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2024年11月16日 イイね!

【2024年秋 遠征記その7】田沢湖線、そして帰路へ

【2024年秋 遠征記その7】田沢湖線、そして帰路へその6 からの続きです。
今回の旅の記録もこちらが最終章です。

秋田内陸縦貫鉄道でやってきた角館。武家屋敷が並ぶ風情のある城下町で、私も11年前に散策した街です。

この時は、旅先で急に「お尻」の具合が悪くなって散々な目にあいましたが、その中でも「ここだけは是非とも!!」と頑張って街歩きした街ということで、今でもよく覚えています。

しかし今回は、まことに残念ながら時間の都合で街歩きができず・・・僅かな乗り換え時間の間、駅前に佇むのみ・・・切符を買って秋田新幹線/田沢湖線のホームに。

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隣り合っている秋田内陸縦貫鉄道のホームには先ほど乗ってきた列車が。
増結も解かれて1両になり、誰もいないホームに佇んでいる姿は、どこか寂し気でした。

今朝発った盛岡に戻ります。秋田新幹線もありますが、あえて田沢湖線の普通列車に。秋田新幹線内は、田沢湖線と新幹線が同じ線路を走り、同じホームに停まりますので、在来線部分も含めて新幹線規格の標準軌の路線です。

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程なくして、盛岡行きの普通列車がやってきました。当然のことながら、他の在来線を走らない、田沢湖線専用の車両です。

車内はBOX席とロングシートが半々くらいで混合。やはり通常の在来線に比べて車両の幅もやや広く、JRというより大手私鉄の電車に乗っているような感覚です。

角館駅を発車。
すれ違う秋田新幹線の遅れの影響もあって、この列車も10分ほど遅れています。
新幹線の影響で遅れるのに、さらにはその新幹線を優先させて走行しないといけないので何とも不憫ではありますが、4両編成の列車はそんなこと気にしない、というかのように盛岡を目指して黙々と走り続けます。

田沢湖駅で観光客が降りていき、元々多くない乗客がさらに少なく、車内はますます静かになりました。ここから県境の山あいにはいります。

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時刻は16時台ですが、すでに夕方の気配が漂う中、山々の色づいた木々を眺め続けます。

途中、駅だけではなく、すれ違いや時間調整のためでしょうか、いくつか設けられている信号場でも停車します。停車中は列車の動力機関以外から聞こえる音はほぼありません。車窓は、澄んだ空気の中に色づいた木々…冬の訪れがすぐそばまで来ていることが伝わってくる車窓風景です。そしてそれは、田沢湖線だけでなく、今回の旅で乗った、釜石線、花輪線、秋田内陸線でも、共通して感じたものでした。
夏が過ぎて雪深い冬がやってくるまでのわずかな時期にしか感じられない風景・・・東北の晩秋の鉄旅は、期待以上に素晴らしい、貴重な体験です!!

岩手県に入り、春木場駅あたりから山間部を抜け、盛岡市のある北上盆地におりてきました。
雫石駅から先は、普段着姿の乗客が多く乗り込んできます。この辺りはもう、盛岡の近郊区間なのでしょう。すでに陽も暮れて、やがてまわりは街灯が煌めく市街地の中を走ります。

いつのまにか線路が分かれて新幹線ホームのある高架へ。そして田沢湖線はそのまま地上を走り、盛岡駅ホームに滑り込みました。

盛岡駅は今日も賑わっていました。いよいよ、帰路につきます。
昨日から何回も行き来している駅構内を歩き、売店でお土産にお弁当、飲み物を買い込みます。

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帰りも「やまびこ」の自由席。こんな夕刻なのに、東京駅で乗り継いでこの日のうちに帰宅できてしまうのは凄い、と思ってしまいます。

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夕飯は車内で駅弁と焼酎の水割り缶。
盛岡駅を発車、車窓はしばらく街明かりが見えたかとおもうとやがて暗くなりました。食後は静かな車内で、電子書籍の読書で過ごします。

読むのは宮脇俊三さんの紀行文学集。旅の締めに旅の名作を味わう、これもまた良し哉・・・

ということで、ここまでお目通しいただき、ありがとうございました。
Posted at 2024/12/08 12:18:29 | コメント(2) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2024年11月16日 イイね!

