
こんばんは。
今からほぼ35年前に放送されたtvk「新車情報」のダイジェストがアップロードされました。
実は、地元局でもあるtvkが公式チャンネルで新車情報のダイジェストのアップロードを始めた際にオファーを出したことがあったのですが、他にも同じことをしていただいた方がおられたのでしょうか。
嬉しい限りで、同局には感謝しております。
https://www.youtube.com/watch?v=c2Jer8DYIes
さて、三本氏(Mitsumoto:M)の試乗の中で出ているコメントについて、誰も求めていないかもしれませんが、当時の購入ターゲット層であった当方の父(Nico dad:Nd)と、35年後の同年代層である私自身(Nico6:N)の見解を…
●乗り心地の表現
M:しなやかで、静粛で、ジェントル
Nd:パワーとわかりやすいスポーティを狙った従来のGTからすれば洗練されたということだろう
N:Y31で日本的フルサイズのGT仕様を定義し、モデルチェンジで洗練さを増そうと狙ったことは明らかでそれは十分に伝わったということだと思う
●ボディサイズの見解
M:国内では必要十分か、やや過剰気味
Nd:国産ではセルシオやQ45も出ていたが、当時は5ナンバーフルサイズが感覚に刷り込まれていてそれを僅か5センチでも超えると自然とそう思うのだろう
N:運転を始めた年代にも依るがY32よりサイズの小さいセダンを運転したことがほとんどなく、現実にはタワーパーキングに入るか否かが都市部での使い勝手の境界線かと思う
●パワステの介助力と操舵に対する応答性
M:前モデルと比して操舵力は軽めになり、操舵に対する反応は一般的なセダンより俊敏である
Nd:当時の3000CCクラスのクルマだと接地感がわからなくなるほど介助力が大きい傾向があったが、低速、高速の介助力とも良いレベルで見切ったのではないか
N:現在は電動パワステが主流で評価の基準が変わるが、Y32ではVG30DE、VG30DETでは油圧発生バルブを2つ搭載して車重の増加やタイヤのワイド化に対応した結果だと思う
●ボディのデザイン
M:懐古趣味的な丸形4灯だが、今は異形2灯が主流で珍しくなりつつある
Nd:当時の法人タクシーがクラウン、セドリックとも丸形だったが、時期を同じくして法人タクシー用は異形2灯に揃えたところは上手いと思った
N:走りに振ったセダン=BMWというイメージもあっただろうが、異形2灯が主流になった中で”他と違う”というイメージを形で示すポイントだったと思う
●山坂道でのエンジンパワー
M:パワーがありトルクも太くフラットで、軽々と登るのは気分が良い
Nd:2000CC・6気筒・200psが上等なエンジンの基準だと思っていたが、これに乗り始めて慣れるとトルクの太さの偉大さを思い知らされた
N:VG30系ではDUET-EAと称するエンジンと駆動系の統合制御が導入されており、エンジン本体が持つ大トルク特性だけでなく不要な変速を防いでいることがトルク不足を変速で補って坂を登っているという所謂Busyな印象をなくす効果もあったものと思う
●山坂道でのコーナリング性能
M:しなやかな足廻りからの想像以上に踏ん張りが効く、制御を新しくしたHICASなどニューテクノロジーの効果は絶大だ
Nd:間違いなく当時の基準での大径偏平タイヤが寄与していたと思う
N:SUPER HICASの採用だけでなくフロントサスのアンチリフト、アンチダイブ性能の大幅向上、ホイールストロークの20mm増加、リヤサスのマルチリンク化などトータルの改善が実感につながったのだと思う
◯シート表皮の評価
M:表皮の色遣いがBusy(目障り)で、メーカーデザイナーが金のかからない遊びにサプライヤーを付合わせるようなことは如何なものか
N:その後のランダム柄よりマシな気がしますが、いずれにしても座ってしまえば気にならないと思う
◯静粛性
M:番組記録のレクサスLS(10系セルシオ)と同等の100km/h走行で62〜63dB、実に静粛性に優れている
N:セルシオの試乗直後(90〜91年にかけての冬くらい)に舗装工事でもして、半年以上経って新舗装とは言えないが修繕前よりはかなり滑らかになっていたとかの事情はなかったか?仮にあったとしても数値的には2dB程度だろうし、同クラスのクルマを2台乗り継いだ現在でも煩いと感じたことはない
なお、この試乗で使用したPBY32グロリアはオプション装備も含め私のクルマと瓜二つの仕様。違いはフロントアンチロールバーがディーラーオプション専用品かNISMOパーツかの違いのみだと思います。
さて、この時代の日産の高級車。技術的には見どころがあっても製品コンセプトを説明しないと一般に理解されない。理解されたところで、社内外に強敵がいて伸び悩むという不幸な結末を辿った車種も多い印象です。
例えばQ45はコンセプトが難解だったのか、高級車の分かりやすい価値観を極めて高レベルで揃えたレクサスLSというあまりの強敵がいたためか、おそらく両方の理由かと思いますが、シーマとの統合で専用ボディは一代限りで終わってしまうこととなりました。
Jフェリーは、元々日本で販売予定のなかった事情もあるかもしれませんが、まだゼダンに一定の実用性が求められる時世の中で、21世紀になって語られるようになった”4ドアクーペ”という10年早かったコンセプトと、Y32シリーズの最後発で購買力のある層はグロリア/セドリックの上級モデルかシーマを既に買った後というタイミングの悪さも手伝って、希少車と言われる台数で推移してしまい、こちらもY33からはグロリア/セドリックと外板の一部が違うのみで、後のモデル廃止を前に、実質的には吸収合併されたに近い形で”事業用車両に使われない高級車”としてのレパードの歴史は終わることになってしまったと思っています。
実は、グロリア/セドリックも”おそらく120クラウンを踏襲するであろう130クラウンとは違う”という、Y31の分かりやすいコンセプトから、洗練させて高級車としての格を増そうとして曖昧になることを避ける意図があったのか、ティーザー広告で来るモデルチェンジの狙いを説明する新聞全面広告が掲載されていました。
”画一性や同調性といった従来の価値基準から多様化・複雑化した価値観に対して新しい高級を提案したい”Y31での成功を受けて、更に多様化の方向に舵を切ったY32シリーズの中で単独で及第点の成果を収めたのは(敵失もあったとはいえ)、グロリア/セドリックだけだったと評価されるのは、商品づくりの難しさを表す一例と考えています。
1990年頃より、更に価値観が多様化した現代と言われますが、クルマに対する投資の優先度が下がったこともあるのか、市場価値の維持も含めた実用性の高いトヨタ一強が国内では強まっているのは皮肉とも思えますが、かく言う私も、生活の道具としてのステーションワゴンでは、BMWでもAudiでもなくMercedesを選んでしまうのですから、偉そうなことも言えないぞと、自身に対する皮肉でもあるわけですね。
Posted at 2026/08/09 21:43:47 | |
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