
人間、つらい思いをしたら、次からは同じ目に遭わないようにするが、
学習能力がないのか、ワタシはまたあの荒行に行きたくなった。
それは2年前に行った「さぬきうどん耐久ツーリング」である。
こんなくだらないことに付き合ってくれるのは、そう、
ワタシの遊び仲間の「おっさん」である。
おっさんとは2年前にさぬきうどんツアーに日帰りで行き、通なうどん屋10軒回って
各1杯、10杯食べたことがある。
今回は行くに当たり、また違った通な店をチョイスするように頼んでおいた。
朝5時に待ち合わせをした。
今回の旅のお供はW124。
前回はロードスターで行ったが、おっさんはマニュアルミッションに乗れない。
おっさん的には、クルマの運転は得意ではないとか、鳥目だとか言っているが、実は運転したくないだけであって、本当はちゃんと運転できることや、ワタシが眠い時は黙って交代してくれる、なかなか使えることは、前回の1000円高速ツーリングで見破ったので、今回はおっさんも乗れるW124にした。
くだらない話やipodに入れたおっさんチョイスの最新J-POPを聞きながら、空いた高速を飛ばすと、2時間弱で香川に突入した。
1店舗目のうどん屋は「がもう」である。
8:30からの営業なので、だいぶん待たなあかんなと
思っていた。しかし、7:45に開店し、2番目に入場した。
蒲生親子が誘導してくれた。うどん小130円。
「がもう」は当初、おっさんのチョイスした店になかったが、ワタシが所望したため
急遽行くことになった。
やっぱ、うまい。めちゃうまい。
腹いっぱい食べたい衝動に駆られたが、理性でガマン。
2店舗目は「田村」である。
9:30からの営業なので、1時間近く時間があった。
しかし、8:35に開店した。
ここは一番のり!!
うどん小150円。
香川県産のツヤツヤ麺がええやん。
いりこダシがええやん。いりこの香りがプンプンする。
うまいうどん屋トップ10に必ず登場する店。
メニューはかけうどんとしょうゆうどんのみ。
うまいうどんは麺で勝負ってことらしい。
3店舗目は「松岡」だったが、開店まで、1時間あったため、
かまたまで超有名な「山越うどん」が3店舗目となった。
まだ9時過ぎなので、油断していたが、300人くらい並んでいた。
40分ぐらい並んで9:45に食べれた。通称:かまたま(200円)が有名。
ここで、実験をすることにした。
メニューを見るとかまたま(釜揚げうどんに玉子を混ぜたもの)と月見うどん(温・冷)がある。
テーマはかまたま(釜上げ卵うどん)と月見うどんの違いについて。
この店は、店員からうどんの玉が入った器を受け取り、自分でダシをかけるシステム。
通常かまたまは、かまたま専用ダシ醤油で、月見うどんは普通のダシをかける。
しかし、かまたまとの違いを検証するために、全部にかまたま用の醤油ダシをかけて、イーブンの
条件で食べることにした。
結果はかまたまをフツーに食べたのが、一番うまかった。
かまたまと、温かい月見うどんの玉子をつぶし、かまたま醤油ダシをかけたものは
似て非なるもの。かまたまは玉子が半熟状に固まるが、月見はそうならない。
その決定的な違いは、うどんの熱さだとわかった。
月見うどんの冷たいうどんにかまたまダシをかけたものは
新鮮でよかった。
ここで、図らずも1店で2杯食べてしまった。
4店舗目は「松岡」。10:15到着。
しょうゆの小(230円)にした。
注文後うどんをもらい席につき食べる。お勘定は後や。
宮武ファミリー4番目の刺客である。
一切表に松岡の文字をだしていない。
宮武系やけど、あつあつ、ひやひやではない。
5店舗目は「池上」。11:00到着。
伝説のるみばあちゃんの店である。
おっさんは、かけ1玉(150円)。
釜あげとその他のメニューは並ぶレーンが違う。
店の中にはばあちゃんと久本雅美が仲良く写っている写真がある。
あーうまい。うまい。
「るみばあちゃん」は、テントの中でお土産用のうどんを売っていた。
るみばあちゃん、元気で。100歳まで、がんばりや。
200歳まで生きや。