【2024年秋 遠征記その6】秋田内陸縦貫鉄道を行く

【2024年秋 遠征記その6】秋田内陸縦貫鉄道を行くその5 からの続きです。

鷹巣駅に戻り、ここからは秋田内陸縦貫鉄道を辿ることに。

秋田内陸縦貫鉄道は、秋田県北部内陸部を縦断して鷹巣と角館を結ぶ第三セクター鉄道。
ちなみに、JRは「鷹ノ巣駅」、秋田内陸縦貫鉄道は「鷹巣駅」と表記が違いますが駅は観光案内所を挟んで隣り合っています。(前の記事のトップ写真を参照)

角館までの切符を買い求めて待合室で待っていると、発車間際になって、地元客や観光客、「乗り鉄」目的の客などが三々五々集まってきます。

改札がオープンし、皆ぞろぞろと1両の気動車に。途中の阿仁合駅行き普通列車です(トップ写真)

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明るい車内は、地元客、私のような乗り鉄客、そして数人連れの中高年男性グループが1組で、5割程度の乗車率。男性グループは乗り込むなり、早速にビールを酌み交わして宴会開始です。

鷹巣を発車して2駅、米代川を渡ると縄文小ヶ田駅。
田んぼと雑木林と少しの宅地がある駅ですが、近くには世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」のひとつ、「伊勢堂岱遺跡」があります。
一帯の縄文遺跡群の南西端に位置し、2400年程前の縄文時代の祭祀場や墓地の遺跡とのこと。秋田内陸線もこれにあやかってか、「縄文号」という観光列車を運行しています。

また、この時はもうシーズンは終わっていますが、沿線にはいくつか「田んぼアート」が見える箇所もあり、ここ縄文小ヶ田駅もそのひとつだそう。

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その「縄文号」と途中ですれ違います。この日はちょうど運行日でした。

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北秋田市の森吉地区に入り、向こうから阿仁川が寄り添ってきます。

天気は快晴。進行方向側から陽の光が差し込んできて、車窓を見る私にもろに当たります。眩しいし暑くなってくるし…しかし窓を遮光できるのは上下に下ろすブラインドではなく左右に開くカーテン。これを締めると車窓そのものが見えないので、向かい側、進行方向反対向きの座席に移動。これで暑さも眩しさも解決。快適に車窓を眺めることができるようになります。今まで私が座っていた座席には、窓越しに陽の光が当たって座席が真っ白に光っていました。

13時30分、阿仁合駅に到着。ここで乗り換えです。
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接続する角館行きは、すでに向かいのホームに入線していました。

こちらは2両編成。
しかし、後部の車両に乗り込もうとした乗客には、職員さんが「すみません、後ろは回送ですので乗れないです」と呼び止めています。
私も前の車両に乗り込みます。こちらは先客も多く7~8割程度の乗車率。私は先客のいるBOX席で向かい合って座らせてもらうことに。

しかし、少し経つと再び職員さんが、「後ろの車両も乗れるようになりました!よろしければこちらもどうぞ」と呼び掛けます。

ならば、と後ろの車両に移らせてもらうことに。さきほどのように進行方向の反対を向いて腰を下ろします。

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阿仁合駅は車両基地も併設されています。様々なデザインの車両が並んでいて、見ていても退屈しません。

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腕木式信号機も。さすがに今は使われていないと思いますが、さも現役のように設置されています。

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間もなく発車時間ですが、ホームにはまだ、結構な数の乗客が乗り込まずに立っています。
職員さんも集まって、何か話しながら後部から外を注視…もう1両増結するようです…どうやら、急遽増結が決まった模様。
「増結します」旨の放送の後、エンジンが切られ、車内の照明も消灯。

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後ろから増結車両が近づいてきて、鈍い衝撃とともに連結。
再びエンジン始動、照明もつきます。
連結後の確認作業でしょうか、少しエンジンを吹かしたりしている所は、どこか自動車のようです。

ホームの乗客が増結した方の車両に乗りこみます。臨機応変な車両運用ができるのはさすがです。
当初は1両だったであろう列車が、3両編成となって阿仁合駅を発車。

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再び阿仁川沿いに走ります。川に沿って黄色の木々と緑の杉林が続く風景は、見飽きることがありません。

