中国は近年、アフリカ支援に力を入れており、インフラ整備のほか、資金援助にも積極的だ。その規模は2000年から14年の間に22倍にも増え、投資総額では6000億ドル(約71兆円)を超えているという。中国メディアの今日頭条はこのほど、中国が「アフリカに金をばらまいている」と主張する記事を掲載し、その思惑を分析した。
記事は、中国によるアフリカへの援助は改革開放政策の前となる40年前から始まったとし、アフリカの経済発展に大きく寄与していると胸を張った。援助の分野は多岐にわたり、これまで「大々的にお金をばらまく」形の投資を行ってきたが、中国の期待する見返りが「最近ようやく見えてきた」という。
中国の期待する見返りとは、アフリカに埋蔵されている「資源」だ。近年、中国は航空産業で著しい成長を遂げたが、ジェットエンジンやガスタービンに必要なニッケル基超合金(耐熱金属材料)の不足が足かせとなっていた。ニッケルやモリブデンなどのレアメタルは中国にも存在するものの、その需要は極めて高く、今後中国は「お金をばらまく形の投資」によって、埋蔵量が比較的多いアフリカから「正式に獲得することができる」と主張した。
中国は世界のレアメタル生産の大半を占めているが、環境保護や違法採掘対策などを理由に、レアメタルの採掘は制限する方向に進んでいる。しかし40年かけて投資してきたアフリカでレアメタルの採掘を続けることができるため、世界のレアメタルは「中国が掌握している」ことになるという。中国の軍事評論家によれば、軍事の発展から見ると、現在レアメタルの需要は高くなる一方で、その価値は「すでに金を超えている」という。
最後に記事は、レアメタルを巡る中国とアフリカとの関係について、中国にとっては国内のレアメタル採掘の圧力を軽減し、アフリカにとっては工業発展をけん引する役目を果たすと主張、まさに「ウィンウィンの関係」であると主張した。
だが、アフリカでは中国の投資に不満が出ているという見方もあり、本当にウィンウィンの関係となれるのかは大きな疑問符が付く。例えば、中国がアフリカに行う投資のうち、インフラ建設などでは現地で労働者を雇用せず、中国から大量の労働者をアフリカに送り込んでいるという報道もあり、「大量に投資し、長年にわたって支援している」はずの中国人や中国企業をターゲットにした襲撃事件もたびたび起きている。逆に、日本の支援は現地のニーズを解決する形であり、アフリカの人びとは日本の支援に期待しているという見方もあるなか、中国の支援はあくまでも自国の利益が最優先という形となっており、だからこそ現地では不満が高まり、襲撃事件も発生するのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2017-01-04 14:12
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2018/07/18 11:50:41