
中国は「走出去」と呼ばれる海外投資戦略を推進しており、日本は東南アジアの高速鉄道をはじめとするインフラ市場で中国と競合するケースが増えている。中国メディアの捜狐は10月31日、日本と中国による主なインフラ受注競争について紹介している。
記事はまず、東南アジア諸国では経済発展を背景にインフラ整備が活発化していることを紹介したうえで、日本と中国、そしてドイツが東南アジアのインフラ市場で主に受注競争を展開していると指摘。日本については「新幹線に代表されるように技術は世界をリードする水準にあるが、工期が長く、コストも高いのがネック」であると主張する一方、中国は「技術力が高く、コストパフォーマンスも抜群であり、東南アジアでは歓迎される存在」だと論じた。
続けて、中国が受注したインドネシア・ジャワ島の高速鉄道計画を「日中によるインフラ争奪戦の第1戦目」とした場合、第2戦目はマレーシアとシンガポールを結ぶ越境高速鉄道になると指摘し、「日本はJR東日本、日立製作所、住友商事、三菱重工業などの異常に強力な布陣で入札に参加する見通し」と警戒感を示した。一方の中国はすでにマレーシア側の駅周辺に巨額の投資を行い、商業開発を進めていることを伝え、こうした投資は日本に対するアドバンテージになると論じた。
また、フィリピンのミンダナオ島には天然ガスや石油といった天然資源が豊富に存在することを伝えつつ、日中はともに資源開発に向けた投資を狙っており、フィリピン・ミンダナオ島でも競合関係になる可能性を指摘した。
さらに記事は、日中の競争の舞台は東南アジアのみならず、アフリカにまで拡大していることを伝え、アフリカ諸国への投資と関係づくりで大きく先行している中国に対し、「日本はアフリカへの投資を拡大し、中国の影響力を削ぐことを狙っている」と主張。だが、一部では「中国のアフリカへの影響力は簡単には揺らがない」という見方もあることを伝え、アフリカへのインフラ投資においては中国のほうが日本より圧倒的に優位であるのが現状だと伝えている。
「走出去」を推進する中国に対し、日本もインフラの輸出拡大を成長戦略の1つに掲げている。中国はインフラ投資においてコストパフォーマンスの高さを売りにしているが、日本は「質の高いインフラ投資」を掲げており、日中が世界のインフラ市場において競合する場面は今後ますます増えていくことが予想される。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
:サーチナ 2016-11-02 07:11
Posted at 2016/12/09 12:53:05 | |
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