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比立内駅に到着。かつて国鉄時代は、鷹巣(鷹ノ巣)駅からここまでが「阿仁合線」として走っていました。
角館から北に進む角館線が、国鉄時代は途中の松葉駅まで開通しており、第三セクターとして運営を引き継いだ後に松葉駅~比立内駅が開通して鷹巣~角館間が全通した、という経緯があります。
従ってここから先は比較的新しい区間、といっても25年前になりますが、長いトンネルもあって、線形も直線基調になります。

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車窓は秋の風景そのもの・・・

戸沢、上桧木内、左通、羽後中里…無人駅に丹念に停まっていきます。3両編成だとホームの方が短い駅も。そして、どの駅にもホームから駅前に下りる通路と階段が設けられていますが、しっかりと樹脂製の波形トタン屋根で覆われているのは雪対策なのでしょうか。近くの用具置き場にも雪かきが備え付けられています。
乗降客はいませんでしたが、駅前はちょっとした広場になっていて、自転車置き場には数台の自転車が停めているのは、ちゃんと駅利用客がいる証しでしょう。

松葉駅に到着。角館からやってきた国鉄角館線の時の終着駅です。

これまでの駅と違い、ホームに大勢の乗客が…停まると一斉に乗り込んできました。その数ざっとみても100名弱、しかも、すべてがアジア系の外国人で、車内はほぼ満席になります。

さきほどの比立内駅での増結がなかったら、立ち客であふれるくらいの混雑になっていたことでしょう。これを見越していたのか、まさにナイスな判断です!

ここからは田沢湖にほど近いので、おそらくその関係の観光客だと思われます。
一般的には新幹線も停まる田沢湖駅の方が本数もあって便利なようですが、田沢湖のシンボル「たつこ像」は松葉駅の方が近く、さらには角館に行こうとするならどちらも時間的に変わらない、ということでしょうか。

車内は一気に賑やかに。鷹巣から乗り換えた後もずっとお酒を酌み交わしていた中高年男性グループも、インバウンド客に少し気圧された感じです。

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松葉駅あたりからは平地になり、刈り取りの終わった田んぼが見え始めます。
その田んぼがだんだんと広くなり、民家も立ち並ぶようになってきました。駅に停まると地元の高校生なども乗り込んできて、角館の街が近くなってきたことがわかります。

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15時過ぎ、角館駅に到着。降り立った乗客で一時、ホームはいっぱいになりました。

秋田内陸縦貫鉄道、乗るのはもちろん初めてでしたが、阿仁川沿いの紅葉/黄葉と杉林や平原の風景が、まさに日本のローカル線の風景そのもので素晴らしかったです。
おそらく、春夏秋冬、それぞれでまったく違う風景を見せてくれるでしょう。

その7 に続きます。


12月2日追記
名称を「秋田縦貫鉄道」と書いていましたが、正式な名称は「秋田内陸縦貫鉄道」でした。従って、「秋田内陸縦貫鉄道」または「秋田内陸線」に訂正いたします。
Posted at 2024/12/01 22:46:03 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2024年11月16日 イイね!

【2024年秋 遠征記その5】秋田犬の里と鷹巣町小散策

【2024年秋 遠征記その5】秋田犬の里と鷹巣町小散策 その4 からの続きです。

花輪線をたどり、降り立ったのは大館駅。

初めて降り立ちますが、ここでの滞在時間は40分。

街歩きをしようにも、大館市の中心地は先ほど乗ってきた花輪線の東大館駅付近にあり、こちらの大館駅自体は市街地から少し離れたところに位置しています。

駅舎も駅前広場も改装直後らしく真新しいのですが、駅前には鶏めしのお店「花善」がある他に目立ったお店はありません。

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1年前に完成した大館駅舎。

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駅前広場では、コミュニティバスの開通式典が開かれていました。

滞在時間が長くないので事前リサーチもしてこなかったのですが、地図を見ていると、近くには、「秋田犬の里」という施設があるそうです。
大館市は秋田犬の原産地として知られています。秋田犬について学ぶことができ、飼育展示もされている、ということで見学させていただくことにします。

