盛岡バスセンターを歩いてみる
投稿日 : 2016年03月19日
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昭和34年施行の自動車ターミナル法が全国で初めて適用された施設が盛岡バスセンターです。
どこかのバス事業者が運営しているわけではなく、ここは盛岡バスセンターという会社が運営しています。空港経営が各空港会社に任されているのと同じように考えるとイメージしやすいでしょう。
開業は昭和35年。
このレトロな書体が、良い味出してると思いませんか。
その盛岡バスセンターが「事業撤退か」という記事を目にしました。
数年前から施設の老巧化で一時は建て直しも検討したようですが、地方が抱える問題を打破する妙案も無く、その話はお流れになっていました。
周囲の商業施設も撤退が相次いでおり、「バスセンターだけは何とか」とお願いするのも忍びない状況なのも間違いありません。
かくいう私も、近くの駐車場に愛車を入れて見に行ったのですから…。
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待合室です。
お土産品や菓子類、新聞・雑誌を扱うお店と時計店、理容店、ラーメン屋にたこ焼き屋が現在もありまして、皆さんぼちぼち利用してるみたいです。
カメラの背中側右手には、以前はパン屋さんがありましたが既に無く…。
背中側左手、中ノ橋通り側入ってすぐの場所には昔々は本屋さんがありました。
バスが入線すると女性の声でアナウンスが流れます。
今の施設だったら音声を自動化して流すところでしょうが、レトロなここでは担当者が入線を目視してからの生放送なんです。
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ここの名物が…と言っては変ですが、若かりし頃の中森明菜さんのポスターです。
時計店のスペースは、こことブログに載せた場所の2ヶ所ですが、そのどちらにも中森さんばっかし。
昔は1枚だけビシッと貼ってありましたから、あくまでも宣伝ポスターとして貼ってるのかと思いましたが…。
あぁ、なるほど、店のご主人がファンだったんですね。
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盛岡バスセンターをバス利用者目線で知るならば、この案内板が有効ですね。
構内に1~7番、構外の中三デパート(既に撤退済み、現在は全国チェーン店や地元個人商店が入居した複合商業ビル「Nanak」)前が8番、更に9番乗り場とあります。
仙台駅前みたいに「仙台駅前行き」となっていながら、実際には仙台駅前のかなり手前で「到着しちゃう」のよりはまだマシですが、待ち合わせなどで単純に「盛岡バスセンター前で」なんてしちゃうと構外に同名のバス停が多くて迷っちゃうかも知れません。
しかも、バスセンター構内にはこの他にも幻の降車専用ホームがありまして…。
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まるで上野駅を思い起こさせるような行き止まりのホームが並ぶ構内乗り場です。
7番線は降車専用なので「到着」と書いてありますが、1~6番線では「発車」となっており、発車時刻になると点灯します。
発車時は係員が笛を吹いて誘導します。
現代から見れば本当に非効率的ですが、随所に人間味が感じられて私は大好きです。
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最近はあまり使われていないと思われる「幻の」8番ホーム。
2方向からの構内入口に対して、出口はたった1ヶ所。
その出口兼用口から構内に入った直後にある8番ホームなので、ここでバスが詰まるとそれは近くの交差点付近にまで及ぶという…。
この痛み具合から察するに、今はたぶんあまり使われていないようです。
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別の角度から構内を見るとこんな感じです。
この時は、よもやの三菱ふそうMPシリーズ2台並びが見られました。
それまで盛岡地区で三菱ふそう製の路線バスはほとんど見られませんでしたが、東日本大震災以後に東京都交通局からの支援車両が盛岡市内の循環路線に投入されまして、その後は中古購入でふそう車も増えてきました。
ちなみに、右は元京王バス、左は元神奈川中央交通の車両です。
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以前は、国道を挟んだ南側には光ビルがありまして、仙台に本社があったエンドーチェーンが入っていましたが、今は取り壊されて高層マンションになってしまいました。
見上げるとかなりの威圧感を感じます。
光ビルが壊されてマンションが出来るまでは日当たりも良かったでしょうが、今では午後の日差しがマンションで完全に遮られています。
夏場だったら避暑になりそうですが、冬は少し寒々しいと思います。
前述のように商業施設の多くが撤退してしまって、この辺りに繁華街という文字は似合わなくなってしまいました。
私もバスセンター事業の存続は厳しいと思いますが、ここがある限りは時々見に来ようと思います。
レトロな雰囲気がお好きでしたら、閉鎖される前にぜひ足をお運びになっていただければ幸いです。
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