2005年11月26日
このご時世に MT のクルマに乗っているとたいてい訊かれるのが「クルマ好きなんですか?」という質問。それはいいのですが、たいてい次ぎにくる質問が「ヒール&トゥとかするんですか?」とか「どこかの峠を攻めたりするんですか?」。
なんで皆クルマ好き=スピード好きと思うんでしょう? 運転そのものに楽しみを見いだしている人や、遠くにいく事に楽しみを見いだしている人だっているんですけど。
確かに、高速道路と一般道とに関わらず、尋常じゃないスピードを出して疾走しているクルマは見かけます。しかしそれらのクルマが全て MT を積んでいるわけじゃなし(MT 設定のないクルマだって飛ばしてるぞ)。
世間一般の人が目にする、実際に走っているクルマのイベントとしてはサーキットを使ったスピードレースがほとんどなため上記のような誤解が生まれるのかと思っているのです。またテレビなどでよく目にする”自動車評論家”も、元レーサーという経歴の人が多く、それらの人達の言動もまた誤解を生む原因なのかもしれません。
とある自動車評論家が言うには、たいていの評論家は元レーサーか走り屋なので、目一杯振り回したときの挙動しか見ないんだそうな。だからいわゆる実用域ではなく、最大トルクとか最大馬力を見ていいとか悪いとか言っていると。そんな数字の出せる領域で運転をする人は自動車ユーザーの何割いるのでしょう?
マツダのクルマはそういう点が結構考えられているそうで、例えばロードスターは一般道を 60 km/h で走っていても十分楽しいそうですが(僕乗った事ないので確認できず)、同じ国産オープンカーであるホンダ S2000 は、サーキットを本気で飛ばさないと楽しさが分からないクルマらしい(あくまで伝聞)。ユーザーがどんなクルマを選ぶかは個人の自由ですが、評論家が上記のような情報を積極的に出さないのはおかしいんじゃないか、とおっしゃっております。
スピードを出さなくてもクルマを楽しむ事はできる、という考え方がもっと広まってくれると嬉しいのですけど、できるでしょうか?
そんな僕のオススメはラリーです。おいおい、と思ったアナタ、ラリーはスピードを競うレースではありませんよ。
ラリーとは、指定されたコースを指定された時間に如何に近く走れるか、を競う競技です。指定時間より遅くても、逆に早くてもダメなのです。
じゃあなんでラリーはあんなにぶっ飛ばしてる映像ばっかり報道されてるんだ、という質問が飛んできそうですが、あれはスペシャルステージ(SS)です。SS とは、そのコースを走行するのに指定された時間が 0 分とかの、ありえない数字なのです。ですから指定時間からの遅れを小さくするには一刻も早くゴールするしかないというわけで……。すんません。
いいわけがましいですけど、SS 以外のコース(SSS を除く)では一般道を一般車と同時に走る事もあり、当然無茶な走行はできないのです。
ちなみにラリードライバーの着座姿勢も僕らには参考になりますよ。皆さんも F1 ドライバーみたいに寝そべった姿勢ではなく、ラリードライバーみたいに背もたれは立てた姿勢で運転しましょう!
Posted at 2005/11/26 15:29:44 | |
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