
フリーターというとマイナスのイメージが付きまとう場合が少なくないが、こうした働き方でも生計を立てられるのは日本ならではのようだ。2016年の労働力調査によると、日本には若年層(15―34歳)のフリーターが155万人いたという。
中国メディアの今日頭条は6日、フリーターという働き方に接して、人生観が変わったという中国人男性の文章を掲載した。日本という「成熟した社会で自分探し」ができたと感慨深く振り返っている。
かつて日本では、「蛇頭」という言葉がニュースをにぎわしたことがある。中国福建省を中心に、海外への密航をあっせんする組織のことだが、記事の中国人筆者の故郷でも多くの人が大金を払って蛇頭を利用して日本に渡り、一獲千金を夢見たという。筆者の故郷では、リスクを冒しても大金を手に入れ、豪華な家を建てて老後は遊んで暮らすのが「勝ち組」という価値観が普遍的だったと振り返っている。
筆者は蛇頭を使わずに正規のルートで留学生になったそうだが、多くの中国人の例にもれず、来日の目的は「金儲けただ1つ」で、早く大金を稼がないといけないという呪縛にとらわれていたという。バイトを掛け持ちして睡眠時間もろくに取れずに「おかしくなってしまった」時期に、ある日本人に出会って人生が変わったそうだ。
その男性は70代で、コンビニの夜勤を一緒にしながら、これまで接したことのない人生観に触れたそうだ。中国では、大金持ちになって遊んで暮らすのが幸せだと刷り込まれていたが、その男性は、働くのをやめたら人間はだめになってしまう、仕事と趣味が元気の源だと話したそうだ。この話を聞いて筆者は、日本には生計を立てながら自分の好きなことのできるフリーターが多いことに気が付いたと振り返っている。「尊厳を保ちながら理想も追いかけられる」生活というのは、中国ではできない働き方だと言えるだろう。
筆者は、新しい人生観に接したことが、日本での数年間で最大の収穫だったと感慨深く振り返った。生き方というのは人それぞれだが、お金を稼ぐことしか目標がなかった中国人筆者が、違う生き方もあることを知ったのは確かに大きな収穫と言えるだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2018-02-12 22:12
Posted at 2018/02/13 08:20:24 | |
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