
ケーヒンFCR。
FCR=Flat Carburetor for Racing。
所謂レーシングキャブですね。
強制開閉式のスライドバルブ、
加速ポンプの装備、セットアップの多彩さ等、
それは正にレーサーの為の仕様。
もう6年くらい前、ZXR400R専用だったFCR32を、大改造して取り付けセットアップしました。
苦労してセットしたジェット類は、その後一度も変更せず、全く愚図る事無く、
高度が上がっても(富士山5合目?!)、全然問題無し♪
その爆発的なふけ上がりとパワー感といったら!
・・・全く止められませんなぁ・・・😊
ZX-4は当時自主規制で59psでしたが、多分65~70ps位は出ている!?感覚。
回せば回すほどパワーが出てくる。
やはりZX-10もFCRを入れたい。
・・・と、ひょんな事から、ZX--10に使用していた中古のFCR39を入手♪
ZX-10は、FCR37、39、41の設定が有りますが、その中間、丁度良いサイズかな。
サイドには、”FCR39”と"JB”のステッカーが♪
JBー>FCRの正規代理店(JB POWER)が扱ったモノの証ですね。
いやぁ、実に嬉しい。
外観は大変綺麗。
簡単にOHするだけで何とか行けるか?!
取り敢えず見れるとこだけ見ておこう。
スライドバルブ上部カバーを開けると・・・むむ・・・意外と汚れている?!
加速ポンプの部分は・・・う~む、ダイヤフラムが少し草臥れていますねぇ。
フロート室の底も少し汚れが目立ちますなぁ。
緑青?!ガスが少し固着した様?!・・・。
う~む・・・何時もの参考書を片手に、取り敢えずセミOHだけして、
一旦車台に載せて走らせてみるかな~・・・。
外観の綺麗さの割に、内部は少々汚れが目立つ。
良く良く観察するに、ガスを入れたまま放置?!した感じ。
外観の綺麗さ・ヤレの少なさから、屋内で長期、といった感じでしょうか。
本当は全バラシして穴という穴を洗浄した方が良さそうですが、まぁ載せてみよう。
フロート室は磨きまくって随分綺麗になりました。
メインジェット(MJ)・スロージェット(SJ)差し込み部は少し汚れが目立つので、
しっかり磨いて元に戻して。
ジェットの番手も確認しなきゃ・・・む~・・・小さくて全然見えねぇ・・・。
100円ショップで拡大鏡を買ってきて・・・スロージェット(SJ)は#58でしたね。
簡単に手を入れられる所だけシール類を交換。
#1~#4シリンダー毎に部品を分けて整理して組んでいきます。
むむ!
フロート内に何か入ってる?!カラカラ音がするが・・・密閉されているので、
多分製造時の不具合の様な?!取り敢えず機能上は問題なさそうなのでそのまま組立。

*小さな丸い影が見えますが、それが異物(爆)
こんな小さなクリップも組み込んでいきます。組み込まれる先はフロートバルブ。
フロート高さも、基準の 9mm±1mm以内に揃えて行きます。
シール類も全部組み込んで。
土曜日 1日リビングを占領し、ようやく組み上げ・・・結構時間が掛かりました(爆)。
明けて日曜日。
取り敢えず車台に載せて様子を確認するのだ。
先ずはシートやタンクを外して。
ここら辺りはZX-4と全く同様ですから、整備要領書無しでも全然問題無し♪
ノーマルキャブを外します。
こちらもケーヒン製ですが、カワサキ専用のCVK、という形式になりますね。
特徴的なエア吸い込み口は、ZX-4とも全く同じ、見慣れたものです。
FCRと比べると全く大きさが異なります。
左:CVK(負圧式)/右:FCR(強制開閉式スライドバルブ+加速ポンプ)
スライドバルブを格納+上下動作ストローク確保、を勘案すると、
これ位の大きさが必要なのでしょうね。
一番心配していたアクセルワイヤーの長さ。
少し長めですが、何とかレイアウト内で上手く収まり、重さもノーマルと変わらず。
良かったぁ・・・。
ZX-4の時は、長いGPZ900R用を流用して、取り回しも苦労したなぁ・・・。
