっしゃるのかと思っていました。
今回のテキストを拝見いたしまして、イトケンさんの真意が僅かかもしれませんが理解できたようです。

SUBARU・MAZDA共に自社のアイデンティティを保ちながら頑張ってもらいたいです。
あっSUZUKIもですね。
コメントへの返答
2012年11月21日 10:07
スバルは良くも悪くも個性があるメーカーです。オールマイティではないので、あれこれヘンな部分もあります。

明らかに短所を個性と言って容認すべきだとは思いませんが、個性的であることはこれからのモータリゼーションにも必要だと思っています。

マツダは一足先に、自分の立ち位置を明確にして、よい車を次々と生み出しています。スバルはいまだに迷走しているように思えます。

マツダは「ズームズーム」という方向性、つまり、精神的なあるいは感覚的な部分にアイデンティティを求めました。イデオロギーといってもよいかもしれません。スバルは、ボクサーとAWDというテクノロジーがそれです。

テクノロジーから出発すると、イデオロギーが薄くなりがちです。何を体現するためのテクノロジーなのか。実現したいことのためには、一つのテクノロジーに固執することはマイナスに作用することもあります。

アイデンティティをどの部分で守っていくのか。まだ、迷いがあるのではないかと思います。
2012年11月21日 5:26
スバルは北米東海岸でのアイデンティティーがあります。
フォレスターはすごくよく売れています。
だからフォレスターをなくすことはないでしょうね。
コメントへの返答
2012年11月21日 10:10
北米では、買い物に行ったりするのに、大きなアメ車より使い勝手が良いので、奥様とか若者に人気があると聞いたことがあります。

普段使いの、道具として秀逸なのですよね。
2012年11月21日 8:32
四駆といえば、サンバアの四駆は、下手なクロカン四駆よりも、優秀かも知れません?

大雪でどろどろの融雪状態にも関わらず、ノーマルタイヤで、殆どスリップしませんでした(^^ゞ


水平エンジンのあのドロドロ音は、排気干渉の賜物なのですね( ̄~ ̄;)

コメントへの返答
2012年11月21日 10:16
サンバーは、軽自動車界のレンジローバーでしたね。

軽トラックの中で、サンバーは、まったく異質の存在感でした。頑丈なラダーフレームに、リアエンジンという、実に理にかなったレイアウトで、抜群の走行性能でした。リアエンジンのために、重量バランスもよく、トラクションもしっかりかかります。

ドイツ車の乗り味といっても過言ではないほど、軽トラサンバーのそれは上質で、ガッチリ剛性感も高く、そしてなにより、静かでした。

軽自動車界の宝といってもよいサンバーを駆逐してしまったトヨタの流儀にはどうしても納得できません。何を選択すべきか、何を後世に残すのか。その見極めを間違えていると思います。
2012年11月21日 19:43
「それを守り続けたスバルの根性には頭が下がる。」

↑自動車メーカーとしては光岡を除けば国内最小のスバル…、他のエンジンを大枚はたいて開発しても売れるかどうかの「採算が取れるか?」という事情が有ったのではないかと推測されます

フォレスターがRAV4のOEMならスバルに当方戻る事は無いでしょうね…
それなら逆にインプレッサG4をプレミオとしてOEMしてやりたいですな
コメントへの返答
2012年11月21日 23:58
スバルの何が何でも水平対向は、資金力も確かに理由の一つかもしれませんね。

クルマの生産は、いったん手放してしまったら、二度と元に戻すことはできないですよね。軽部門の切落としは、実に残念なのです。

フォードとマツダのように、子会社の方が技術的に主導権を握るという展開になったらよいなと思うのですが、クルマのトータルプロデュースという点で、スバルは厳しい気がします。
2012年11月21日 20:28
私はスバルの進化で1つだけ不思議な事があります。
レオーネの時の猛烈なハンドリングの悪さが、
どうして今日の様な最高峰のハンドリングに進化したかです。
スバルのエンジニアにぜひ聞いてください。
コメントへの返答
2012年11月22日 0:09
レオーネには乗ったことがないのですが、私が乗っていたレガシィもレオーネの血筋を感じるハンドリングでした。

スバルはとにかくアンダーステアにセッティングされていて、前輪からトルクが抜けるのです。限界が高い4WDは限界超えの挙動が激しくなるので、アンダーに設定していると聞いたことがあります。

最新のスバルにしっかり乗っていないので、表することはできないのですが、少なくとも三代目レガシィのハンドリングは、レベルの高いものではありませんでした。
2012年11月21日 23:14
こんばんわ♪

フォレスター回、興味深く読ませていただきました。
自分のブログにコメントいただいていた内容がすごく細かく激辛だったのでちょっとびっくりしてたのですが、過去所有されていたということがわかって納得できました。

確かに「日常」での運動性能はすごく重要ですね。
自分も初代プレマシー(前期)に乗っていましたが、1.8Lのわりに弱々しい加速具合にいつもやきもきしていました。坂道でもこっちはかなりきついのに、普通の車にビュンビュン追い抜かれてしまう状況に「残念な車」という印象がいつまでもぬぐえませんでした。

ただ、今思えば「雪道」での安定性は何気に抜群だったので「何を想定するか」によって車に対する評価は変わってくるのかもしれませんね。
コメントへの返答
2012年11月22日 0:16
最終的には、自分が車に何を求めるのかですよね。

MINIはフォレスターと比べて、話にならないほど荷物は乗りません。しかし、運転の楽しさは比類なき存在です。今の私には、ドライビングプレジャーが必要で、それを与えてくれるクルマが良いクルマということになります。

プレマシー、初代のクルマも良いクルマでした。非力感はありましたけれど、シャシーと足回りは、シャキッとしていて、信頼できるものでしたね。
2012年11月22日 7:33
水平対向エンジンのデメリットは聞いたことも考えたこともありませんでしたが、なるほど!と思いました。

確かに、メリットばかりならスバルとポルシェばかりではなく他社も採用しているでしょうし…

個人的にあまり好きとは言えないトヨタにスバルのらしさを徐々に削がれていっている気がしてとてももどかしいのは自分だけでは無いはずです。。現行のルクラサンバープレオがスバルのショールームに並んだ時は悲しかったです。

そんなクルマの売り方なら韓国はもちろん
中国に追い越されるのも時間の問題では…
なんて思ったりもしました。
コメントへの返答
2012年11月22日 9:06
市販されなかったスバル1500を除くと、スバルの出発点はスバル360です。

スバル360は文字通り日本人の暮らしを一変させました、自動車を庶民でも買える商品にしたのはスバルが最初です。スバル360は、知恵と工夫の塊です。丸くかわいいボディラインも、デザインから出発したものではなく、薄い鉄板でも強度が出せるように考えられたものでした。

日本の自動車史を大きく変えたメーカーが、それを成し得た軽自動車部門を手放すことに、日本人としてやるせなさを感じます。

最後の最後まで、スバルの軽自動車は、個性的でした。サンバートラックは、いま欲しいクルマの一つです。乗ったらビックリしますよ、ドイツ車に負けない剛性感と乗り味ですから。

プロフィール

「騙されやすい件 http://cvw.jp/b/129992/48428172/
何シテル?   05/13 15:23
細々と・・・ クルマのブログはじめました。
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