
そういえば、アリオンのレビューを書いていなかったので、ちょっと書いてみます。
(※一部厳しい評価もあるので、ユーザーさんは大目に見て下さいね^^;)
アリオン A20 Sパッケージ
【車両型式】
DBA-ZRT261
【寸法・重量】
全長×全幅×全高:4565×1695×1475
ホイールベース:2700mm
車両重量:1270kg
【性能】
最高出力:158ps(116kw)/6200rpm
最大トルク:20.0kg・m(196N・m)/4400rpm
パワーウェイトレシオ:8kg/ps
燃料消費率(10/15モード走行):15.6km/L
最小回転半径:5.3m
【動力伝達・走行装置】
駆動方式:FF
トランスミッション:CVT
タイヤ:195/55R16
ブレーキシステム(前 / 後):Vディスク式 / ドラム式
サスペンション(前 / 後):ストラット式 / トーションビーム式
車両本体価格:232.1万円
総括:地方都市最速の実用セダン
○長所
・すべてがとにかく“楽”なこと。
・5ナンバーサイズを死守してること。室内の広さと取り回しが両立できる。
・車体の軽さ→出足の良さ
・内装の高級感。オプティトロンメーターの視認性は流石の一言。
・ブレーキの効きが良い。
・レギュラーガソリン仕様
・使い勝手の良さ。
○短所
・官能性能がゼロ。回らないエンジン、回しても盛り上がりのないエンジン、そして回そうとしないCVT
・5ナンバーを死守したが為、頭上側頭部のクリアランスが狭く、頭をぶつける。
・リヤのトーションビーム式サスペンションの煮詰めの甘さ→後席の乗り心地が悪い
・フロントグリルの質感。タダの艶消し樹脂部品では・・・
・ドアの開閉音。特に後席は安っぽすぎる。
・タイヤサイズが中途半端。195/55R16って・・・
・運転席のマットが早くもほつれてきた(汗
■パッケージング
・5ナンバーサイズを死守したサイズ(4565×4695×1475)は、やはり使いやすい。古くからの街並みが残る、道幅の狭い下町エリアでもへっちゃら。離合時も余裕が持てる。
・最小回転半径も5.3mとまずまず。
・大人4人がそれなりにキチンと乗れます(我が家は皆大柄なので、”ゆったり”とは言えませんが・・・)
・ただし、その弊害なのか頭上側頭部のクリアランスが狭く、例えば急にクルマが揺れた時には頭をぶつけてしまう。ずっと大きなクルマばっかり乗っていたというのはあるけど、5ナンバーサイズのクルマってこんなだっけ?
■内装
・流石に見栄えがいい。ダッシュボードもプラスチックながら、表面がソフトなものを使っている。
・ドアトリムのデザインも秀逸。
・使い勝手も良好で、特にセンターコンソールに置かれたドリンクホルダーは2重底になっていて、500mlのペットボトルを入れる時は底を深くすることで、飲み物が出っ張って運転のジャマになるのを防ぐ機構になっている。エンジン横置きのFFだから可能なのかも知れないけど、これはなかなか感心。
・Sパッケージ特別装備のアンバー色のオプティトロンメーターも視認性・高級感とも抜群。
・巷で噂のマットですが、クリップとマジックテープの両方で固定するので、まずズレたりしません。むしろ外したりチョット調整するのが大変なくらいです。
・バックモニターが標準装備というのは嬉しいです(アリオンで遠出はしないので、特にナビは要らないため)。
・ドアを開閉時の音が安っぽいのには閉口します。ドアが軽く、ウェザーストリップのゴムが厚いのか『ぱふっ』という軽い音がします。特に後席は酷く、軽自動車の開閉音みたいです。
■外装
・リヤフェンダー付近は結構凝ったデザイン。
・フロントガラスがほぼ平面!これは驚きました。
・ボディカラーのブラッキッシュレッドマイカは、高級感があってGOOD!磨き甲斐もあります。プレミオだと時々見かけるけど、アリオンだと激レアです。
・フロントグリルが格子状のデザインになっていて、汚れが溜まりやすいのに洗車しにくい(オプションのグリルを選択すればいいんだけどね)。
・ドアモールがないデザインなので、ドアそのものはのぺーっとしたデザイン。ミニバンのドアみたい。
・テールランプがLEDじゃない。LEDじゃないのは別にいいんだけど、先代アリオンの後期型はLEDテールランプを採用しているのに、フルモデルチェンジで電球に戻したのは納得できない・・・
・プレミオに比べてメッキパーツが少ないのは別に構わないのですが、プレミオだとメッキ部品の個所が、大抵はタダの艶消し黒だけなのはチョット・・・どうせならダーク系のメッキを採用して欲しい。
■動力性能
・アリオンのラインナップは1.5L・1.8L・2.0Lの3つ。当然、2.0Lだと動力性能に不満はなく、快速セダンとして使えます。もちろん過給機などは付いていないので“激っ速”とはいきませんが、十分快速です。トーションビームの恩恵を受けて車体も軽いので、出足なんかは最高です。
