DIYで三菱製のオルタネータのベアリングを交換する
1
17万キロ走ったオルタネータ(三菱製)のベアリングを交換しました。
昨年真冬にチャレンジして失敗し、次に4月1日開催の秘密基地DIYの時は、ビスの頭を潰してしまい、ジ・エンド。
というわけで6カ月振りの再挑戦。失敗を踏まえ、DIYで成功するコツをまとめました。
まずオルタネータを降ろしたら、プーリを取り外します。
24mmのナットをインパクトでガツンと一撃で、外れます。
外したら、プーリで隠れていた4本のビスが見えてきます。
外したくなる誘惑に駆られますが、今は手を触れないこと。
シャフトとベアリングの境界や、ハウジングと鉄芯の間にラスペネなどの潤滑液を吹き込み、取り外しの準備をします。
2
今回、交換のために購入した部品は以下の通りです。
ベアリング2個。
ひとつはスバル純正品番:23721AA040 (1120円+税、モノタロウ)(ブラシ側)
もうひとつは汎用品で品番:6203-2RS (189円+税、モノタロウ)(プーリー側)
(※20210414注記。プーリー側のベアリングについては、3万km走行後に同サイズの高級品(6203ZZP5)に交換しました)
以上、計1414円
ギアプーラー1990円も購入しましたが役にたたず、結局、「急行インプレッサ」さんの油圧プレスを使って引き抜き、押し込むことになりました。
急行さん、ありがとうございました。
(今回は写真を撮る余裕がほとんどなく、昔の写真を説明のために流用している部分があります)
3
潤滑液の浸透を待って、プーリー側のハウジングごとベアリングを回転軸から引き抜くのですが、回転子は長年の使用で磁化していて、ひとたび外周部の鉄芯に吸いつくと、どうにもこうにも動かせません。
以下が試行錯誤で編み出したコツです。
いちどプーリーを戻し、ナットで仮止めします。
次にハウジング周囲の8mmのボルトを4本とも均等に、約5mmほど緩めます。
鉄芯部分を持ち、「プーリー側のハウジング」をプラスチックハンマーで叩きながら、プーリー側を分離します。
鉄芯の内側にコイルがありますが、このコイルは、ごく薄いエナメルで絶縁されているだけです。
不用意にドライバーなとで触れると、絶縁が剥がれてショートして、故障の原因になるので、慎重に、鉄芯とアルミのケースの隙間をドライバーで拡げて行きます。
周囲の8mmボルトをさらに5mmほど均等に緩め、隙間をさらに拡げて行くというやり方で、最終的に、内側の回転子の固まりを、プーリー側のハウジングごと、ゴソッと取り外します。
つまり、鉄芯に電磁石が触れないようスムーズに引き出すためのガイドとして、周囲のボルトを活用するわけです。
(写真は4月1日の失敗写真。電磁石に貼りついて手も足も出ませんでした。ほかに説明用の写真がないので許してね)
4
抜き終えたら、例の誘惑の4本のビスを外します。(ビスの頭をナメないよう、「ネジゆるめ液」を使うのが絶対的にお勧めです)
古いベアリングをハウジングから抜き、新しいベアリングと交換します。
これがなかなか力業。
2018年の作業では油圧プレスを使わせてもらいましたが、2021年の作業では大きな万力を使って抜くことができました。
5
電極側のベアリングも油圧プレスを使って引き抜き、差し替えましたが、構造上、荷重が掛かるのはプーリー側のベアリングです。
実際、私のオルタネータのプーリー側ベアリングは既に死んでいました。
なのでプーリー側ベアリングは消耗品と考え、ときどき取り替えるのが良いと思います。(写真は2021年の作業で使ったベアリングです)
今回は、オルタネータ全体が死ぬのも時間の問題で、ギリギリのタイミングだったようです。
助かった~。
電極側のベアリングは、手触りは元気でしたが、手で回してみると、特有のシャーンという音がします。
これがオルタネータが故障する時の音にそっくりなので、こちらの方も、寿命が近かったのかも知れません。
6
さて、ブラシが出たままでは回転子を戻すことができませんので、ミニチュアの六角棒スパナを使って電極を押し下げ、その状態でオルタネータの裏側の穴に針金を貫通させ、電極が引き込んだ状態を保持します。
ゼムクリップを伸ばしたものが好都合でした。
(裏側にはそのための穴が用意されています)
そしてさきほどの手順と同様、4本のボルトをガイドとして活用しながら本体を組み立てます。
組み立て終わったら、針金を引き抜いて完了です。
私のオルタネータのブラシの寿命は、あと4~5万km程度、残っているように思われるので、今回は交換せず、次回22万kmの時点で「手前側のベアリング」を再交換するとともに、ブラシも交換しようと思います。
7
ブラシは041・三菱と刻印されています。
モノタロウ内で検索してもヒットせず、やむを得ずグーグル検索したところ、なぜかモノタロウの「注文コード74539002」がヒットしました。
スバル純正部品番号23754AA010と記されており、1本750円。
これが正解のように思えますが、割高感は否めません。
31140-P64-902(ホンダ純正部品)
A647X-50870(三菱純正部品)
23142-0B000(日産純正部品)
などが同じ品物のようなので、この中から安いのを発注するのも手かも、と思います。
なお、もっと安いのをご存じの方、ぜひお知恵を拝借したいと思います。
それと、プーリー側のベアリングの規格は「6203DDG1」でした。
数年後の参考のためにメモとして残しておきます。
また電極側のベアリングは、「THAILAND NMB」とだけしか刻印されていませんでした。
(NMB=ミネベア製ですね)。
サイズを計ったところ、内径8mm(ノギスで計ったら7.9mmっぽい) 外径23mm 幅14mm。
これも汎用品を研究したいと思います。他社の純正品でも同じ品物が使われているはずです。
もっとも、次回の作業の時は、現状から判断すると交換不要かも知れません。
[PR]Yahoo!ショッピング
関連コンテンツ
関連整備ピックアップ
関連リンク