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自分が餓鬼の頃は中華でも洋食でも現地の「本当の料理」というモノがまだ日本に入ってきていない時代でした。もしかしたら広く一般庶民まで普及したのはバブル期かも。それまではパスタでなくてスパゲッティーでミートソースとナポリタンだったし。

で、プリンと言えば「プッチンプリン」みたいなスーパーで売ってるヤツで、手作りプリンと言えば「ハウスのプリンの素」を鍋で温めた牛乳に溶かして冷蔵庫で冷やして作るヤツでした。

で、親戚のお姉ちゃんが「プリンを作ってあげる」と言うので大喜びしてたら、出てきたのは蒸して温かいブヨブヨのカステラみたいなモノ。俺っちは「こんなのプリンじゃあない！」と激怒。今思えばワリとキチンとしたカスタードプディングで、餓鬼とはいえ理不尽な振る舞いが極まりなかったです。

料理が知られてないというのは海外に限らず日本国内でも同じでして、やはり自分が餓鬼の頃、おっかさんが饂飩を打ってくれたことがありました。当時の饂飩と言えば関東圏では「フニャフニャの麺と蕎麦と同じ真っ黒い汁」というヤツ。

で、できた饂飩はカッチカッチの歯ごたえでブツブツ切れる硬いモノ。俺っちは「こんなの饂飩じゃあない！」と激怒。讃岐ブームを経験した今ならばコシの強い美味しい饂飩だったはずなので、餓鬼とはいえ理不尽な振る舞い極まりなかったのですが、おっかさんも首をひねってたので、当時としては皆で失敗としか思っていなかったです。

美味しんぼで山岡士郎にやり込められた鼻持ちならない連中とさほど変わりないですよね。無知というのは罪ですが仕方ない時があります。大事なのは権威主義に捉われないことと、自分の無知を認める勇気なのかもしれません。