エイプ50の力を解放せよ!⑤ ~楽しく乗るならここまで~
目的 |
チューニング・カスタム |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
こんにちわまてぃぇぅです。
年末ですね。世間も年越しムードでございます。
さてさて、今回は「楽しく乗るならここまでで」というテーマです。
「ボアアップすれば楽しくなるんだよね!!!」
だ ぁ か ぁ ら ァ !!!
エイプ50はボアアップしなくとも十分楽しめるバイクです。
今までの①~④までのことを実践して、今回紹介する記事を更に参考にすれば本当に面白いバイクだと思いますよ。
ここで書きますけど、俺はモンキーよりもエイプ50の方が好きです。
なぜか?
安定度が段違いだからです。
10年ほど前ですが、一度だけほとんどノーマルのモンキーに乗ったことがありました。
40km/hほどスピードが出てきた時のことですが・・・・ハンドルが震え始めたんです。
同時に車体が直進しなくなり、バイクそのものが左右に揺れました。
本当に怖かった。
フロントフォークが非常に短く、キャスター角が少ない、加えてタイヤがとても小さいためにある程度速度が出ると車体の安定性がガクッと崩れるんでしょう。
こんな経験から乗るなら絶対エイプだと思っていました。
エイプは60km/hオーバーの速度でも非常に安定し、ブレーキング時でも車体のバランスが崩れることがありません。
フロントフォークも適度に硬く、スポーツ走行からのんびり街乗りまでできる非常に優れた50ccだと思います。
まぁ、エイプ50の賛美はこの辺にしておいて・・・・
今回は
・ハイカム
・キャブレター
について書きたいと思います。
2
まずはハイカムについて。
なんだか世間では
「ハイカムとボアアップを組み合わせるのが普通のこと、50ccにハイカムなんて組んでも意味が無い」
という風潮があるような気がするんですが・・・・
まてぃぇぅ、この風潮にハッキリNOと言います。
エイプ50純正のカムシャフトは非常に低回転向けトルク型に作られており、低回転でのトルクはまぁまぁあるんですが、高回転では回らない、パワーが先細りになってしまうカムになります。
しかし④で書いたとおり、50ccの4stでは高回転でパワーを出すようにしないとパワーアップは望めないバイクになります。
ハイカムというのは、高回転で混合気をたくさん吸い込んでたくさん吐き出せるようにエンジンの特性を変化させられる物であり、純正エンジンに組んだだけでもスゴく効果があります。
逆に言うと、今までよりもエンジンがビュンビュン回って高回転になればなるほどパワーが盛り上がるようになるので、俺みたいに高回転まで回すような人間にとってはたまらなく楽しい乗り物になりますw
俺は普段こそ16000回転とか15000回転とかバカみたいな高回転を言っていますが、普通のお店で売っているような「1万円未満のノーマルヘッド対応ハイカム」ならそんな高回転でなくとも十分楽しめます。
こういう普通のハイカムは8~9000回転からパワーが盛り上がり、エイプ50純正ヘッドの限界回転数である12000回転まで右肩上がりでパワーが上がっていくような感じになります。
これは楽しいですよ、回転数といっしょに気分まで盛り上がります。
マフラーを交換していれば・・・・太いエンジン音が段々と咆哮と言えるような「叫び声」に変わっていくんです。
さて、それでは次の項目で各社のハイカムについて書きたいと思います。
・・・・と言ってもかなり限られた数ですが(汗
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1.デイトナ ハイカムシャフト
非常にまとまった特性。過激すぎず、でもしっかりとリフト量や作用角も確保されているので、ある程度のミドルチューンでも使いやすい。
セッティングもほぼ一発で決まったし、街乗りでちょっとトバすくらいならとてもいい。
しかしやっぱり「純正プラスα」は拭い切れない。14000rpmを超えるような超高回転やハイパワーを狙うような「廃チューン」エンジンには無理。
2.シフトアップ ハイレンジカムシャフト
純正ヘッドにビッグキャブと社外マフラーで12000rpmまでのチューン内容だったら非常に良いカムだった。
カムプロフィールが公開されていない為詳細不明だが、そんなに過激じゃないと思われる。
過激度で言えば、ヨシムラST-1>シフトアップハイカム>デイトナハイカム かな?
しかし、俺の廃チューンエンジンに付けた際に「13000rpmを超える回転数でセッティングが全く出ない」という状況に陥った。
やっぱりこれもミドルチューンまでかなぁ。
なんでこんなの持ってるかって?