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施設の前には「忠犬ハチ公」像、そう、渋谷駅の忠犬ハチ公は大館出身の秋田犬です。ちなみに、施設の外観も、ハチ公がいた当時の渋谷駅舎を模しているそう。

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館内へ。見学は無料です。

秋田犬や忠犬ハチ公について、ミュージアムで写真や説明から学びます。
見学客でにぎわっていますが、愛犬を連れた人が多いのが印象的で、受付の係員さんと、和やかに会話が弾んでいます。

奥には展示室があり、飼育されている秋田犬を実際に見ることができます。
何頭かいるのですが見ることができるのはその中のどれか1頭だけです。



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ワンちゃん気持ちよくお昼寝中でした。

規模も手ごろで、待ち時間の中でちょうど良い塩梅で見学することができました。

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駅前に戻ると、出発式を終えたコミュニティバスが発車したところでした。

駅に戻ります。

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秋田行きの列車がやってきました。

ここから3駅先の鷹ノ巣駅で下車。

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平成の大合併により誕生した北秋田市の市役所がある、旧鷹巣町。
ここから秋田縦貫鉄道に乗り換えますが、接続時間が90分ほどありますので、改札を出て駅前に降り立ちます。(トップ写真)

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駅前には商店街アーケードが伸びています。

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さすがに人通りこそ、そこまで多くありませんが、約500mほどに渡ってアーケードが続いています。営業中のお店もチェーン店ではなく、ほぼ個人商店なのが印象的。

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飲食店に薬局、靴店、洋品店、書店など・・・かつては個人経営の様々な商店だけが建ち並び、商店街を形作っていたことを思い起こさせてくれます。
書店については、個人経営のお店がどんどん少なくなり、人口規模が比較的大きくても、書店ゼロという自治体が出てきている、というニュースを耳にしますが、この街ではしっかりと営業されていてさすが、です。

時刻は11時を過ぎています。鷹巣の街に降り立ったのは街歩きの他に、ここで地元にしかない昼食をいただくことも目的のひとつ。朝はおにぎり一つだけでしたのでかなり空腹状態です。

駅前の観光案内所でいただいた市街地マップを見ながら歩き、よさげなお店を探します。
地方の街で食事処を探すときによくあるのが、必ずしもガイドにある営業時間通りにお店が営業していない、ということ。ガイドでは営業中のはずの曜日や時間でも実際に前を通ると開いていなかった、ということは珍しくありません。

しかし、鷹巣の商店街のガイドに載っているお店は、ほぼ営業中でした。それはそれで目移りして迷うのですが…
そんな中、ガイドにも載っていてよさげな中華料理店の前を通ります。営業時間前ですが、すでに開店待ちの人が数人いました。外観の雰囲気や、中華を食べたい気分でもあったことで列に並びます。

しばらくして開店。待っていた人ですぐに満席になる中、数多いメニューの中から選びます。お勧めの酸辣湯麺や担々麺も興味がありますが、初めての中華料理店では炒飯と餃子を頼むのが定番でしょう!ということでエビ炒飯と餃子を注文。

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運ばれたエビ炒飯。かなりボリュームがあります。あわよくば担々麺を追加注文、とも考えていたのですが、いくら空腹でもさすがにこれ以上は厳しいです。

香り良い炒飯は良い感じにパラパラとしっとりの中間。エビも大ぶりのものが、これでもかと6~7個くらいゴロゴロと入っています。
途中からは、一緒についてくるスープと炒飯を交互に口に運ぶのが私流。レンゲがどんどんすすみ、餃子ともどもあっという間に完食。

お店を出ると駐車場では順番を待つ人が何人組も、車内で待機しています。
あとでわかったのですが、市外からも訪れる人の多い行列店、とのことでした。

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駅前に戻ります。
大きな街でもなく、突出した観光資源があるというわけでもない、静かな街でしたが、個人で経営されえているお店を見ることで、街の人たちの生活の息吹をしっかりと感じることのできる、あっという間の90分でした。

その6 に続きます。
Posted at 2024/11/30 23:25:44 | コメント(2) | トラックバック(0) | 街歩き | 日記
2024年11月16日 イイね!

