レスポンスというクルマの話題を扱っているサイトがあるんですが、その中の「
池原照雄の単眼複眼」というコラムの 10 月 3 日の回で、"国内市場が底の見えない低迷を続けている" という話題を扱っています。
特に
登録車で9.5%の落ち込みとなった9月の動向で意外だったのは、トヨタ自動車の伸び悩みだ。レクサスブランドを含む総販売は前年同月比4.2%のマイナスとなった。総市場が1割近く減少するなかでは大健闘だろうが、同社の苦戦ぶりが市場の深刻さを物語っている。
と業界最大手のトヨタを引き合いに出して国内市場の低迷を指摘してます。
また、
トヨタの資金力をもってすれば、ある程度の「数字」をつくることは可能だろう。だが最早、市場の状況がそうしたレベルにはないということだ。9月の自工会会長としての定例会見で、張富士夫会長が、思わず「ここまで重いとは」と漏らしたひと言が、すべてを物語っている。
と、低迷の原因はメーカー側にあるのではなく、市場にあると考えているようです。
そんなわけねーだろ。
まず、自動車市場が今まで通り右肩上がりの成長を続ける、って考えはもう捨てたほうがいいと思いますよ。今は高度成長期ではないし、「クルマが欲しい」と思う人の大部分は実際クルマを所有しています。今クルマを買うヒトは、新たに免許取得年齢に達してクルマを手に入れられるようになったヒトと、いま使っているクルマを乗り換えようと思っているヒトだけといってもそれほど的外れではありません。また日本の人口も頭打ちになっています。ここから先、国内自動車市場は安定もしくは縮小傾向にあると思っていたほうがいいんじゃないでしょうか。
自動車メーカーだってそれは分かっているはずです。ですから市場を海外に求めているワケだし、新しくつくられるクルマも国内より海外市場を見据えたモデルをつくっているんでしょ。
で、海外を見据えたクルマ作りをしている以上、日本の道路事情に合わないところが出てくるのもやむを得ないですよね。そんなモデルを売り出したら買い控えるヒトが一定数出てくるのは明らかじゃないですか。
実際、このご時勢でも売れているクルマというのはありますよ。例えばホンダの Fit なんか、もうモデルチェンジも近く、次の型も発表されているというのに売れてますし(おかげで次のモデルが今のモデルほど売れないんじゃないかという心配までされてます)、軽自動車市場ではスズキのワゴン R とダイハツのムーヴは水増しで市場一位を抑え続けているカローラ以上に売れてます。トヨタのクルマが売れていないのは、はっきりいうけど日本の道路事情にあった魅力的なクルマが作れないからでしょ。ヒトのせいにしてちゃダメでしょ。
その低迷を打開するためと思いますけど、トヨタは今年 5 月以降、
・レクサス LS 600h/600hL
・プレミオ/アリオン
・ヴォクシー
・ist
・ヴァンガード
・ランドクルーザー
・マーク X ジオ
・カローラルミオン
と、驚異的なペースで新モデルを発表し続けています。また発売は 12 月ですけど、レクサス IS-F も発表されてますね。
でもこれもどれだけ状況を打開できるのやら。
発表と同時にもの凄い不評が飛び交っているモデルもありますし、北米仕様を持ってきてフロントを変えただけなモデルもあります。レクサスにはかなりな期待がかかっているようですけど、こんな高価格なクルマが市場の低迷状態を打破するほどバカ売れすると思っているヒトはいないと思いますけどね。
国内の自動車市場が冷えきっているのは、魅力的なクルマをつくらないメーカーが主な原因だ(もちろん日本の景気が全然良くないのも理由の一つには挙げられますよ)、っていえない評論家など何の役にも立たないと思うんですけど、どうなんでしょうね?
Posted at 2007/10/10 17:34:31 | |
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