・ただし、じゃあその加速感に感動があるかというと、答えはNO。加速フィール・エンジン音ともに官能性能という言葉には全くの無縁です。エンジンはノアやヴォクシーに搭載されている3ZR-FAEですから、実用重視のエンジン。レッドゾーン近くまで回そうにも、燃費重視のCVTがそれを許容しない。無理矢理回しても、回ってるだけ。でもちゃんと加速はする・・・まあ、官能性能とかその類のものを求める人は他のクルマをドゾー。
・パワステはかなり軽い。
・CVTの低速時の制御に難アリと言う人も多いですが、自分はそうは思いませんでした。
・エンジン出力、車重、ボディサイズ、CVT、ステアリングなどを総合すると、とにかく街乗りが楽です。
・ステアリングが軽すぎるのか、長距離では意外と疲れます・・・エンジンが2Lあるのに残念です。電動パワステの制御を煮詰めて欲しいなぁ・・・
・足回りは、思ったより硬くて意外とスポーティです(あくまで”意外と“ですが)。ただしリヤのトーションビームのセッティングが悪く、乗り心地も悪いし走行性能も良くなくて、どっちつかずの状態。あ、ワタシはトーションビームだからダメだとは言いません(有名な外車も量販車だと結構トーションビーム採用してますよ)。
・今時VSC(横滑り防止装置)が最上級グレードでしかオプションで選ぶことすらできない、というのは余りに時代錯誤。前車標準装備にしろとは言いませんが、せめて1.5Lや1.8Lにも1グレードずつ、ちゃんとVSCを選べるグレードを用意して欲しいです。
・燃費は、ウチは本当にチョイ乗りしかしない(平均すると、出動1回当たり3km以内。しかも結構な登坂)ので、正直7~8km/Lくらいです。不満と言えば不満ですが、まあ仕方ないと思います。ちなみに田舎の高速で時速80kmでクルーズコントロールを使うと、リッター20km近く走りますよ^^
色々書きましたが、値引き額・エコカー減税・エコカー補助金など含めればかなり満足感は高いです。
やはり、5ナンバーサイズにこだわることは、それなりに意味があります。そのメリットはちゃんと感じます。
トヨタのクルマづくりはよく"80点主義"と揶揄されますが、少なくともワタシが自分の学生時代を振り返ってみると80点って、結構高得点ですよ。それをコンスタントに取るのって、まあなかなか難しいでしょう。それはそれで評価されてもいいような気がします(絶対的に正しいとは言いませんが)。
国内市場のみを考えたクルマというのが激減する中、この5ナンバーフルサイズの2リッター4ドアセダンというのは死滅する可能性が高いでしょう。現在の国内各社のラインナップを見る限りは日産のブルーバードシルフィとトヨタのプレミオ・アリオンだけですね(ホンダ シビック、マツダ アクセラ、三菱 ギャランフォルティス、スバル インプレッサアネシスは3ナンバー)。
そう考えると、多少の共通部品があるとは言え、ラインナップに残っているだけで、ある意味では「贅沢なクルマ」と言えるかも知れません。
2L4ドアセダンで実用的なクルマ・・・と考えれば、ベストな一台としてオススメできます。リヤシートを倒せば、ステーションワゴンばりの使い勝手ですしね。
ただ、元々のトヨタのラインナップからすれば、カリーナの後継となるアリオン。プレミオと比べて多少なりとも若年層にアピールしたいのであれば、もっとデザインに振ってみるとか、スポーティグレードを用意するとか、内装の木目調パネルを金属調にするとか、MTグレードを用意するとか(せめてパドルシフトを装備するとか)、そういうことをしてもバチは当たらないと思います。
ここからは妄想。
□もしもアリオンをいじるなら?
・社外アルミ装着。16インチのままでいいので、205/55-16くらいのメジャーなサイズに変更したい。
・ちょっとだけ車高を下げたい。でも車高を下げると乗り降りが不便(オヤジは身体が不自由)なので、絶対にしませんが。
・マフラーサウンドがちょっと・・・(まあ、いわゆるトヨタの実用直4エンジンの音ですけど)セダリスみたいな静か目の社外マフラーが欲しいな。でも純正と同じようなデザインがいいな。
ちなみにオヤジのアリオンへの不満は次の3つ。
・後部座席の座り心地が悪い
・ドア開閉音が悪い
・エアコンの効きが悪い
そりゃあ、比較対象がY32シーマですから、まあ仕方ないでしょう。ここまでは想定の範囲内なのですが・・・
・エンジン始動時の音が悪い
・・・社外マフラー入れたろか(笑)
まあ、家族のクルマなんで絶対にいじりませんが。
(家族に何を言われるか分からないし、どうせいじるならレガシィをもっとメンテしてあげたいので・・・)