【2024年秋 遠征記その4】花輪線を行く

【2024年秋 遠征記その4】花輪線を行くその3 からの続きです。

11月16日朝6時、宿を出発します。

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宿でエレベーターを待っているときに窓から見た岩手山。・・・良い天気です。

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盛岡駅へ。朝の駅前は人通りもまばら。

この日に乗るのは花輪線。
盛岡から八戸、青森方面へ向かう旧東北本線、現在はIGRいわて銀河鉄道で途中の好摩駅まで向かい、そこから安比高原や八幡平付近を経て秋田県の大館に達する路線です。

盛岡駅は新幹線の改札が駅舎の真正面「センター」に”君臨”し、東北本線の仙台方面や田沢湖線、山田線といったJR各路線の改札がそのすぐ脇を固めます。IGRと花輪線の改札はというと、切符売り場もまとめて駅舎の端に。入り口もあまり目立っていません。

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大舘行きの列車はすでに入線していました。
最初は閑散としていた車内も、発車間際には次々と乗客が乗り込んできて、各座席に1組ずつ埋まるくらいになったところで、定刻に発車。

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霧に煙る車窓。肌寒いですが晴れて無風の天気。

好摩駅を発車し、いよいよ花輪線に入ります。
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霧が晴れた車窓から見る風景は、信州や八ヶ岳あたりの高原地帯を思わせます。

今朝の朝食は、あらかじめ買っておいたコンビニおにぎりを部屋で戴いてからチェックアウトしましたが、その影響でちょうど今時分、腸の活動が活発になり、しばらく列車内のトイレに。

大更駅を出発する頃に席に戻ると、左側に岩手山の雄姿が。
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しばし車窓に釘付けです。

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松尾八幡平駅を発車するとだんだんと登り勾配に。黄色や赤に色づいた木々が迫ります。

安比高原あたりは白樺林。標高は600mほどですが、やはり高緯度だけあって、白樺に馴染みのない私には1000m以上の高原にいる感覚でした。

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小屋の畑駅付近まで来ると、少し平地が開けます。
さっきまで晴れていたのが、また周辺の山々に靄がかかっていました。沿線は林やススキの広がる原野が続きます。所々に、木材が山のように積まれていて、林業が盛んなことをうかがわせてくれます。

次の荒屋新町駅あたりが旧安代町の中心。人家が増え、やがてちょっとした市街地になっています。

田山駅を過ぎると、また色づいた山々が近くにみえてきました。

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この時期、ということで、紅葉の車窓を楽しみにして来たところはありますが、期待以上です!

紅葉の山々はそのまま県境を超えて秋田県に。

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湯瀬温泉駅に到着。
沿線最大の温泉地である湯瀬温泉。鉄筋の大きなホテルもみえてきました。

県境あたりまでは登り勾配が中心で大きなディーゼル音を唸らせていたのですが、気が付いたら軽やかになっています。

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花輪線の中心駅、鹿角花輪駅。このあたりの標高は150mほどです。

花輪線はこの先、十和田南駅でスイッチバックがあり、進行方向が変わります。
スイッチバックと言えば、通常は急勾配の登り下りがしやすいように設けられるため、山あいや峠などに設けられることが多いのですが、ここでは珍しく、平坦な市街地の中でのスイッチバックです。勾配の関係ではなく、本来なら大館方面とは別に、北に向かう小坂方面にも鉄道が敷設予定だったための名残、とのことです。

列車はゆっくりと十和田南駅に到着。5分の停車時間があるので、一旦ホームに降ります。
山あいでもないのにまた周辺は靄がかかり、線路の先は真っ白でした(トップ写真)

私もここで向かい側の座席に移動。発車すると今まで走ってきた線路から分かれて右へ。米代川沿いを走ります。
これまでのような山々の紅葉が見られなくなった代わりに、民家の庭先や道沿いに、鮮やかな黄葉、紅葉が見られるようになりました。

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何とか撮れた1枚。咄嗟にカメラを取り出したので、車内の照明が写りこんでいますが。

これまで見ることのなかった田畑が広がるようになり、普段使いな出で立ちの乗客も増えてきたところで、終点の大館駅に到着。

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盛岡から約3時間ですが、車窓が素晴らしく、あっという間でした。

その5 に続きます。


Posted at 2024/11/24 21:11:04 | コメント(1) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2024年11月15日 イイね!

