
先日、スポーツランド岡山に行ってきたので広場でブレーキチョークを実際にやっているところを動画で撮影してみました。
今回は、スポラン岡山の広場の入り口に扇型をした30度くらいの傾斜のある斜面を使っています。
動画を見ても地形がどうなっているか分かりにくいかもしれないが、斜面に対してわざと真横に傾くようなライン取りで進入しています。
動画ではクルマが左を下にした状態で写っていると思いますが、やらせでも大袈裟でもなんでもなく、実際に、あれくらい傾けています。
傾きとしてはまだまだ全然転倒には至らないので余裕ですが、左前方に進めば進むほど斜面の高低差は大きくなるので、下手な操作をしてフロントタイヤが谷側に派手に大きく滑ると場合によってはコケてしまうリスクはある。
動画では写ってないですが、クルマの左側はずーっと下っているのでこういう走りに慣れていない人にとってはめちゃくちゃ怖いかもしれません。
(特にフロントタイヤが谷側にズレるときは)
⬆︎こんな地形。この画像ではクルマは右斜め上に向いてますが、動画では左斜め上に向いています
一般論では、斜面に対してはなるべく垂直にクルマを当てるのが正しい。
この動画のように、斜面に対してほぼ真横に少しずつ登らせていくライン取りは本来はNGだし、初心者のうちはもう少し基本に忠実なライン取りをすることをお勧めする。
今回はあくまでもトルクフローを起こしやすい態勢からブレーキチョークを使って、なるべく左前方に登らせていく練習をしています。
「
どんなクルマにもそれぞれ”限界のライン”がある」ということは前々から言わせてもらっている。
僕のクルマでも当然あるし、実際この動画を見てもらうとギリギリいけるかいけないかの境界線がどのあたりか分かって貰えると思う。
僕にとって重要なのは、
その境界線上でいかに上手になるべく路面やクルマに負担をかけずにクルマを自分の想定した通りに操作して、イメージ通りに脱出することだ。
結果論では登れたとか、なんでもないラインをクルマが勝手に走れました、イメージしてないことが起きたけど結果オーライという走りには興味がない。
今回の動画でやっているように、ギリギリのラインを探りながらタイヤのグリップや路面から伝わってくるインフォメーション(情報)に最大限神経を張り巡らせて細心の操作をしているときは次の瞬間に何が起こるかは予測は困難だが、
まあそれでも大雑把には、なんとなくこうなるであろう走行イメージは湧いてくるものだし、走り込みを行うのもそういうイメージを掴みやすくするためのものだと思っています。
実際このときもクリアしたらわざとバックして、また若干違うラインや操作方法を何度も繰り返し試している。
この動画では、左側に傾きがある斜面を走っているのでトライアルに出ているような方がよくやっているように二駆ターンなどで一気に右に向きを変えてやればカンタンに前進出来るラインには乗せることが出来る。
ただ
この技は難易度的にいうと割と低いスキルになると思っている。
リアにデフロックや効きの強いLSDなどを入れているクルマは特にこの技を得意とするし、例えばヒルクライムを攻めていて斜面の途中で横を向いてしまった場合の危機回避のリカバリー法として有効な技であることは確かだ。
ただ先ほども書いたように
技の難易度としてはカンタンな部類に入る技だ。
見た目は派手なので初心者受けがいいことは間違いないのだが(笑)、二駆ターンなどのアクセルターンの難易度をA〜Bとすると、僕が極めようとしている自分のクルマのギリギリのラインで自分が想定していた通りの挙動で最大限のグリップを引き出しながら走る技の難易度は確実に
C以上だと思っている。
例えばこちらの動画は、僕が数年ぶりにクロカンに復帰した当初のものだ。
こちらもスポーツランド岡山の林間コースと呼ばれているポイントなのだが、なるべくタイヤをスライドさせないような操作で斜面で向きを変えていっている。
これも写っていませんが右側は何メートルも落ち込んでいる斜面なので仮に転けたとしたらただでは済まないだろうw
