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2012年11月06日 イイね!

フニクリ・フニクラ

フニクリ・フニクラ オペラで歌ったりもするので、てっきりイタリア歌劇の一部分だと思っていたら、その素性は全く違っていた。この曲は世界で最初のコマーシャルソングとして作られた曲であったのである。

 時代は1880年。イタリアのカンパーニア州にあるヴェスヴィオ山に、山頂までの観光用ケーブルカーカー建設された。しかし利用客が思うように集まらず、歌を作って宣伝することを思いついた。ケーブルカーの運営会社から依頼を受けルイージ・デンツァが作曲し、ジャーナリストの ジュゼッペ・トゥルコが作詞したのがこの曲である。ケーブルカーはイタリア語では「フニコラーレ」で、ヴェスヴィオ山のケーブルカーの愛称が「フニクリ・フニクラ」であった。

 ~行こう、行こう、火の山へ♪(訳詩)は、火山であるヴェスヴィオ山のことだ。ヴェスヴィオ山の噴火では、紀元後79年8月24日の大噴火が有名である。この時の火砕流でポンペイ市が埋没し、近年になって発掘された。ちなみに、このケーブルカーは1944年の噴火で破壊され、その歴史に幕を下ろした。

 当時は、テレビもラジオもない時代。軽快で明るいメロディーのこの歌は、人から人へと口伝えで広がっていき、国民的な歌謡曲にまでなった。

 ドイツの作曲家リヒャルト・ストラウスは、この曲を聴いてイタリアの古い民謡であると勘違いし、1886年に作曲した交響的幻想曲「イタリアから」に「フニクリ・フニクラ」のメロディーを取り込んでしまった。それを知ったデンツァはシュトラウスを訴えて勝訴し、以降この曲が演奏されるごとにシュトラウスはデンツァに対して著作権料を支払っていたという。

 いやぁ、面白いな。調べだしたらキリがない。そして、口伝えで音楽が流行するってのがすごいなぁ。よほどメロディがしっかりしていないと、成立しない流行だ。

 もう少し後の時代に、ラベルの「ボレロ」という曲が、これまた口伝えで流行したことを思い出した。パン屋の店先で誰かがフレーズを歌いだすと、次のメロディーを別のお客が歌いだし、店主もそれに加わり、やがては町中が大合唱になる、なんてこともあったとのことだ。そんな近代ヨーロッパの街の様子を思い描きながら、これらの曲を聴くとロマンが広がる。

 そういや、昔、「フニクリ、フニクラ」を「ふにふに、クリクリ」と間違えて覚えている友人がいたな。それ、なんかエロいな。
Posted at 2012/11/06 23:58:13 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記

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