
旅の醍醐味の1つに、現地の人との触れ合いがある。ツアーではなかなか難しいが、自由度の高い個人旅行であれば、現地の人とコミュニケーションを取る機会は多くなる。街の中にひっそりと佇む小さな店や食堂にふらりと立ち寄れば、なにがしかの「出会い」が待っているものだ。
中国メディア・浙江老年報は1日、日本旅行で遭遇した「小確幸」(小さいながらも確かな幸福)について紹介する記事を掲載した。そこでは京都の小さな食堂で出会った気さくな「おっちゃん」が紹介されている。
記事は「日本には家族経営の小さな店が多い。そこには派手さはないが、とても温かいのである」としたうえで、京都で立ち寄った小さな家族経営の食堂でのエピソードを紹介。父が給仕係、母がお会計、息子が調理を担当するこの店のテーブルはわずかに4つ。メニューの数も少なかったという。
給仕係の父親がお勧めする料理を注文すると、料理が出てくるたびに「味はどうか」と聞いて来る。「おいしい」と答えると、父親はにこりと笑い、棚から酒を取り出して振る舞ってくれた。その酒は「一口舐めてみると甘い梅の味がした」という。どうやら、自分で飲むために作った梅酒を飲ませてくれたらしい。
梅酒もおいしい、と親指を立てると、「女性だけのサービスだよ」と今度はキャンディをくれた。注文した料理が食べきれなかったのを見て「包んであげようか」としきりに聞いてくる。申し訳なく思ってちょっと休んでから再び食べ始めると、今度は折り紙と折り鶴を持って来た。これから自分のために作ってくれるらしい。筆者は小さな食堂でこれだけの「サービス」を受けたようだ。
記事は、「おっちゃんは、私たちを本当に自分の客人として扱ってくれた。私たちが話をするのをおっちゃんも楽しそうに聞いていた。全く中国語が分からないのにだ」と紹介。店を出る際には一家3人が揃って見送ってくれ、車に乗り込むまで立っていてくれたとしている。
店は小さくメニューも少ない。しかし、この一家3人はそれを補ってなおも余りあるホスピタリティで、中国からやってきた観光客たちをもてなした。決して特別ではなく素朴なもてなしであるが、筆者たちの心には強く響いたに違いない。気さくなおっちゃんとその家族が経営する小さな食堂は、心もお腹もいっぱいに満たしてくれたのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF):サーチナ 2016-11-04 08:13
Posted at 2016/11/07 11:41:32 | |
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