エイプ50の力を解放せよ!④ ~排気系の考え方~
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
どうもこんばんわまてぃぇぅです。クリスマス更新だぜバカヤロウ。
今回は排気系、つまりマフラー関係の事を書きたいと思います。
「やっぱ、速くしたいなら太いマフラーだよね!!」
う~~~ん・・・・まぁ当たってるんですけど・・・・
ちょっと語弊があるんですよね。
マフラーにも色々種類がありますが、その中でも選ぶべきポイントがいくつかあります。
ただ単に太いパイプ付けただけなんて本当にパワー出ないマシンになっちゃいますからね。
ここではマフラーや排気に関する事などを書きたいと思います。
エイプ50はマフラーが滅茶苦茶細くて排気抵抗ありまくりなので、マフラーを交換することでかなりのパワーリミッターの解除に繋がります。
マフラーを交換する人はこの記事を読んでマフラー選びの参考にしていただきたいと思います。
ちなみに、4stに関する知識ばっかりコンテンツとして残していますが、まてぃぇぅの専門は2stなんですよ本当はね!?
2stの排気管は「チャンバー」と呼ばれる特殊な膨張管になっており、4stのマフラーなんかよりも数十倍シビアな物になります。
チャンバーもエンジンパーツの一つです。
これの選び方でエンジンの出力特性、最高回転数、パワーが大きく左右されますからね。
よく2stのチューニングで「チャンバー付ける」「チャンバー入れる」って言うけどそれは間違ってるんだよ!
純正でもチャンバーなんだから!!(凄く旧車で、チャンバー形状になってない「マフラー」を純正装備している2stバイクを除く)
おっと話が逸れましたね。
ていうか4stミニに乗っている人は2stなんて興味無いか・・・・(泣
2
まず、マフラーを交換するとどうなるか。
「パワーアップしていい音になる!」
まぁ、当たってると言えば当たっています。
純正のマフラーは騒音規制や環境規制などをクリアする為に物凄い回数のテストを繰り返し、静かで誰でも扱いやすい物になっています。
パワーも抑えられ、出力特性も穏やかになるように設定されていることが殆どです。
これを太い物に変えると当然音は大きくなりますし、排気も純正より多く吐き出すことが出来、排気の抵抗も減るのでパワーも上がります。
しかしです。
排気抵抗が減るというのは、同時に「排気の流速が遅いときはパワーが出ない」ということとイコール関係にあります。
わかりやすく言うと低速・低回転時にパワーが出ないということです。
その代わり、高回転時に純正よりもパワーが出るようになるという風に設定されているはずです。
ちゃんと設計され、パワーが出るように製作されているマフラーならね。
たまに「低回転から高回転までパワーアップ!」というマフラーもあります(ある?)が、そういう物は真の排気効率が考えられていません。
どこかに排気抵抗を設けて「高回転のパワーをそこそこに抑えて、低回転でパワーを落とし過ぎないように」した中途半端なマフラーであると言っても過言ではないでしょう。
マフラー交換でパワーを出すということは
「高回転で純正よりもパワーを搾り出す」
ということになるのです。
3
もう一つ。
これは単気筒4stエンジンのマフラーでポピュラーな物なのですが、マフラーの「パイプの太さ」の事です。
写真は俺の装着しているヨシムラの機械曲チタンサイクロンです。
エイプ用のマフラーとしては定番中の定番、むしろ装着者が多すぎて別のマフラー選ぼうかと迷ったくらいです(笑
このマフラーに限らずですが、パイプ全体の形状をよーーーーーーーーーく見てみましょう。
4
まずエンジンのエキゾーストポートから出た直後。
これを見ただけでもわかりますが、チタンサイクロンは滅茶苦茶太いです(汗
完全に50ccにはオーバースペックですね。
いやまぁ、俺の場合はそれもちゃんと前提として考えて購入してるんで問題は無いんですが・・・・
・・・・って、言いたい事はそこじゃなくてですね。
このパイプの「太さ」を見て欲しいんです。
5
エキゾーストポートから伸びたパイプが、エンジンの下を通って・・・・
(車で言うところのセンターパイプですね)
6
ここで、マフラーエンドの「サイレンサー」に接続されるわけです。
見てくださいこれ、エキゾーストポート直後から見ると太くなってますよね?