6店舗目は「あたりや」。11:35到着。
ひやあつ 小(300円)。
宮武ファミリー・東の雄である。
フィットネスクラブの駐車場にある。これはわかりにくい。
うどんを食べてる間に、クルマを当てられそうなネーミング・・・。
店内、注意書きがめちゃ多い。
・注文は店員がきくまで言わないこと
・テレビは勝手にさわらないこと
などである。
注文後うどんをもらい席につき食べる。
お勘定は後。
ひやあつは宮武ファミリー独特なメニューや。
玉が冷たくダシが熱い。あーおいしい。
そろそろ、苦しくなってきた。
うどんマイスターのおっさんは、まだまだいけるらしい。
ここで少し仮眠及び休憩ののち、新生宮武へ。
7店舗目は「宮武」。13:25到着。
ひやあつ 小(230円)。
宮武ファミリーの総本山「宮武」が、2009年6月、突然閉店した。
多くのさぬきうどんファンががっくりと肩を落とし、
路頭に迷ったと言われている。あの日から約10ヶ月。
2010年4月、「宮武」が、高松に場所を移して復活した。
場所は「高松西インター」を降りた道を直進して左。
うどんを打つのは、宮武一郎大将の元で修行された、
マッスルな若い大将や。宮武一郎大将もいた。
熱い麺、冷たいダシの「あつひや」と
冷たい麺、熱いダシの「ひやあつ」の違いを検証したが、
その違いは口の中に入れた時はすでに混ざっていて
味覚の感性が鈍いワタシにはザンネンながら、よくわからなかった。
8店舗目は「竹清」。14:15到着。
うどん1玉(140円)。ちくわ天(100円)。
名物おばちゃんが揚げた「半熟卵天ぷら」が有名。
入口でおばちゃんが天ぷらをひたすら揚げつづけている、
だから天ぷらはいつも揚げたてホカホカ。
ここの半熟卵天ぷらは絶品。割ると中からトロ~リ半熟の黄身が。
しかし、「半熟卵天ぷら」は売り切れ。残念!!
でも、お腹がいっぱいなので、そんなにザンネンでもなかった。
余裕のおっさんは「ちくわ天」もトッピング。
恐るべし、さぬきうどん!恐るべし、おっさん!!
9店舗目は「宝山亭」。16:30到着。
お化けうどん(400円)。
何で、「お化け」なん?
麺がほとんど隠れるほど大きいお揚げや。
カラシをつけていただく。ジューシーなお揚げが最高や。
これで、10杯目、結構きました。
入り口を入って右と左に部屋がわかれてる。
右が結構新しい食堂風の部屋。
左がジブリっぽい古い部屋。
今度は「どじょううどん」が食べたい。
生麺をそのまま一緒に煮込むうどん。
野菜とどじょうをいれた「どじょううどん」。
ここでワタシのうどん行脚の旅はおっさんにヒミツながら幕を閉じた。
次はいよいよラスト。
が、ラストは大変らしい。
腹をすかしに、屋島で散歩した。
壇ノ浦や小豆島がみえた。
10店舗目は「わら家」。18:20到着。
家族うどん(2300円)。
「釜あげ」では、かつて東の「わら家」、
西の「長田」といわれている。
わら家というだけに、屋根もわらや。
注文後お会計をし、食券をもらい席につく。
10玉入りの家族うどんがきた。
普段なら、めっちゃうまそうなうどんも、大きなたらいに10玉も入ってると
もう見てるだけで、胸がいっぱい。
さすがのおっさんもきつそう。
ダシ入りとっくり、めちゃ熱い。
この10玉は、おっさんとの共同作業らしい。
1つのうどんをすすり、フィナーレを無事飾りたいというおっさんの想いに
密かに幕を引いたワタシも、うどん1本だけ食べた。
閉店は19:00や。
客がワタシたちだけになった。
めっちゃ、プレッシャー!!
あと、10分しかない。
何とか、あと、2玉ぐらいになった。
閉店間際、おっさん、ギブアップ。残念。
店のおばちゃんにおっさんが1日で計18玉食べたことを話すとぶったまげていた。
従業員全員に敬意(?)を持って見送ってもらって、店を出た。
おっさんは10店舗制覇はめちゃ喜んでいた。
最後のうどんを裏切ったワタシのことを褒めてくれた。
暮れ行く高速を、行く時よりうどんの分だけ重くなった2人を乗せたW124は、22時半に無事に大阪に着いた。
また行こうね、おっさん。