イトケン(G)のブログ一覧

　カングーの長所としてよく挙げられるのが、高速走行の安定性の高さだ。オレがカングーに一番期待していたのもそこだった。カングーが出た13年前の水準で見れば、優れていたのかもしれないが、まぁ、普通だった。確かに、直進安定性はあるのだけれど、今新車で買えるクルマのほとんどが、この程度は達成できていると思う。

　高速走行時に気になるのが、道路の継ぎ目や、路面の凹凸によって、ポヨンポヨンとクルマがゆすぶられることだ。背の高い重いボディで、しかも貨物車がベースなので、バネレートは高めに設定されており、リアはトーションビーム。そりゃ揺れますわ。それなのにステアリングはピシっと安定していて、ほとんどステアリングの修正を入れなくてもいい。そこだけはさすがだと思います。

　高速走行時のパワー感も、不足を感じる場面がある。パワー感やレスポンスは、スズキ・エブリイのほうがかなり優れているなぁとも思う。

　走行ノイズも、そこそこあるよね。「静かだ」というレビューを多く目にしていたのだが、これも期待値まで及ばなかった。

　あと、カングーにはオートクルーズが付いている。レーダーも何もついていない、ただ速度維持をするだけのものだけれど、これ、悪くないなぁ。オレ、クルーズコントロール付きのクルマは初めてなのよね。自転車遠征の帰り道、アクセルを維持するだけでも、かなりしんどかったのが、これでかなり改善できると思う。ただ、自分で運転している感が薄まってしまうので、居眠りやよそ見をしないように自制しなきゃダメだね。

　カングーの高速走行性能についての総評です。普通です。あ、いや、普通より少し見劣りするかなぁ。MINIクロスオーバーは、高速走行時の安定感が半端なかったからね。それと同等を期待してはアカンと思うのだけれど、カングーはもうちょっと頑張って欲しい。まだ新車の固さがあると思うので、それが落ち着いてきたらどうなるか。そこに期待します。

　でも巨大なキャノピーによる広大な視界でね、カングーを流していると、細かいことはどうでもよくなくなってくるんだよね。居住空間がとにかく個性的で味がある。特別な乗り物感が半端ない。カングー乗りが、ベルランゴを見に行って「閉所感を感じた」と言っていた。カングーの空間を知ってしまったら、他のクルマには満足できなくなるって気持ちも分かる気がする。

　なにより、自転車とかギターとか、キャンプ道具とか、自分のプライベート空間を丸ごと移動できることにも、心躍るわけで。

　近日、カングーのキャンピングカー化に着手します。こうご期待、って期待しているのはオレだけか。

　納車後1か月、約2000km走行時点で、フィーリングがだいぶ変わってきましたので、加筆します。

　ベーシックな欧州車にMTで乗れることに、このクルマの最大の価値と個性が有ります。スライドドアを持ったミニバンタイプのクルマでMTの組み合わせもこれしかありません。そして、たぶんこれが最後。

◇パワートレインについて◇
　納車当初は、かなりギクシャクして戸惑ったが、あたりが付くにつれ、かなり改善された。
納車時「小排気量とターボの組み合わせに加えてつなぎの遠いクラッチのせいで、トルクが乗る前の回転域や、2速への繋ぎはギクシャクする。発進時にスムースに走らせるには、穏やかにそして的確にアクセルとクラッチとギアの操作をする必要がある。そして、急発進、急加速が苦手だ。」
現在「エンジンはなめらかに回るし、低回転からターボが効いてトルクが立ち上がるので、ラフに扱っても、普通にしっとり加速する。アップテンポで走りたいときは、その気持ちにクルマが反応してくれる。オレは普段ecoモードで走っているが、それをオフにすればかなり軽快に走る。パワートレインにはほぼ不満はナシ。願わくば、繋ぎがもっと近くなればいいのだが」


　そして、エンジンの音が、ノスタルジーなんだな。20年前のトヨタや日産の1トントラック(ライトエースとかがベースの、小型トラックね。今でもあるのかな)と同じ音がする。キュルルルというセルの回り方も、モーンというアイドリング時の排気音も、昔のビジネスカー、それも一番安いやつの音だ。この音がたまらなく好きだ。

◇シートについて◇
　最初、シート形状はオレの体には合わないと思っていたが、すぐに慣れた。ふんわり座り心地の良いシートです。ただし、座面のサイズは小さめだけれど。(後部座席も)日本人の体にはちょうどいいサイズだとも思う。日本人向けに小さくしているとか？いや、それはないか。

