2005年11月19日
馬力や燃費を始めとしたクルマの性能の向上は、クルマを持っている人なら誰でも気になるところです。こういった性能向上を謳った製品が各種出回っているのも皆のニーズの大きさを物語っています。
さてこれらの性能向上グッズには、社外マフラーのように明らかに馬力の向上が認められるものもあれば、効いているんだかいないんだか分からない製品、いわゆるオカルトグッズまで様々です。オカルトグッズがなぜオカルトかというと、その製品の使用の有無で差が出るのか出ないのかがハッキリしない事が第一の原因でしょう。
燃費グッズを例にとってみます(他意はありません)。普段から燃費を記録していて、ある時に燃費グッズを取り付けます。その後に燃費にきっちり差が出るかというと、おそらく数字がバラついてよく分からない、というのがホントのところだと思います。
数字がバラつく原因のほうはハッキリしていまして、使用状況が異なるの一言につきます。例えば道路の込み具合とか、気温や天候、一回の運転あたりに走った距離、入れたガソリン、そしてクルマ自体の経年劣化など、数字がバラつく原因となりそうなものは山のようにあり、これらの影響によるバラつきなど関係ないほど明らかな差が見られない場合は、取り付けた燃費グッズが効いたか効かないかなんて答えは出せません。
じゃあオカルトグッズは永久にオカルトグッズなのかというと、実は評価できる方法はある事はあります。ただ、個人でおこなうのはちょっと無理だと思いますので、できればそのグッズ製造メーカーにテストしていただきたいですね。ほら、PL 法もある事ですし。
では公開しましょう、オカルトグッズの評価法
・用意するもの;
新車 20 台、テストドライバー複数人(十人もいれば OK )グッズ 10 個、グッズの効果をなくすようにしたもの(電気関係部品なら途中で断線させるなどする)10 個、取り付ける人複数人、記録係
・方法;
1) 新車 20 台を同一条件下で慣らしをする。この際、一人のドライバーが同じクルマを担当するのではなく、全てのドライバーが全てのクルマを同じくらい運転する事で個人差を打ち消す。給油は同時期におこなうほうが理想的だが、同条件(残り燃料が xx L になったら、など)を優先。使用する燃料の質はいうまでもなく同一のもの。
2) 慣らしが終わったら、20 台のうち半分にグッズを取り付ける。残りの半分には効果の出ないようにしたグッズを取り付ける。この際、どのクルマに効果があるグッズが取り付けられ、どのクルマには効果がないグッズが取り付けられているかは、ドライバーには分からないようにする。
3) テストに入る。全てのクルマをなるべく同一条件下で走行するように心がけ、ドライバー、給油などについては慣らしの際と同じ。総走行距離は長ければ長いほど良し。
4) 以上のテストを終えたら、個体毎に燃費を算出する。その後、グッズの効果ある、なしでグループ分けし、それぞれのグループで最高、最低燃費を出したデータは使用せず(個体差を考慮するため)、残りの 8 台のデータから平均燃費を算出。
5) 平均燃費を比較し、この値の差が偶然に起きうるものかどうかを統計学的に考察する(有意差の検定)。
ここまでやれば、まあ効くとか効かないとかいっていいんじゃないかな、と思います。先ほども書きましたけど、PL 法もありますので、グッズ製造各メーカーがご自身でデータを取っていただくのがよろしいかと思います。あ、当然生データも隠さないでね。
……長々書きましたけど何がいいたいかといえば、
このくらいのテストもしてないような製品の効果なんか信じられるかってことです。
Posted at 2005/11/19 16:22:13 | |
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