(取り回しが悪く、バネの力ではアクセルが戻らない状態でした)
取り敢えず搭載完了の図。
取り外し取り付けまで、1.5H位かなぁ・・・ZX-4で経験ありますし、
サクサク進みました😊
新しいキャブをセットした際は、必ず#1~4気筒間の同調を取る必要が有ります。
まるでZX-10に点滴をするようなさま😊
アストロの4連負圧計をセットして測定値を見ると・・・何と!規格値以内ですねぇ😊
(規格値:4気筒が2cmHg以内)

*少し針は振れていますが、2cmHg以内に収まっています
おっと、33Rのダチが様子見がてら、遊びに来てくれました。
相変わらずの大迫力なバーフェンは、中々のものですねぇ😊
個別に入手したK&Nのフィルターもセットアップ。
ファンネルむき出しの方が全然吸気音が良いのですが、やっぱり異物が怖いので。
エアクリーナーが無くなり、スッカスカになった車体中央部😅
そうそう、ステアリングダンパーも入手していましたので、この際取り付け。
ステアリングダンパーはその名の通り、ステアリングのシミーを吸収するものですね。
最近の車両、特にSS(スーパースポーツ)には純正で採用されています。
SSの場合は、サーキット等での操舵安定が主目的。
実は僕のZX-10、両手を離すと左右にハンドルがブレる=シミーが発生します。
ドライブ中、ジャンパーのチャック閉めたいな~・・・という時、大変困る😅
フロントホイールバランスも取り直し、ステムベアリングも適正に締め込んでも、
その症状は全く変わりませんでした。
何時も懇意にしているカワサキのDにも点検して貰いましたが、結果は正常。
その際、メカの方からこんな話をお聞きしました。
・僕(メカの方)もZZR1100 C型、そしてD型と新車で乗りましたが
やっぱり同じ様にシミーが出ました。
・車台を点検しても全く異常無し
・余りに不思議なので、カワサキ本社に問い合わせてみた所、
”手放しで走るバイクは製造していませんので、お答え出来ません”
・・・・・
・・・・・
・・・流石カワサキ😅 何とも唯我独尊?!独立独歩?!
まぁ、カワサキ党はこれ位は、”カワサキらしい”と笑い飛ばす、という事にしよう😅
取り敢えず組み上げた10。
少し走ってみるかな~♪
何時もの場所で一枚。雨が降りそうなのでサクサクとね。
ステアリングダンパーは最弱のセット。
余り強すぎるとセルフステアが効かなくなるデメリットがあるんですよね。
取り敢えず違和感はない感じかなぁ。
何時もの道の駅まで一走り。
しかし・・・全然ふけないし回らないよ~・・・。
燃料がかなり濃い感じですねぇ。
む~・・・。
今解っているジェットは以下(()内:FCRセッティングマニュアル推奨値)。
メインジェット(MJ):#160(#125)
スロージェット(SJ):#58(#42)
スローエアジェット(SAJ):不明(#120)
ジェットニードル(JN):不明
ジェットニードルクリップ段数:不明(4段)
パイロットスクリュー(PS):不明(1 1/2戻し)
エアスクリュー(AS):不明(1回戻し)
油面:#1~4共9.5mm程度(9mm±1mm)
ネットで調べると、ZX-10は以下のセットをされている方も。
MJ #160 SJ #50 PS 1戻 AS 1 1/2戻 JN 4/7段
MJ #158 SJ #55 PS 1戻 AS 1 1/2戻 JN R 4/7段
スロージェット(SJ)の番手が高い=濃い ので、ここら辺りからセットアップですかね。
簡易空燃比測定器も手に入れようかなぁ・・・でも高いしなぁ😅
測定出来ればセットアップが定量的に出来るしなぁ・・・む~・・・悩み💦
まぁ、プライベーターは時間無制限、手間は自分の労力のみ。
のんびりセットしていきましょう😊
車庫に収めたZX-10。
来週は一度徹底的にFCRを洗浄するかなぁ・・・。
その前に、頑張って仕事しよ(在宅で💦)。