◇足回りについて◇
　足回りはフロントストラットに、リアはトーションビームとお金のかかっていないシンプルな構造。ここに195-65-15という高扁平率の華奢なタイヤを組み合わせる。
納車時「65扁平のタイヤが、重くて硬いボディと、安い足が処理できない振動を受け止め、ポヨンポヨンとした挙動が発生する。夢のように快適な走行フィーリングをイメージしていたのだけれど、しっかり揺れるクルマだった。」
現在「乗り心地もかなりいい。ふんわりと包み込んでくれるような乗り心地で、いつまでもどこまでも走っていけるような気がする。ただし、大きなわだちや段差で、強いゲインが入った場合は、クルマ全体が揺さぶられる。トーションビームの特性で、これは避けようがないのだと思う。長い間マルチリンクのクルマばかり乗り継いできたので、ビームの揺すぶりだけは好きになれない。」

　不満もあるが、苦痛に感じる場面は少ない。ふんわりしっとりとした乗り味のおかげで、気持ちが穏やかになる。速く走れるクルマではないが、のんびり走ることに心地よさを感じる足回りの設定です。

　高速道路での直進安定性は高く、ハンドルの修正は最小限で済む。ただし、ドイツ車のような怒涛の安定感はない。

　
◇剛性感と共鳴振動について◇
　カタログには、大人の女の人がボンネットの上に乗り、屋根に子どもが乗っている写真が掲載されている。昨今のクルマは、そんなことをしたらベコベコにへこんでしまう。写真はフェイクかと思っていたら、本当に固い。鉄板の分厚さは、20年以上前の業界水準だと思う。おそらく、超高張力鋼鈑なんて、使っていない。肉厚の鉄板で、この鬼のようなむっちりとした剛性感を出しているのだ。そして、この肉厚な鉄板がエンジンやロードノイズの微振動を拾って共鳴し、全体的に低周波の音を発している。この音も懐かしい。
　
◇総論◇　
　総じて、すごく味が濃く、楽しい世界です。エンジンの音やボディのゆすぶられ方、そしてロードノイズなど、五感を刺激するすべてが、遠い昔どこかで味わったことのあるものだという気がする。それこそがタフな道具感を演出しているのだとも思う。道具感あふれる乗り物が暮らしの中にあることの満足感は非常に高い。

　更に、カングーは室内をDIYで仕上げていくという楽しみがある。クルマいじりと言うと、高性能パーツを付ける事というイメージがあるが、カングーの場合は日常大工や園芸の延長線だ。木工や裁縫といったハンドクラフトで、自分だけの家や家具を仕上げていくような楽しみがある。早速、杉の香りが漂う木製のベッドキットを完成させた。

　これまでとは全く違うカーライフが、カングーとなら繰り広げられるのは間違いない。

　台風の影響で、納車を前倒しにするか、繰り延べるか迷っていたのだけれど。オレってば、せっかちさんなので。カングー、もう迎えに行っちゃいました。
　急な予定変更に対応してくださった、お店の方、担当営業さん、本当にありがとうございました。よいお店と、よい担当者に巡り会えて、マジ感謝。たぶん、この人じゃなかったら、カングーを買えなかったと思うわ。

　そして納車時に、いきなりフランス車の洗礼を受けました。

　〇外出先でクルマが動かなくなったら、ここに電話してください。
　〇最寄りのディーラーまで積車で運びます。
　〇そこからの交通費は5万円までなら、負担します。
　〇帰れない場合は宿泊費を負担します。ただし、入浴税やご食事代は出ません。
　〇クルマが直ったら、そこからの輸送費はかかりません。

　という、非常時の対応についての説明を受けたのです。こんなの初めて。今まで、他のどのメーカーを買った時も、こんな説明を長々とされたことはない。。つまり、カングーは、リアルに動かなくなるくらいのトラブルが発生する、ということだよね。

　みんカラ巡りをしていて、「2年しかたっていないカングーが高速道路で動かなくなって、レッカーを依頼し、深夜にようよう帰宅できた」という記事を見たことがある。

　まじかー。そうかー。ホントかー。次の日に大事な会議があるときは、カングーで出かけるのを躊躇しちゃうじゃねぇか。マジかー。

　しかし、クルマに乗り込んでしまえば、そんな心配は完全に忘れて、ドキドキワクワクの処女航海をしてきました。


　カングーの乗り味は新鮮の一言。オレ15年ドイツ車乗っていたので、その乗り味が体に染みついているのよね。カングーは、何もかもが違う。特に高速走行は、想像してたんと違う。あと、出だしのトルクの出方とか、ギアのフィーリングとか、想像してたんと違う。インジケーターの表示の意味も全く分からないし、各ボタンの使い方もさっぱりわからない。オーディオの音質調整もわからん。ワイパースイッチは軽すぎて、最速ワイパーを何度も繰り出してしまう。

