
自分へのメモ的な内容です。
https://porsche-presskit.de/workshops/718-boxster/wp-content/uploads/Technik_Workshop_718_Boxster_JA.pdf#search=%27718+%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB%27
718 ボクスター テクノロジー ワークショップ • エンジン 6
自然吸気エンジンのレスポンスとダイナミックブースト機能
ポルシェのエンジニア達は、ターボチャージャーのプロセスをチューニングする際
に、自然吸気エンジンに匹敵するエンジンレスポンスを実現させることにとりわけ
こだわりました。これは、スポーツまたはスポーツ・プラスモードでスポーツ走行
をしている際、部分負荷領域でターボチャージャーの「プレコンディショニング」
を行うことなどで解決させました。バイパスバルブが閉じ、イグニッションタイミ
ングが遅延し、スロットルがわずかに開きます。これによって駆動トルクを一時的
に維持しつつ、エンジンに供給する空気の容積と過給圧を増大させます。ドライ
バーがスロットルを全開にすると、より高い過給圧によってより大きなトルクが自
然に発揮されます。この「プレコンディショニング」は、スポーツまたはスポーツ・
プラスのいずれのプログラムを選択するかによって異なります。
さらに、フル加速中にドライバーが一時的にアクセルペダルから足を放すと、新し
いダイナミックブースト機能が介入します。わずかな時間であれば、アクセルペダ
ルから足を放してもスロットルは大きく開いたままとなり、フューエルインジェク
ションのみが停止します。その結果、過給圧が完全に低下することはないため、再
度アクセルペダルを踏み込んだ際にはエンジンが自然に応答します。これによって、
ターボエンジンでありながらも、自然吸気エンジン同様のクイックなレスポンスが
発揮されるのです。このダイナミックブースト機能は、ノーマルモードでクイック
なスロットル操作をした際のエンジンレスポンスも改善しますが、その効果は少し
だけ小さくなります。
ターボチャージャーは、スポーツレスポンススイッチを押した際に同様の作動を示
します。911 モデルと同じく、このスイッチはスポーツクロノパッケージおよびPDK
トランスミッションを装備したモデルのステアリングホイールに装備されたプロ
グラムスイッチの中央に配置されています。このスイッチを押すと、エンジンとト
ランスミッションが20 秒間、俊敏なレスポンスを示すように設定されます。これ
はモータースポーツからインスピレーションを受けたものです。部分負荷域では、
ターボチャージャーのウェイストゲートバルブが閉じます。こうすることで、過給
圧の上昇時間が大幅に短縮されます。エンジンは、アクセルペダルの入力に対して
より自然なレスポンスを示し、より短時間で最高出力に達します。さらに、スポー
ツレスポンススイッチを押すと、PDK は低いギアへのシフトダウンを即時に行い、
スポーツ・プラスモードよりもシフトポイントが高く設定されている専用のシフト
マップが適用されます。
718 ボクスター テクノロジー ワークショップ • エンジン 7
クーラントループが延長された“インダイレクト”インタークーラー
ポルシェのエンジニア達は、インダイレクト(液冷間接式)インタークーラーとい
うもうひとつの革新的なソリューションを生み出しました。718 ボクスターのデザ
インとエアロダイナミクスに対する配慮から、ターボエンジンはドア後方のサイド
エアインレットを使用して、ターボチャージャー用の空気と、インダイレクトイン
タークーラー用の空気を取り入れます。圧縮空気の冷却は、冷却システムの補助
ループを使って行います。エンジンの上方には熱交換器が設けられていて、ターボ
チャージャーからの圧縮空気は、この熱交換器によって熱の一部がクーラントに移
動します。その後、クーラントは各エアインレットに1 つずつ備えられたラジエー
ターを流れます。
718 ボクスターの4気筒ターボエンジンに用いられたテクノロジーは、スポーツパ
フォーマンスと卓越した効率をさらに強化します。例えば燃焼室中央に配置された
インジェクターは、非常に優れた燃焼をもたらし、燃費と排気の質を向上させるこ
とに直接貢献します。フューエルポンプは、ガソリン・ダイレクト・インジェクショ
ン・システムに最大250 bar のシステム圧を供給します。さらに、バルブストロー
ク調整式の可変排気カムシャフトによって、シリンダー内の排気行程をさらに正確
に制御できます。インレット側では、ポルシェはもちろんバリオカム・プラス・シ
ステムを引き続き採用しています。摩擦を低減させたこの可変バルブトレインを吸
排気の双方に採用することによってもうひとつのメリット得られます。それは、ポ
ルシェのターボエンジンが誇る、低回転域でのスポーティかつ自然なレスポンスを
より細かく調節することが可能になることです。シリンダー表面にプラズマビーム
で鉄をコーティングする新たなシリンダーライニングプロセスを採用することで、
エンジニア達は摩擦損失を軽減させ、燃料とオイルの消費を抑えることに成功しま
した。911 のエンジン同様、4 気筒水平対向エンジンには完全可変オイルポンプと
スイッチャブル・ウォーターポンプ採用のサーマル・マネージメント・システムが
装備されています。
718 ボクスター テクノロジー ワークショップ • ドライビングダイナミクス 10
快適性とスポーティさを強化するアダプティブマウント
ダイナミックなドライビング特性は、エンジンの搭載位置のみによるものではなく、