動画のなかでも言っているが、リスクの高いポイントでやるのは慣れない人にとってはかなりの恐怖がつきまとうだろう。
自分の場合はもうこの程度ではビビらなくなったが、やっぱりそうなったのはもっとリスクの低いところで同様の練習を何度も繰り返ししてきたからだし、
よりリスクの低い地形で多くの走り込みをした結果、ある程度なら地形を見ただけで自分のクルマで攻めれるかどうかの判断はつくようになってきたと思う。
これは動画の中で撮影者のクラックマンも言っていることだか、
斜面の途中でクルマの向きを変えていくとき、タイヤを滑らせるより、タイヤを滑らせないようにして曲がっていくことの方が何倍も難しい。
最初の動画に話しは戻すが、タイヤの向きも非常に重要だ。
ちょっと右に切りすぎるとタイヤが右前と左後ろで対角線で空転してしまう。
かといって左に切りすぎると斜面を登らなくなるし、実際この動画でもフロントタイヤが谷側にズルズルと滑ってしまうことがある。
だから正解のラインはこのときは本当に狭いものだった。
ステアリングから伝わってくる路面の感触、自分の目でタイヤと路面を見て得られる情報を元にギリギリ通せるラインを探っていく。
アクセル操作、ブレーキ操作、クラッチ操作、ハンドル操作、どれも非常に繊細に行わなければカンタンにグリップが逃げ、フロントタイヤが谷側に大きくズレたりタイヤが空転して前進できなくなる。
その微妙なところを五感ともてる技術をフルに動員してクロカンをしているときが僕にとっては至福のときだ。
( ̄+ー ̄)
またこれは別の機会に詳しく記事にしたいと思うが、僕のクルマのようにノーマル+αの改造度のクルマは走破性がそんなに高くないので、スポランの広場程度でも至るところで同様の練習が出来る。
だが逆に、常時デフロック状態のクルマや過度に足回りの改造を施したクルマ、二階建てみたいに異常に重心が上がってしまっているクルマはこういう練習をする場所が非常にかぎられてくる。
練習する機会が少ないということは、それだけ自分の技や判断の引き出しが少ないということがいえる。
だから僕は特に初心者のうちは過度な改造は控えるべきだと思う。
基礎的な操作も身についていないのに難所をいきなり走るのは自殺行為だし、クルマが勝手に走ってくれているのが自分の腕が上がったのと勘違いしてしまうと自分が思っているほどは上達しないし、他人にも迷惑かけることが多いからだ。
ちなみに僕が今のクルマを買って最初にやった改造は、タイヤを7.50-16のジープサービスに履き替え、シートをフルバケットシートに交換、マッドフラップやアルミのステップの撤去程度だった。
リーフやシャックル替えたのは購入して三年後だったし、ウインチを搭載したのは7年近く経っていた。
34インチのスワンパーを履いたのはつい最近だし、皆がよくやっているような足回りの大改造はしてないし興味もない。
クロカンは本来非常に安く遊べるものだと思うので、なにかあったら安直に改造に逃げるのではなく、知恵と技をふりしぼり、試行錯誤と創意工夫(クルマのハードや運転技術のソフトともに) 苦心惨憺の末にクリアしていくことをお勧めします。
他人より明らかに走破性が優位なクルマでするクロカンは数回もしたら飽きてしまうが、多少性能が劣るクルマで腕や想像力で乗り越えいくクロカンは飽きてしまうことはないと思っている。
以前ブレーキチョークの実演をしていた動画があったので貼り付けておきます。
まだブレーキチョークをマスターしていない方はヒール&トゥをする際の参考にしてやってください。
僕の場合、サイドブレーキは速度調整用程度で使用頻度は低めだ。
岩場での再発進時、ブレーキチョークを効かせながらの再発進などでは必ずと言っていいほどヒール&トゥを使っている。
実はオンロードを走るときもかなり多用しているし、仕事で乗っているトラックですら使っている。
