
日本初の事業用水力発電所で、125年前の1891年に稼働を開始した京都府の関西電力蹴上発電所がこのほど、米国の電気工学会・IEEEから「マイルストーン」の称号を贈られた。中国メディア・北極星電力網は14日、「日本には125年動いている水力発電所がある」とする記事を掲載した。
記事は、同発電所が明治、大正、昭和、平成と4つの時代を経て今もなお運転を続けていると紹介。水不足に悩んでいた当時の京都が琵琶湖から水を引き込んだ際、土地の高低差を利用して作った発電所であり、当初の発電効率は4500キロワットと当時としてはアジア最大規模だったと説明した。
また、世界初の水力発電所は1878年に英国で作られたものであり、当時の日本もこの「水力発電ブーム」に乗ったとする一方、中国では1910年になってフランス人に催促されてようやく第1号が作られたと紹介。日本から少なくとも25年は遅れており、「名実ともに追随者だった」とした。
記事はそのうえで、中国のGDPは今や日本を抜き、今度は日本が中国を追う立場になっているとする一方、科学技術能力で中国がなおも劣っていること、経済が衰退しているように見える日本が実は「未来への投資」を着々と進めていることを紹介。125年が経過しても稼働し続けている同発電所は「日本の技術力の高さに加え、保守においても強みを持っていることを示すもの。そして、今の中国に欠けている部分だ」とし、日本は「危険な相手であると同時に、学ぶに値する教師でもあるのだ」と結んでいる。
現在中国が圧倒的な人的、財的パワーを投入して驚くような速度で建設している各種インフラが、果たしてどれだけの期間壊れずに使えるのか。残念ながら今はそれを知る由もない。蹴上発電所のように100年経っても使い続けることのできる設備が、果たしてどれほどあるのだろうか。
物を長持ちさせるには、作る時の質や技術が重要なのは言うまでもない。しかし、それにもまして大切なのが「メンテナンス力」だ。記事も指摘しているが、現代中国に不足しているのはまさに、絶えずメンテナンスを続けてできる限り長く使おうという観点なのかもしれない。作った後どうするかを考えていないから、橋やビルが崩れ、毎日のように道路が陥没するのである。(編集担当:今関忠馬)(写真は蹴上発電所ではない、イメージ写真提供:123RF) :サーチナ 2016-09-17 10:41
Posted at 2016/10/07 14:36:05 | |
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