近所の2りんかんに行った時、これしかハイカムが置いてなかったからさ(泣
3.ヨシムラ ハイカム「ST-1」
恐らく普通に買えるハイカムでは一番カムプロフィールが過激。
13000rpmの高回転でも更にパワーが盛り上がる。さすがヨシムラといったところ。
それでいて低回転が無くなり過ぎるって事もないのでオールマイティーに使える。セッティングも出やすい。
ネックはちょっと高めの値段かな?
4.メガサイクル XR80用ハイパフォーマンスカム
間違いなく縦型純正ヘッド用としては最強最高のスペックを誇るカム。
最高回転数は不明、恐らくフルチューンすれば18000rpmは回ると思われる。
ネックは取り付けと値段。
エンジンを下ろしてバルタイをダイヤルゲージを用いて正確に取り(説明書にて全て指定されている)、各種クリアランスもしっかり測りながら組む必要がある。
そして一本6万円というアホみたいな値段。一般では絶対売れないと思う(汗
その他、超有名なキタコハイカムやタケガワなどありますが、俺はこの二つは付けた事ないので詳しく書けないのが残念です。
まぁ、一般で購入できる純正ヘッド用ハイカムは五十歩百歩の性能かと。
この辺は好みで購入すれば言いかと思います。
とにかくエイプ50にハイカムを付けることは非常に有効なチューンなので、是非とも交換することをオススメしておきます。
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次にキャブレター、所謂「ビッグキャブ」について書きます。
エイプ50はキャブレターも14φと物凄く小さいんですよね。
純正のエンジンや吸排気の構成ならばとてもちょうどいいサイズなのですが、ちょっとでも吸排気チューンをして効率を上げてやると容量が不足してしまいます。
これを大きくしてやる、ビッグキャブに交換してやることはパワーの底上げになってとても有効です。
しかしこれにも選び方があります。
というより
「どれだけ大きくしたほうがいいのか」
という選択方法ですね。
4stミニバイクの一番ポピュラーなビッグキャブと言えば「PC20」ですよね。
しかし・・・・50ccのエンジンには20φは大きすぎます。
一応セッティングは出るには出るんですが、アクセル操作にはシビアになり、季節によってエンジンの調子が変わったり、天候でセッティングが左右されたり・・・・と、「面白いバイク」とは言い難いエイプになってしまいます。
ではどれだけ大きくすればいいのか?
これの計算式がミクニから発表されておりますが、簡単に計算できるホームページがあるので、次で紹介と解説をします。
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http://fuu10.minibird.jp/bike/keisan.html
このサイトで狙う回転数と排気量を入力すると自動で最適なキャブレター口径が計算できます。
ここでは排気量を49ccで固定して考えます。
純正の最高回転数「12000rpm」で計算してみると・・・・
最適な口径は15.76φとあります。
ほらね、PC20だとちょっと大きすぎるんです。
もし49ccの状態でPC20で最適なセッティングを出そうとするならば・・・・
19000rpm回せばすごく丁度良くなります(汗
そんなん俺のエンジンでも無理や!!!
