
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
先日のスノーアタックの動画を編集して、早速解説を加えてみました。
中で一部、やしこばさんの110(ワンテン)の「本家ローバーターン」の動画が登場しております。(ありがとうございます!)
解説に入れ忘れましたが、ローバーのサイドブレーキはトランスファー直後のセンターブレーキ。(サファリ、国産ジープ、ジムニーとかと同じ方式)
それに対し、ランクル80のフルタイムの場合は、リアのドラムブレーキに直接作用する方式で結構、構造が大きく違います。
ランドローバーの場合は、サイドブレーキを引き絞りローバーターンをしてもそれほどブレーキが壊れるってことはない(みたい)ですが、
ハチマルの場合は、サイドブレーキに普段あまり想定していない横方向からの負荷がかかることになるので、バックプレートが大きく変形し、フットブレーキが全く効かない状況に陥ることがあります。
ですので、ハチマル・フルタイムでのローバーターンは本当に気をつけた方がいいですね。(極端な話 しない方が無難)
それと、これは基本的なことかもしれないのですが、ハチマルなどではデフォルト(初期設定)のままでは、ローレンジでセンターデフロックの解除は出来ないようになっていると思います。
これはおそらく、「ローレンジによる大きなトルク&オープンデフ」という組み合わせで起こる、大きな駆動力がセンターデフに加わることをメーカーが嫌っているからだと思います。
そこで、ローレンジでセンターデフをオープンにしようとすると「ある小細工」をしなければいけなくなるのですが、
もし仮にセンターデフが大破してしまうとほぼ間違いなく自走での走行は不可能になります。
ランクルの前後ホーシングは、LSDやデフロック装着車はリアもフルフロートなので、例え前後デフがクラッシュしても、ドライブシャフトを抜けばカンタンに自走可能になるのですが、センターデフが割れたら手に負えません。
「センターデフが壊れる可能性がある」
「リアブレーキのバックプレートが曲がる可能性がある」
ということを特にランクル80・フルタイムの方は頭の片隅においてローバーターンとかをするようにしてくださいね(最近はめったに見なくなりましたが)。
今回、僕が使っているのはウインチを使った、フロントをスライドさせる技です。
今回はたまたまバックするだけで上手くスライド出来ましたが、
通常は前後に車を動かしながらジワジワとスライドさせていきます。
右にスライドさせる場合は、左に大きくハンドルを切りながらバックし、右に大きくハンドルを切りながら前進する・・という操作を繰り返すことになります。
ここでも「揺り返し」を使うということが基本になるわけです。
このように真横に引っ張ると、通常は押しのけられた土や雪で壁が出来て大きな抵抗になってしまうのですが、そのまま無理やり牽引するとウインチを壊したり、ワイヤーを切ったり、操舵系を壊したり、転倒するおそれもあるので注意が必要です。
そこで、駆動と揺り返しも同時進行で併用するわけですが、駆動を使いすぎるとその場で掘ってしまう場合もあるので、「ウインチによる牽引と駆動のさじ加減」が重要になります。
ちなみに、この技、慣れてくるとアンカーの木などへの負担も上手に減らすことができるようになると思うので、より細い木や不安定なアンカーなどを使うことも出来てくるんじゃないかな?
電動ウインチを載せている方はぜひたっぷり練習してみてください(^^
こちらは、やしこばさんに教えていただいた、僕がやっているのとよく似たことをしている動画です。
この場合は、車の左斜め前の木にアンカーを取り、ウインチは巻き取りしながら、駆動は逆にリバースに入れてタイヤを逆転させることで、木に張り付いた状況をリカバリーしています。
前方に引く力と、左後ろ方向にかける駆動力のベクトルの和が、車の左になるので結果的に木から車が引き離されるってわけです。
この時、おそらくですが、フロントのデフロックはオンしています。
これはスライド(ドリフト)に共通していることですが、デフロックや強力なLSDなどが付いている方が左右のタイヤを同時に回すことが出来るので、スライドは簡単に起こるようになります。
トラ専の方々が、テールスライドさせて遊んでいるのを見かけることがあると思いますが、あれも同じ原理ですね。
ただ、フロントデフロックを効かせた状態でタイヤを回すときは、普段の10倍は注意しながら駆動をかけるようにしてください。
たとえばこの動画ですが、1:40前後で↑の動画と似た操作をしている時があります。
つまり、ウインチは巻き取りしながら、バックに入れてタイヤは逆転させているという操作です。
ただ、おおきく違うのはフロントデフロックをONにしていないことですね。
理由としては、左前タイヤがかなり埋まってしまっているので、無理にデフロックを入れてタイヤに大きな駆動力をかけてしまうと、フロントデフかドライブシャフトを粉砕してしまうかも?と思ったから、この時はあえてフロントデフロックは入れずにこの操作をしていました。
(結局は、前後に少し揺り返ししながらハンドルを中立に戻し、ウインチの牽引力でそのまま前進させた)
あと、「チェーン封印」ですが、これは本当に注意してください。
今回は、オンロード上もそれほど雪が無かったのと、走るポイントもガードレールなどがちゃんとある場所ばかりだということを知っていたので、敢えて面白くするために「チェーンをつけずに遊ぼうぜ」となったのですが、
雪中初心者や、ろくにレスキュー用品も揃えていない人の場合は下手すると遭難して多くの人に迷惑をかけてしまいます。
「自己責任」とは書きましたが、十分、注意してくださいね。
ではでは。