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2019年09月22日

M3考 レーシングカーをデチューンする贅沢

M3考 レーシングカーをデチューンする贅沢










ランチアテーマ8.32


私はこの車は良く知らないのだが、当時はランチアはオートザムが取り扱っていて知り合いのオートザムにカタログをあったので見たことがあるだけだ。
そのカタログの1頁に「フェラーリをデチューンする贅沢。」と書いてあったのだけは覚えいる。
今日のタイトルは、このコピーの剽窃だ。

テーマ8.32はフェラーリ308のエンジンを搭載している。
308の255psに対して8.32は210ps。だから、フェラーリをデチューンしたとなる訳だが、これはデチューンしたというよりセダン用に再チューニングしたという方がしっくりくる。
ただ、「フェラーリをデチューンする贅沢。」というコピーは秀逸だ。だから、販売上はこれで良いと思う。
自動車評論家の福野礼一郎氏が言うには、この当時のフェラーリストラダーレというのはカタログ値ほどの馬力が出ておらず、更にエンジンをバラしてみるとピストン・コンロッド・クランクシャフト等のムービングパーツは必要以上にゴツく重たいとのことだ。その強度と重量がフェラーリストラダーレ独特の質感を作っていると。
それを、セダン用に再調整して載せるのですから、これはきっと気持ちの良い質感であろう。


さて、本題のE30 M3に入ろう。

E30 M3はDTMをはじめとしたツーリングカーレースのホモロゲーションモデルである。


それで何が言いたいかというと、E30 M3というのはこのレース仕様が本来の状態であるという事だ。
これをロードカー用に再調整、上のコピーをまねるならデチューンしたということだ。
つまり、DOHCヘッドをはじめ各部の作りはツーリングカーレースに対応している。
これをデチューンしてホモロゲーションを得るためにロードカーとして市販する。
しかし、先日、試乗した感じではこの車はレーシングカーっぽい演出は一切されていないのだ。

こういった車は日本のメーカーは如何にもレーシーな雰囲気に仕上げてくるだろう。

昨日の記事はこれの伏線だ。


ガンさんは、「このエンジン、凄いな。」と言っているが、本当にすごいと思っているだろうか?
ガンさんほどの人なら、様々なレーシングカー・チューニングカー・欧州のスーパースポーツに乗っている。それがEK9を凄いと思うのだろうか?
これは、このクラスのこの値段の市販車でここまでやるのは凄いという意味ではないだろうか?

私はレーシングカーの香りを持たせた市販車を否定するつもりはない。そういった車は楽しいし、個人的には好きだ。
こういった価値観は非常に分かりやすい。

繰り返しになるがE30 M3にはそういった演出は一切ないのだ。
なので、人によってはE30 M3は凡庸な車に感じるかもしれない。
しかし、私にはM3のステアフィールは衝撃的だった。
普通にハンドルを切ってカーブを曲がっていくだけで、途轍もない質感を感じた。
あれは、何であったのだろうか?今考えると、ステアリングラックの精度と剛性でないのだろうか?
ステアリングラックだけはないハンドルコラムの剛性からして私が今まで乗ってきた車とは別物なのではないだろうか?
細部に至るまで作り込まれている。それがあのフィールを生みだす。
ステアリングの操作感だけはない。車が旋回を始めた時にボディのしっかり感としなり感。・サスペンションの動き、それらすべて一体となって見事に動く。
派手な演出はないが、車の基本が余程しっかりしていないとこのフィールは出ないのではないだろうか?
E30M3は各部の作りがレースで勝つための作りとなっている。それを市販する段階では質感に振る。
これこそが「レーシングカーをデチューンする贅沢。」ではないだろうか?

まさに上質を知る人の車である。


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Posted at 2019/09/22 07:36:55

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この記事へのコメント

2019年9月22日 8:21
ん~(´・ω・`)似たような車両でM3と近い日本車で重量比較してどうなんでしょ?

鉄板の厚みとか違って重く固く作ってるのかなと。

ステアリング周りにしても強度だして逃げが少ないんかな?
(´・ω・`)

ボロいアルトを四駆のリアデフロックしたらボディが逃げまくって駆動システムの上にイスだけ着いてるような奇妙で不安感だらけなクルマになりましたよ


屋根切ったジムニーもそんなんでしたね
(´;ω;`)
コメントへの返答
2019年9月23日 18:15
この当時のドイツ車はハイテン鋼を多く使っているみたいですね。
ただハイテン鋼は加工がしにくいので、それをどうしていたのか?

零戦とメッサーシュミットの差みたいなものでしょう。
2019年10月2日 22:30
僕のはE36ですが、
ボディの剛性バランスの作り方が絶妙で
Aピラーより前は柔らかく作って、バルクヘッドからドライバーシートが固い感じがします

フロントにタワーバー等の補強パーツを組むとフロントがバタついて乗り味が悪くなりましたので
ボディ左右方向の補強はせず「捻り」は意図的に残して
シャシー下のラダーバー追加で前後方向にメインモノコックに補強すると違和感が無く剛性感が作れ、加減速時の接地が良くなりました。

ステアリングギアレシオもMシリーズはノーマル3シリーズより遅くなっていて
より高い速度域での扱いやすさを作っています。

フロント周りの正確性はL形ロアーアームのメンバー側とナックル側の両方がスフィカルジョイントで横剛性を作って
L形の後ろ側をブッシュ支持にして路面不正乗り越えでタイヤを後ろに逃がしています。
このブッシュを固めるとハーシュネスが悪化して乗り味が悪くなります

BMWは、低速ではもっさりして動きが重い感じがしますが
速度を上げると操作感と車の動きのイメージが合ってくるので乗っていて楽しいですね~

長文失礼しました、、、
コメントへの返答
2019年10月3日 3:36
詳しい説明、ありがとうございます。
E30とE36の違いはありますが、説明を読んで納得しました。

E30も低速域ではもっさりしていました。
でも、そのもっさり感はスタビリティの高さの裏返しで、速度を上げていと安定感がありドライバーのイメージ通りに走ってくれるので非常に心地良いです。

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