ここでデイトナのバルブスプリングを付けて最高回転数が14000rpmまで上がったとします。
そうすると、最適なキャブ口径が17.02φとなります。
そこそこキャブが大きくなりましたね。
ここで注意するのが「セッティングがバッチリ決まって気持ちよく走れるのは何%大きなビッグキャブなんだ?」ということ。
俺は24φのキャブ付けて16000rpm回してパワーを搾り出して・・・・とやっていますが、ハッキリ言ってこのような超高回転、超ハイパワー仕様は
「面白いけれど、それに対するセッティングの難しさや乗り難さ、メンテの大変さなどを天秤にかけると、結局マイナスになって面白くない」
という本末転倒な状況になってしまいます。
バイクを楽しく、面白く、気持ちよく乗るという本来の姿であるならば、いくら大きくしても10%未満の大きさにとどめるのが一番ですね。
下記にエンジンの排気量・キャブレターの口径・回転数を一覧表にまとめたコンテンツを残しましたので、パッと一覧で見たいという方は下記のリンクも見てみることをお勧めします。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1506203/car/2210760/4046927/note.aspx
結論としては
・純正ヘッドで12000rpmまでの回転数に抑えておくならば、16φまでのキャブ
例:エイプ100純正(PB16)、PC16
※以前「BPアウトレット」というお店でエイプ100純正キャブであるPB16のコピー品を取り扱っていたんですが、今(2020/7)は扱いをやめてしまったのでしょうか、ラインナップから消えてしまいました。品質としてはかなり良かったんでオススメ出来たんですが…
今からPB16を手に入れようとしたら、「PZ19」という中華のコピーキャブが同じものに該当しますのでそれを厳選して買うか、エイプ100の純正キャブを流用するしか無さそうですね。
・最高回転数を上げ、14000rpm程まで回すと言うのであれば18φまでのキャブ
例:PC18、DENI 18、VM18
※現在ですとまともそうな18ΦキャブがDENI18オンリーとなってしまいました。あれメチャ高いんですよね…(汗
あとは全て超怪しい中華PC18ばっかりなんですが、俺が見た中で唯一まともそうな中華PC18は「SHENGWEY」という台湾メーカーの物でしょうかね。
・・・・という感じですね。
ちなみに、エイプ100用の純正キャブ(PB16)はPC20用のインマニ、PC20用インシュレーター、エイプ50純正コネクティングチューブで取り付け出来ます。
PC18・DENI18等のキャブはPC20用のインマニ、PC20用インシュレーター、PC20用コネクティングチューブで取り付け出来ます。
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繰り返し言いますが、キャブレターは大きくしすぎると乗りにくくなって楽しくありません。
アクセルはガバッと開けるとボギングが酷くなってまともに走らなくなるし、セッティングはシビアになって決まらなくなるし・・・・とハッキリ言っていいことがありません。
もしこれを読んでいる人のエイプがサーキット仕様であり高回転しか使わないと言うのであればPC20やVM20、はたまたTM24やPWK28などレーシングキャブでもいいと思いますが、そういう人はここを見ないと思いますし(汗
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以上まで、今までの過去記事①~⑤までを全てやると
・タコメーターが付いている
・吸気経路が広げられており、十分な吸気量が確保されている
・社外のスポーツマフラーが装備されている
・ハイカムが装備されている
・16φ、または18φのビッグキャブが装備されている
・純正シリンダーヘッドの場合は12000rpmまで回せる。バルブスプリングが交換されているならそれに対応した回転数まで。
こういうエイプになっているはずです。
このエイプ50、めちゃくちゃ面白いバイクになったと思いますよw
最高回転数はシリンダーヘッドの状態によって変わってきますが、純正ヘッドの12000rpmでも十分すぎる、むしろボアアップの必要性をあまり感じなくなるくらい速いバイクになったと思います。
最高速度は70km/hを超え、頑張れば80km/hは出るかもしれません。
スプロケット交換は必要ですが・・・・
高回転もハイカムとビッグキャブ、そして吸気経路の最適化によって凄い勢いで回り、キャブレターの口径の最適化によってどこからでもアクセルを開けられるという非常に面白い特性になりますよ。
そしてこれだけの面白さ、速さを手に入れた上、雨の日や雪の日でさえ問題無く走れ、通勤通学にもバリバリ使うことの出来るという・・・・
燃費もそこまで落ちずに40km/Lは走るはずです。
こんな面白いバイク、中々無いですよ。
「エイプ50なんておっそいクソバイク乗ってらんねーよ!!
やっぱ○○○がサイコーだぜ!!!」
・・・・そういうボアアップした君のバイクは80km/hしか出ないし、天気が悪いと調子が悪くなるのはどういうことなんだろうねぇ(ニヤニヤ
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さて、これにて「楽しく乗れる」エイプ50のチューニングは終わりです。
50ccでこれ以上のことをするとなると、高額なパーツ代やセッティングの難しさ、乗り辛さに挫折しそうになり、エイプ自体が嫌いになっちゃうかもしれません。
その代わりパワーはヘタにボアアップした4st50ccマシンを上回るようになり、最高速度は90km/hを超えるようになります。
まぁ限界までやるのは一部の変態だけだと思うので・・・・これ以上チューニングに関する記事を書くかどうかは未定です。
ちなみに、ですが。
もし、俺の今のエンジンの状態でエイプ50のポピュラーなボアアップキットである80ccの物を付けたとすると・・・・
俺の計算では、10PSを超えると思います。
最高速度は120~130km/hにはなるんではないでしょうか。
排気量を上げると・・・・本来であれば、これだけパワーが上がるものなんですよ。
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