佐川文庫庫舎(佐川町)
県下最古の木造洋館・佐川文庫庫舎
2022年10月23日
佐川文庫庫舎(須崎警察署佐川分署・旧青山文庫)は、鹿鳴館時代の面影を残した、県下最古の木造洋館です。
擬洋風の公共建築で木造2階建ての屋根は寄せ棟造り和風の淺瓦葺きで、土佐の伝統的葺き分け技術が継承されています。外壁はスギの厚板に白ペンキ塗りでドイツ下見板張りの洋風仕上げとなっています。
この建物は明治19(1886)年、須崎警察署佐川分署庁舎として上町に新築されました。
明治24(1891)年、当時の内閣は解散総選挙を行い、選挙干渉を目論み全国の知事等の大更迭を行いました。当時の須崎警察署佐川分署でも露骨な選挙干渉が行われたため町内でも野地騒動等、多くの事件が発生しました。
大正11(1922)年、佐川警察署に名称変更しました。
一方で明治43(1910)年、当時郵便局長であった川田豊太郎氏が私費を投じ、 西町の自宅に高知県初の私設図書館「川田文庫」を創設しました。これに 感激した田中光顕伯爵は、大正14(1925)年基金と蔵書を寄贈し、その後、川田文庫は「青山文庫」として、田中伯が総裁である財団法人青山会が運営することとなりました。
青山会は昭和5(1930)年、新しい警察署庁舎の完成により不用となったこの建物を買い取って青山文庫施設拡張のため、西町に移築しました。 昭和38(1963)年現在の青山文庫(当時高知県立郷土文化会館分室)が新築されたことにより、そこへ田中伯の関係資料は移管されました。旧川田文庫は閉館し、資料が保管されているだけの状態でしたが、 昭和43(1968)年名称を「佐川文庫」に改め、現地で図書館として再び開館しました。
昭和48(1973)年、佐川町文化財に指定されました。
昭和53(1978)年上郷に佐川町総合文化センターが完成し、 佐川文庫内の図書類は文化センターの図書室に収蔵されることになり、 建物も敷地内に移築され、民俗資料を展示する民具館となりました。
平成21(2009)年上町の現地に移築、復原されました。
営業時間 9:30~13:00/13:45~17:00
定休日 月曜日、年末年始(12月29日から1月3日)※祝日の場合は開館し、翌日は休館。
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R4.9.24
住所: 高知県高岡郡佐川町甲1473
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