
テレビのニュース番組が、近くの都市で発生した飲食店のガス爆発を報じた。鹵菜(中華式肉惣菜、写真参照)を売る店を経営する夫婦は「ガス爆発は恐い。安全がなによりだ」と思った。夫は厨房に行ってガス器具の点検を始めた。大丈夫そうだ。ライターに点火してみた。とたんに炎が噴き出した。そしてガスボンベが爆発した。
爆発を伴う火災が発生したのは、安徽省の舒城県舒茶鎮の惣菜屋。10日夜だった。経営者夫婦は2階の居間で、ガス爆発のニュースを見た。その日の午前に、近くの蕪湖市内の飲食店で発生した事故だった。
報道に接してあらためて、ガス爆発の恐ろしさを実感した。2人で「安全がなにより」などと話しながら、ニュースを見続けたという。
ニュースを見終わって、男性はすぐに階下の厨房を、点検することにした。店の商品は自家製だ。以前にも、大事には至らなかったが、業務用に使っているガスボンベから、ガスが漏れたことがあった。とにかく、ガス漏れがないことを確認しておかないと、落ち着けなかった。
厨房に入り、置いてあるガスボンベの周囲の臭いを嗅いでみた。ガス臭はしない。ちょっと安心できた。次に、ガス調理器具の栓は閉じたまま、ボンベ側の栓を開いた。これでガスが漏れなかったら、本当に大丈夫ということだ。
「ここまで調べておけば、安心できるな」と男性は思った。そして、ガス漏れがないことを確認しようと思い、何気なくライターを取り出して、ガスのホースのそばで点火した。とたんに、ホース付け根あたりから炎が噴き出した。
強烈な光と皮膚に感じる熱気に驚き、男性はパニック状態になった。炎を消さねばと思ったが、どうすればよいか分からない。あっと言う間に周囲の可燃物に燃え移っていった。仕方なく2階に駆け上り、妻の手を引いて再び1階に降りた。「逃げろ、火が出た」と叫びながら、もう片方の手で携帯電話を操作して、消防に通報しようとした。
燃え盛る厨房の脇を通って道路に出た。その時、背後で「ドーン!」と大きな轟音が響いた。厨房内でのガスボンベの爆発だった。調理器具が棚ごと吹き飛んだ。商品を入れるトレイも飛び散った。さまざまな物品が、壁や天井にぶち当たり、床に落下する音が続いた。
店の前には、大勢の野次馬が集まった。警察官が安全と思われる場所まで後退させた。消防が到着した。事情を聞くと、店内に置いていたボンベは3本だ。確実に爆発したのは1本で、まだ2本は爆発する恐れがある。消防はボンベと周辺に注意深く放水して、約10分後に消防士がボンベを搬出して安全な場所に移した。
鎮火後に検分したところ、厨房壁は高さ1.5メートル、幅3メートルの大きな穴が開いていた。ボンベの爆発で吹き飛ばされたとみられている。
同爆発で、死傷者は出なかった。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF) サーチナ 2015-10-19 16:57
Posted at 2018/07/30 12:38:42 | |
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