こちらの使用用途はコーナーにブレーキで減速しながら進入するときにスムーズにギアをシフトダウンしてコーナーからの脱出でロスしないようにしているだけなので、競技車両みたいな高速でぶっ飛ばしてやろうというわけではなく、よりクルマを揺らさずに安定した速度でロスなく走るための技なのだが、クロカンでは関係ないのでここで語るのは辞めておこう。
オンロード、特に競争車で使うヒール&トゥと、オフロードでブレーキチョークで使うそれには決定的な違いがある。
オンロードのはアクセル開度の調整はあまりしない。
かかとでアクセルペダルを煽って、エンジン回転が落ちてきたタイミングに合わせてシフトチェンジをすることが多い。
だがオフのブレーキチョークは、つま先では細かくブレーキ操作をしながら同時進行で、かかとのアクセルペダル操作も行うことが多い、それもかなりの長時間にわたって。
さらに同時進行で左足のクラッチの微妙な断接、右手でステアリング操作、左手でシフトチェンジとかも同時に行いつつ、上半身を車外に大きく乗り出して死角の路面の状況確認をしていたりするわけだから忙しい。
ついでにウインチで車体の保持をしたりしながら攻める場合は、右手のコントローラー操作も加わる。
おれは阿修羅観音か?と自爆ギャグでもかましたくなる忙しさだ。
実際ここまで手が多くて、楽々操作出来るようになったら面白さ半減かもしれんが
ヒール&トゥの習得法はいろいろあると思うが、僕がよくやっているのは、信号待ちなどでフットブレーキで停車しているときなどに、つま先を軸にして踵をアクセルペダルの上にくるっと回すことを何度も繰り返すことだ。
このときはアクセルペダルを踏み込んだりはしないで、ただ単にアクセルペダルに踵を乗せる程度にするだけだが、注意するのはフットブレーキの踏力を常に一定に保ち続けるようにすること。
ヒール&トゥをやったことない人はこれだけでもかなり難しいはずだ。
まっすぐにフットブレーキを踏むことは当然カンタンだが、踵をくるっと右にもっていくと内股のようになるが、そのとき大体つま先でブレーキペダルを強く踏んでしまう傾向があるからだ。
慣れたら安全なところをはしりながら、同様の操作をやってみたらよい。
停車していたらわからないかもしれないが、最初は大体カクカクとブレーキの踏力がばらつくはずだ。
オンロードでのヒール&トゥは安全上あまりお勧めは出来ないが、普段からこの手の練習は繰り返ししておくことをお勧めします。
なにより運転技術の幅が広がりますし、それまでサイドブレーキに頼っていたところを左右の手でステアリング操作に集中出来たり、左手でハンドル操作をしながら上半身をクルマの外に出して状況判断しながらブレーキチョークしてみる…などということも出来るようになる。
これはちょっと余談だが、僕は元々、ランクルに乗る前に短期間だがダートラ車に乗っていた時期がある。
ヒール&トゥはそのころ覚えたので今となってはどうやって習得したかも覚えてないのだが、そのとき乗っていたスターレットはブレーキとアクセルの間隔が狭くしてあったので、今みたいにつま先を軸に踵をくるっと大きく回してアクセルペダルを踏むのではなく、
足の裏を左に向ける要領で右足の小指側でアクセルペダルを踏んでいました。
ランクルに乗り始めた当初はアクセルペダルを加工して、ペダルの間隔を狭くしていましたが、あるとき右足のくるぶしの靭帯を切ってしまったので、足の裏を横に向けるような動作が出来なくなりました。
そこで現在みたいにつま先を軸に股関節から踵をくるっと大きく回す方法に変えたので、競技出身者が僕のヒール&トゥを見たら違和感を感じるんじゃないかなと思いますね。
まぁあのようなスタイルに変えたおかげで、ほとんどのクルマでアクセルペダルやブレーキペダルを無加工でヒール&トゥが出来るようになったのは良かったのかもしれません。
ちなみに仕事で乗っているニッサンのトラックはペダルの支点が床側にあるので最初は随分苦戦しました。
ものすごく踵を外側に回さないとアクセルペダルを踏めないので。
今では息をするのと同じ感覚で使えますが(笑)
なんにせよ、クルマの運転って楽しいし奥が深いですよね。