これが重要なんです。
このように「テーパー形状」になっている事により、エンジンから吐き出された排気ガスがこの部分で負圧になるんです。
これは物理の特性などを理解していないとイメージしにくいと思いますが・・・・
この部分で今までパイプを通ってきた気体が無理矢理広げられることによって負圧になり・・・・
エンジンのエキソーストポートから排気ガスを吸い出そうとします。
チタンサイクロンの場合はサイレンサー接続直前が急激に太くなっていますが、こうやってパイプの一部からぼわっと急に太くしてやることにより、排気ガスを積極的に吸い出そうとしているのです。
恐らく、有名メーカーで値段が高くてパワーアップを謳ってる製品はみんなテーパー形状になっていると思います。
こうやってテーパー形状にすることにより飛躍的に排気効率は上がり、低回転の流速の遅さもある程度はカバーできますが・・・・
何と言っても製造が難しくなってコストが上がる、値段が高くなるという事が問題ですね。
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他にもマフラーには曲げの形状や接続部の方法など、排気効率に関するノウハウがメーカーごとに死ぬ程詰まっています。
特に曲げ形状は馬力に直結してくる部分ですから、テキトーに曲げたマフラーなんてパワーアップは望めませんよ・・・・
いやそりゃ、多少は馬力が上がるかもしれませんが、本当に考えられて設計されたマフラーには逆立ちしたって敵いません。
あと、凄く短いマフラーとか凄く長いマフラーとかありますけど・・・・どれも俺から言わせれば「クソパイプ(笑)」と言わざるを得ません。マフラーですらない。
極端に短いと排気が吸い出されませんからパワー出ないし、長すぎると単なる抵抗にしかなりませんからね。
ここまで読むと段々わかってきたと思いますけど、ただごんぶとマフラー付けるだけだと「低回転ですごく力が無いので扱いにくく、超高回転まで回さないとまともにパワーが出ない」という扱いにく過ぎるバイクになってしまいます。
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4stバイクのマフラーは、単なるパイプに見えて実はすんごく奥が深いんです。
馬力特性や乗りやすさ、走る場所のバランスは、最終的に自分のバイクをどうしたいか、で決まってくると思います。
そんなにパワーは要らないけど、街乗りで楽しくキビキビ走りたい、でも少しくらいは音に迫力あってもいいよなァ・・・なんて考えてる人はそこそこの値段のスポーツマフラーを付けておくと面白いエイプになると思います。
あんまり排気効率を考えすぎたレーシングマフラーは、低回転がスカスカになりすぎて街乗りでのんびり出来なくなりますから(汗
俺みたいに「高回転をガンガン回し、低回転を犠牲にしてでもパワーを限界まで搾り出す!乗りにくさなんて関係ねェ!!」なんて考えてる人は、有名メーカーのレーシングマフラーや職人のワンオフマフラーしか無いでしょう。
そういうマフラーは5万円や10万円は平気でしますが、馬力を稼ぐと言うならそれくらい出さないと真の姿は見えませんよ。
その代わり低回転が犠牲になることが殆どなので、街乗りで楽しく乗ると言うのが難しくなりますが・・・・
最後になりますが、最初の①(「50ccでもいいじゃない」の記事ね)に書いたとおり、自然吸気エンジンでパワーを出す方法は
・思い切り吸気させてやって力の限り排気させてやる
・エンジンを高回転型にする
の二つが一番わかりやすい方法です。
特にエイプなどの小排気量バイクは「排気量を変えずに低速トルクを太くする」と言うことがとてもとても難しい(というか出来ない?)ので、パワーを上げて走るには高回転化するしかないんですよ。
それこそ低回転の馬力・トルクを出すためにはボアアップしかありません。
そういう意味で言えば・・・・純正マフラーが一番低速トルクを出せると言えるでしょう。
まぁ、どういう風にバイクを仕上げたいかは人それぞれなので、そこの選択はこの読者に任せることにします。
さて、次回は「楽しく乗れるのはここまで」というテーマで書こうと思いますよ。
まぁお正月休みかそこらで書けるでしょう。
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