【2024年秋 遠征記その3】遠野散歩 後編と盛岡の夜

【2024年秋 遠征記その3】遠野散歩 後編と盛岡の夜その2 からの続きです。

ゆっくりとペダルを漕ぐこと約30分、再び遠野の市街地まで戻ってきました。

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まだ、列車の発車時刻までは余裕があります。
ここからは、遠野の歴史や遠野物語についても勉強したくて、博物館に向かいます。

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その前に「とおの物語の館」の前を通ります。
語り部による昔話の公演なども行われているそうです。

時間の関係で、訪れるのは「とおの物語の館」と市立博物館のどちらか。迷いましたが、地域の歴史も知りたい、ということで今回は市立博物館を訪れることにしました。

図書館に併設された遠野市立博物館へ。まだ新しくてきれいな施設です。
館内は写真撮影可の展示もありましたが、SNSなどに載せていいのかはわかりませんでしたので、こちらには載せていません。

新しい博物館らしく、非常に解りやすく展示されているのが特徴。
最初は「遠野物語」を知ることをテーマに、いくつかのお話を短編で紹介する大画面のビデオシアター。
複数のテーマから見たいものを選んで上映されます。他に見学客はいないので私が選び放題。さきほど訪れた「オシラ様(娘と馬の恋物語)」と「カッパ淵(馬にいたずらするカッパの話)」の話を鑑賞しました。

そこからは遠野の歴史・文化を、説明パネルと展示物で紹介、そして企画展は、「家の神」家や土地に祀られ、家族を守る神。「オシラ様」「オクナイ様」や「座敷わらし」などに関する資料や展示を見ることができます。

じっくりと時間を立つのも忘れて見学。外に出るころには、日も傾き、そして少々肌寒くなっていました。

夕暮れの街を、名残を惜しむようにサイクリングします。
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駅前に戻ってきました。お世話になった自転車を返却します。

ずっと訪れたい、と思っていた遠野の街、ようやく今回訪れることができました。全部まわり切れたというわけではありませんが、「遠野物語」の世界に、ほんの少しは触れることができた、と思います。

人が住むとそこに文化が生まれ、それがまた地域の魅力を高めてくれる、ということを改めて感じることができました。
これをきっかけに「遠野物語」をしっかりとひも解いて読んでみたい、と思います。

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駅に戻ります。切符を買い求め、そのまま列車の到着まで中で待ちます。

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花巻行き列車の改札が始まり、ホームに出るとすっかり日が暮れていました。

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肌寒い風が吹くホーム。もう少しすると、もっと冷たい風が吹き、そして雪に覆われるのでしょうか。

やってきた1両の列車に乗り込みます。車内は1席に1組ほどの乗車率。後部にあるロングシートに腰を落ち着けます。

車窓は真っ暗。明るい車内は静か。
釜石線は、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」の銀河鉄道のモデル、と言われています。
車窓から星は見えませんでしたが、時折、まばらに灯る街灯が流れていくのを見るうちに、やがてうつらうつら・・・夢を見るとともなしに見て・・・そんな中を走り続けていきました。

盛岡駅に到着したのは、19時少し前。

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帰宅客でにぎわう盛岡駅に降り立つのは11年ぶりです。

本日はここで宿泊。宿にチェックイン後、夕食と街歩きに。

まずは夕食。
盛岡駅構内で良さげなお店を探します。

以前、盛岡の街歩きで駅に立ち寄った時、駅構内が複雑だった、ということが印象に残っています。その印象は今回も大きく変わりませんでした。

最近は、大きな新幹線駅でも構造は比較的シンプルな場合が多いのですが、盛岡駅は南北の中央に新幹線の改札とコンコースが位置しています。改札も南北それぞれに分かれ、改札フロアの南北間の通り抜けはできますが、その通路はあまり目だない感じ。
最近の駅によくある、中央に大きなコンコースが有り、それに沿って改札が並んでいて駅ビルの出入り口もある、みたいな感覚でいるとちょっと戸惑ってしまいます。
しかも駅ビル商業施設「フェザン」も本館と「おでんせ館」があり、さらには地下フロアはそれぞれの館に飲食店街があって、と、案内板をしっかり見ながらお店を探します。まあ、迷路のようで楽しいは楽しいのですが。

