
ドラマやアニメを見ているうちにその世界に没入してしまい、終わってハッと我に帰ることがある。視聴者を引き込む要素には、美しい情景や息をつかせぬ展開の早さ、魅力的なストーリーといった物がある。そしてもう1つ、制作者が大量の時間と労力をかけている点があるという。
中国メディア・今日頭条は29日、「日本アニメは、どこに気を遣っているのか」とする記事を掲載した。記事は、日本のアニメがディティールにこだわっているというのは周知の話だが、「しばしば、観客が見逃しさえする部分についても、制作側は手を抜くことなくしっかり描き切っているのである」と説明。そこには「アニメに対する真剣さのほかに、アニメーターとして自尊心があるのだろう」とした。
そして、日本のアニメ作品に多く見られる日常的なシーンこそ、制作側が相当な経費を費やして描写しているのであると紹介。日常的なシーンはストーリーの緊張感を和らげたり、登場人物の性格を際立たせたり、作品全体のムードを作ったりするうえで非常に大きな意味を持つと解説した。その例として「カギを取り出して開錠し、ドアを開けて家に入り、ドアを閉め、靴を脱ぐ」という一連の動作を挙げ、「映像的なリアルさとともに、ドアや靴の音などの環境音もちゃんと組み合わせる必要があるのだ」としている。
また、材料を洗って切る、鍋に入れて炒める、盛り付けるといった料理の動作の描写も「最も日常的な動作」としてリアルに描く必要があると説明。多くの費用をかけて細部にこだわった描写をする理由について、「みんなが当たり前のようにしている動作であり、そこに技術を注がなければ見る者に強烈な違和感を与えるからだ」と論じた。そしてまた、これらの描写によって「アニメーターによる生活観察がどれほどか試されるのである」と解説した。
非日常的なストーリーはしばしば視聴者の心をつかむが、それは「日常感」があってこそなのだ。「日常」がリアルに細かく描かれているからこそ、見る人は安心して「非日常」の世界に入っていくことができるのである。それは何も、同じ国の同じ時代を舞台にした作品に限った話ではない。異国の歴史物語においても、われわれが共感できる「日常感」はいくらでも存在するのだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:(C)rook76/123RF) :サーチナ 2016-11-29 18:39
Posted at 2016/12/13 18:49:48 | |
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