ブーストコントローラーと強化アクチュエーター

昔、機械式ブーストコントローラー、電子式ブーストコントローラー、強化アクチュエーター、全部をスカイラインに使ったことがあります。

機械式ブーストコントローラー：最大ブースト圧を上げられるが、ブーストレスポンスはノーマル～やや遅い

電子式ブーストコントローラー：エンジン低回転からノーマルでは有り得ないブーストが掛かる、ブースト圧も上げられるが、最大の欠点は、オーバーシュート。
B社のものを使っていましたが、調整出来るのは、ゲインとブースト圧の２項目。
低回転からブーストが掛かるようにゲインを上げると、高回転高負荷ではブーストが掛かり過ぎる。
高回転でブーストが掛かり過ぎないようにすると、低回転からはあまりブーストは掛からない。
学習機能があると言っても、結局はブースト管理が非常に不安定な上、商品個体差なのか、作動も不安定、挙句配線カプラー内の接点の爪が折れて接触不良になった。
信頼性に欠けるので、使用を止めた。

強化アクチュエーター：機械式ブーストコントローラーと似たようなものですが、まず壊れない単純構造のため、非常に信頼性が高い。気温が低く、高回転高負荷でブーストが上がるが、気温が上がるとブーストが下がる、レスポンスも落ちる気がする。真冬と真夏で0.1kの差が出る。

ここ10年くらい強化アクチュエーターのみのブースト管理で、最大ブースト圧は冬に合わせて、そのまま夏はちょっと低いブースト圧で乗っていました。

先日、AACバルブ洗浄でこれまでにないくらいエンジンの調子が良くなったので、991.2や718など最新ターボ車と比べると時代遅れのタービンレスポンスを改善したくなりました。

なかなか調べても、ブーストコントローラーとアクチュエーターの作動機構の内容の説明は良く見ますが、どう組み合わせてセッティングするかは、誰も書いてません。
それを書いてしまったら、ショップでセッティングする仕事が減ってしまいますし。

ところで、最近の電子式ブーストコントローラーは、ゲインとセットの調整の他にスタートブーストの設定が出来るのです。
これだ！と。
メーカーの人もブーコンの進化の歴史はオーバーシュート対策だと雑誌で言ってました。
ゲインとセットで低回転と高回転高負荷でブースト管理が出来る訳が無いのです。
エンジン回転、車速、ギア、スロットル開度など複合的に組み合わせてECUセットも出来るので、それが一番良いですが、その前に。

電子式ブーストコントローラーの一番のメリットはブーストレスポンス。
デメリットはオーバーシュート。

強化アクチュエーターの一番のメリットは高回転高負荷でも安定したブースト管理。
デメリットは普通なブーストレスポンス。

まずは、電子式ブーストコントローラーでスタートブーストまで速く立ち上げて、そこから先はあまり介入させず、高回転は強化アクチュエーターメインで管理させれば良いのではないかと考えました。
気温の変化でちょっとだけブーストを上げたい時だけ、電子式ブーストコントローラーで多少上げる程度にすればオーバーシュートは減るのではないかと。
勝算が立ったので、試してみます。