あちこち見て回った後、1軒のお店に。

まずはお酒、岩手の地酒3種呑み比べを注文。
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店員さんがグラスを持ってきた後に、「よいしょ、よいしょ…」と今度は一升瓶を3本も抱えてカウンターの上に置いてくれました。そして銘柄の紹介と簡単な説明…なかなか大変です。

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料理はお刺身の盛り合わせに、いぶりがっこなどの東北各地の名産品が入ったポテトサラダを南部せんべいで挟んだもの。そして、地元産キュウリの「のんべえ漬け」。
…ちなみに、さきほどの一升瓶は、料理が運ばれてきたのと入れ替えに持っていきました。

地酒3銘柄の、それぞれの違いを楽しみながら、料理をゆっくりと味わいます。
のんべえ漬けはお酒とよく合い、ポテトサラダもせんべいのサクサク感や中のいぶりがっこなどのコリコリ感の食感とあっさりとした味付けがGOOD、そして新鮮なお刺身…我ながら良い選択ができました。

昨日までの疲れからか、合わせて1合ほどのお酒でよく回り、ちょうど気持ちいい酔い具合です。

お店を後にします、飲んだ後の締めはラーメンならぬ、盛岡三大面のひとつ「じゃじゃ麺」!
本当は少し酔い覚ましに歩いてから、とも思ったのですが、それだと営業時間が終わりそうなので、このまま連荘。以前にも訪れたじゃじゃ麺のお店「小吃店」へと向かいます。

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じゃじゃ麺の小。(かきまぜた後です)

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もちろん、食べた後のお皿に玉子をとき入れてそこにスープを入れてもらう「チータンタン」も忘れません。
これで大満足、お腹も一杯になります。

夜の散策へ。
ライトアップされた「開運橋」(トップ写真)を渡り、大通の繁華街へ

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「大通」の入口
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いつものように人通りが絶えた一瞬を待って撮影していますが、金曜の夜とあってか、かなりの賑わいぶり。居酒屋やカラオケショップ、ラーメン店や和洋の飲食店など、眩いばかりの灯りの中で楽しむ人たちを見ながら、こちらも夜の繁華街の雰囲気を楽しみました。

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そんな中、通りがかりに見つけたのが、岩手県出身の首相 原敬別邸跡の銘板。

2023年、アメリカのNYタイムズ紙が「2023年に行くべき世界の52ヶ所の中で、1位のロンドンに次いで2位に盛岡を選んだ」というニュースが報じられたのを覚えています。今回は日程の都合で、そんな盛岡の魅力を十分に堪能できないのは残念です。
その代わり、と言っては何ですが、宿に戻り際、北上川にかかる橋の上で少し佇み、街の空気をしっかりと味わったのでした。

まさに…
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「秋は短し旅せよ岩手」

こうして、盛岡の夜は更けていきました。

その4 に続きます。


Posted at 2024/11/18 21:18:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 街歩き | 日記

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「街歩きの記録『四国地方編』 https://minkara.carview.co.jp/summary/12901/
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ルーミーやハスラーで行く、ドライブラリーと下道ドライブ、1泊や日帰りの街歩き小旅行、更には日常生活で興味のあるお話などなど、ブログで細々と綴っていきます。 ...
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カテゴリ:ドライブラリー関係
2007/02/15 21:47:58
 

愛車一覧

トヨタ ルーミー トヨタ ルーミー
アルファードに代わり、ぐっと小さくなってルーミーがやってきました。 取り回しの良さと後席 ...
スズキ ハスラー スズキ ハスラー
スイフトスポーツに代わってやってきました。 可愛さの中にも精悍さがあるデザインに魅かれて ...
ホンダ フィット ホンダ フィット
ドライブラリー&通勤専用車として、2003年2月~2008年8月まで活躍してくれました。
ローバー 200シリーズ ハッチバック ローバー 200シリーズ ハッチバック
95年式 ROVER216GTIです。(2000年~2002年所有) スタイルと内装の良 ...
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