
F1ヨーロッパGPでブレーキング時に、白煙あげて片輪タイヤロック
してたのを見て思い出しました。
ちょっと前の雑誌に載ってたブレーキングのドラテク内容です。
タイトルは「止めるブレーキ!最初だけABSを活用せよ!!」です。
まぁ適当によんでたのですが、内容的に目的がよくわからない・・・
なんか「ABSがききっぱではブレーキの負担が増えるとか・・・」
よくわかりません(笑)
ちなみにABSですが、昔のABS・・・第一世代と勝手にいいましょう。
第一世代のABSはタイヤ4輪中どこかのタイヤが滑りはじめると
4輪すべてのブレーキ液圧が減圧され、制動距離が伸びます。
ABSが効いたとたん滑るようにとまらなくなる。
だから、ABSをヒューズでカットしたりすんですよね。
R32スカイラインとかがこの世代。
次ぎに第二世代
コレは通常前後のブレーキバランスをプロポーショニングバルブ(Pバルブ)
で設定していたのが、
EBD(ABSの機能を利用してこんぴゅーたーが前後
バランスとっちゃいますよ制御)
この世代はPバルブが無く、ABSのソレノイドバルブで前後ブレーキ配分を
調整します、そんで左右も調整してくれます。
第二世代については、ABSをヒューズでカットするとEBD(前後ブレーキ
配分)も効かなくなり、前後配分が50対50になることから、ブレーキング時に
リヤタイヤがロックします。
危ないのでABSカットやっちゃいけない世代です。
ちなみこのEBD付きABSになると、ABSが効き始めてもさらにブレーキ
ペダルを強く踏み込む必要があります。
それは、ABSが効いてるタイヤ1輪以外の3輪はまだグリップに余裕があるため
液圧を上げれば、まだ制動力が上がるのです。
F1の片輪ロックしていても制動力が落ちないのと同じです。
良くあるブレーキアシスト(パニック時にABSを早く効かせるようにした機能)
のグラフを見れば踏み込めば液圧が上がる事がわかります。
だからABSが効いても4輪別々にブレーキ制動力を調整してくれる
ちょう!すんばらしいぃ機能なのです。
ただこの機能を調整するのは液圧を保持するか、減圧するかだけなので
ブレーキペダルをウルトラ一杯踏み込んで液圧を上げておく必要が出てくる。
そんで、第三世代
コレはABSのブレーキ圧を増圧する機能を持たせてあります。
簡単に言うと、レガシイのぶつからない車、アイサイトの機能です。
ブレーキペダル踏まなくても、フルブレーキできる液圧をポンプで
作り出し、
4輪を別々に最適制御するパッシブコントロール
超ウルトラスンバラシイ制御
この制御になれば、4輪が別々に制御されるため、アンダーステアを
消したり、スピンしそうになると4輪のブレーキを別々に制御し
スピンしないようにします。
よくいうVDCとか車両制御ですね。
このあたりは現在かなり進歩していて、ポルシェやR35GTR
フェラーリなんかは速く走るための制御です。
トラクションコントロールもコレを応用します。
そりゃ、ドライバーはペダル一個でしか操作できませんから
4輪別々に制御できるブレーキシステムに敵うわけがありません。
今回の雑誌みても、第一世代(タイヤ一輪が滑るとすべてのタイヤを
制御する)についてしか書かれていないような気がします。
いまや、EBD付きABSはミライースにまで付いてますから
新86やBRZはもちろん、Z34やGTR、ランエボなんてのは
付いててあたりまえなんです。
そうそう、最近の車にはヒルスタートアシストなんてのもついてます。
坂道発進で、クルマが下がらないように1秒~2秒間ブレーキ液圧を
保持する機構です。
「オートマ車じゃクリープ現象があるから要らないジャン!」という人は
間違いなく昭和生まれです(笑)
アイドリングストップの付いた車は、坂道発進時にエンジンが止まっていますので
クリープ現象もクソもありません。
なんで、ブレーキ液圧保持はなくてはならない装備になります。
あと新86やBRZは機械式LSDがなくてもぬかるみを脱出できます。
コレは空転したタイヤにブレーキかけてグリップしている方に駆動力がかかるようになっている
からです(TRC)
この辺の説明がないのに、いきなり「最初だけABSを効かせろ」は
乱暴でしかないと思います。
間違った知識が植えつけれる可能性がある。
私からしたら、自分の車両のブレーキ制御がどうなっているか?
実際ABSが効いてからさらに踏み込む方が良いのか?
それとも緩める方が良いのか?
ブレーキング中にステアリングを切ったら??
といった事をまず安全なサーキットで確かめて、
理解し運転する事がドラテク向上につながると思います。
今回の記事は間違ってるとはいわないが、車によって違うことを
もっと強調すべきですね。
ということで、気になったことを書いてみました。
ではでは!