　そんな状態で、約2時間、高速と街中を流して帰ってきたら、しばらく手が震えてしまって止まらない。なんだこれは、アルコール依存症か？戸惑いから、過度の緊張状態になってしまい、震えが発生したのだと思うけれど、こんな経験は初めて。カングーは良いクルマなのか、そうでないのか、その判別すらできひん。

　ただ、一つ確かなのは、うれしい。それだけははっきりしています。

　10月10日(土)に納車を控えているというのに、台風が来ているらしい。おーい、勘弁してくれよ。

　ご存じの通り、MINIはカングーの下取りに出さなかった。なので、納車には自転車で向かう予定だったのです。ロードバイクの車載用アダプターもディーラーに預けてある。しかし、雨が降っちゃぁおしまいよ。どうしよう。

　もちろん、頼めば家まで持ってきてくれることでしょう。

　でも、嫌なのよね。
　自走で持ってきてくれたとすると、処女航海が他人の手によることになっちゃうでしょ。最初はオレが運転したいわよ。あと、積車納車だと、目立っちゃうじゃない。あら、「イトケンさんとこ、またクルマ買ったわよ」って。

　つか、近所のスーパーとかでね、ご町内の方に言われるのよね。「最近クルマないけどどうしたの？」って。いやー、見られてるんだなぁと。良くも悪くもMINIって、目立つから。それに、もう15年もMINIだったから。うちはご近所さんからMINIがある家という認識をされていたんだと思う。

　って、よく考えたら、オレも見てるのよね。「どこの家のガレージに、何が停まっているか」って、無意識に覚えちゃっていて、好きなクルマのある家の近くを通るときは、そのクルマの姿が見れるだけで、ちょっとときめいちゃう。って、オレってヤバい奴？みんなもそうじゃない？違う？

　古民家のような風格のある家の庭に、薄水色のザ・ビートルとか、灰色のアバルトと水色のチンクが並んでるお家とか。アルファロメオ・ジュリアとフェアレディZが並んでるお宅とか。絵になる家がいっぱいあるんだな。黄色カングーと灰色ジムニーシエラのお宅の近くでは、ついつい速度を落としてしまう。「いいなー、かっこいいなー、めっちゃセンスのいい組み合わせだなー」って。

　オレってヤバい？みんなもそうじゃない？違う？

　と、そんなことより、台風です。台風が来る前に前倒しにするか、繰り延べにするか。

　オレとしては、一日も早く乗りたいのだが、納車早々、台風で木の枝とかが飛んできて当たったら嫌だ。どうしよう。どうしたらいいの？教えて、おじいさん。

　5月にLINEスタンプを作り始めて、16作品目の審査が通りました。初期の出来の悪いのはすでに販売を中止し、9作品をストアに上げている。

　オレのスタンプのメインキャラクターはクワガタの鍬十五郎くんです。

　
　「鍬十五郎」というややこしい名なのは、もともと「クワジ」という名を使いたかったのだけど、審査に通らなかったから。すでに発刊されている著作物の固有名詞とバッティングしたらしい。

　鍬十五郎のイラストも、何度も何度も描くうちにどんどん技術が上がり、デフォルメも進んだ。初期の鍬十五郎が、これ。
　どうすか。なかなかのインパクトでしょ。これ、もう売ってないから。持っている人、レアものですよ。つか、オレのイラストの画力の向上度がなかなかすごいでしょ。誰か、ほめて。


　上から、鍬十五郎の兄のクワイチくん、クワパパ、クワママです。
　作品としては、左から新しい順で、一番右の初期物はもう引き上げました。よくも、こんなひどい絵を、スタンプとして販売したなと思います。売り出したときは「うひょー、超個性的でかっこいい!」と思ったのですが。


　上が猫七といいます。ネコセブンと呼びます。下がパンダ八十八。こいつも初期作品のインパクトがひどい。よくこんな気持ち悪いキャラクターを売り出したな、オレ。

　そして最新作です。




　まぁ、どの子もかわいいこと。
　ま、ただ、これを描いているのは割とごっついおっさんなんですけど。
　

　クワガタ鍬十五郎3