そのマウント方法によってももたらされています。水平対向4 気筒エンジンの搭載
位置によって、45:55 というほぼ理想的な前後重量配分を実現しています。従来と
同じく、エンジンは2 つのリアトランスミッションマウントによってサポートされ
るのに加え、新型モデルのフロントではアジャスタブルスティフネス流体エンジン
マウントが従来の1 つから2 つに増やされています。アイドリング時は、切り離さ
れたエンジンマウントによる最適な振動快適性を実現。走行中は、より硬くなった
エンジンマウントが、エンジン質量の移動に関連した乱れを最小限に抑えます。オ
プションで用意されるスポーツクロノパッケージの先進性に富むダイナミックト
ランスミッションマウントを装備した場合、718 ボクスターの快適性とコーナリン
グにおけるドライビングプレジャーの幅はより広がります。新世代のダイナミック
トランスミッションマウントは、最適化されたコントロールプログラムによって、
以前にも増してさまざまなドライビング状況に適合します。
718 ボクスター テクノロジー ワークショップ • ドライビングダイナミクス 11
精度と横方向の安定性を向上させた新たなシャシーチューニング
ドライビングパフォーマンスの精度と横方向の安定性をさらに向上させるため、ポ
ルシェのエンジニア達はリアサスペンションを大幅に見直しました。例えば、新た
にラテラルメンバーを追加することでリアサブフレームを補強し、横方向の剛性を
高めています。ショックアブソーバーの大径化されたピストンとシリンダーチュー
ブによって剛性が高まっているため、ホイールをガイドする精度も向上しています。
リアホイールは1/2 インチワイド化され、横方向の力に対応する能力が高まり、新
開発のタイヤと相まってコーナリング安定性の向上に大きく貢献しています。
スタビライザーが強化さればね定数が高められたほか、油圧ダンパーにも新たな
チューニングが施され、ピッチおよびロール挙動が最小限に抑えられています。さ
らに、従来のシャシーにリバウンドバッファスプリングも追加されています。これ
らは、加速時に車体のフロントの浮き上りを軽減し、ダイナミックなコーナリング
時のロール角を抑え、快適性も向上させます。この新たなチューニングによって飛
躍的に剛性感が高まり、様々な路面の荒れに対するスプリングのレスポンスも改善
されたため、快適性とパフォーマンスはがさらに向上しています。
10 %増加したダイレクト感:911 ターボから受け継いだステアリングによる
ハンドリングの向上
718 ボクスターではハンドリングも向上しています。10%ダイレクトになった電動
ステアリングは、サーキットでも公道でもコントロールをさらに俊敏かつ容易なも
のとします。この目的を達成するために、718 ボクスターにはよりダイレクトなギ
アレシオをもつ911 ターボのステアリングギアボックスが採用されています。また
オプションでパワーステアリング・プラスが用意されています。駐車時はステアリ
ング操作力が軽くなるため快適性が向上し、高速走行時ではより高い安定性を発揮
します。
718 ボクスター テクノロジー ワークショップ • ドライビングダイナミクス 12
マルチ・コリジョン・ブレーキ・システムを装備したより強力なブレーキシステム
走行性能の向上に伴い、フロントに直径330 mm、リアに直径299 mm のブレーキ
ディスクを備える、より強化されたブレーキシステムが採用されています。718 ボ
クスターには、先代のボクスターS に採用されていたブレーキシステムが装備され
ます。また、718 ボクスターS のフロントには、911 カレラの新しい4 ピストンキャ
リパーと、厚みが増したブレーキディスクが採用されています。また718 にはマル
チ・コリジョン・ブレーキ・システムが採用されています。このシステムは、1 次
衝突後に自動的に制動を行い、エアバッグを展開して2 次衝突の被害を軽減します。
718 ボクスター テクノロジー ワークショップ • デザイン 16
装着されるスポーツステアリングホイールは直径が376 mm で、
デザインは918 スパイダーのものと同じです。なお、直径360 mm のGT スポーツ
ステアリングホイールがオプションとして用意されているほか、全てのステアリン
グホイールに対し、ポルシェはマルチファンクション機能とヒーター機能をオプ
ション設定しました。
仕様
インタークーラー インダイレクト(液冷間接式)インタークーラー
(低温型ラジエター2 基、水冷式インタークーラー<1 基>)
ブレーキディスク
(フロント)
直径 330 mm
厚さ 素:28 mm S:34 mm
ブレーキディスク
(リア)素・S同じ
直径 299 mm
厚さ 20 mm
こういうメーカーのカタログや解説って、タービン過給圧コントロールがアクチュエーターなのにウェイストゲートバルブって言ったりして、非常に紛らわしいです。

通常の市販車はこういうもので過給圧コントロールしてます。
今は、718も911もターボを含め全部アクチュエーターです。

昔の空冷930や964のターボがウェイストゲートで過給圧コントロールしてました。
デカいタービンに使います。
まぁ718も過給圧立ち上がりのために、アクチュエーターへ過給圧を掛からなくしたり、アクセルオフ時にスロットルを開いたりしていると。
991.2も同様の管理はしているでしょうから、アクセルオフで+0.1kくらい掛かったりするんですね。
718のエンジンが背負っているラジエーター2つは、水冷インタークーラー用で、左右リアタイヤ前のダクトから導風されています。
718は純正でエンジンマウントが2個硬度可変機構があって、スポーツクロノでミッションマウントが可変になるということなんですね。