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2025年06月13日 イイね!

琵琶湖疏水と京都鉄博巡り(後編:南禅寺と水路閣)

琵琶湖疏水と京都鉄博巡り(後編:南禅寺と水路閣)中編からの続きです。

京都鉄道博物館の旧二条駅舎を出たあとは、JR山陰線に乗り現二条駅で下車。
新旧の二条駅を見比べたかっただけではなく、ここで地下鉄東西線に乗り換えます。

京の都の出入口「京の七口」の東の出入り口、「粟田口」に位置する蹴上駅で下車。
再び琵琶湖疏水をほんの少しだけ辿ります。

あらためて琵琶湖疏水について簡単に説明します。
明治維新以降、人口が減少し衰退しかけていた京都市を復興させるために、水道用・工業用・発電用、そして水運による輸送路として、様々な使用用途のある大規模な水路の建設が必要不可欠、ということで建設されました。

大津市で取水した琵琶湖の湖水は、蹴上を通り、二条通りの北側で鴨川に合流後は鴨川運河として南下、先ほど歩いた伏見で濠川、そして宇治川を経て大阪まで流れが続きます。

駅前を走る三条通り沿いに、琵琶湖疏水の水運を担っていた「蹴上インクライン」跡があります。

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蹴上付近は大津方向から京都方向に向かって急勾配となっており、琵琶湖疏水を通る船は水路をそのまま行き来できません。そこで、写真のように鉄道を敷いて台車に船を乗せ、台車をケーブルカーの要領で引っ張って動かす、という方式がとられていました。これが
「インクライン(傾斜鉄道)」という方式です。私自身、この言葉をつい最近初めて知りました。

やがて、通常の鉄道に輸送の主役が移り、戦後すぐにインクラインの運行は廃止されましたが、今でもこのように、当時の鉄道の一部と船を載せた台車が産業遺産として復元されています。

たしかに勾配がある水路を船が行き来するには船自体の動力だけでは難しく、何らかの方法で移動させないといけないですね。
インクライン式の他にも、閘門を設けてその間に船を入れたら水位を上下させたり、リフトに船を載せてエレベーターのように上下したり、という方法があるそうです。

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この先、平行する三条通りを歩くと、インクラインの下を通るレンガ造りのトンネルがあります。
「ねじりまんぽ」と呼ばれるトンネルで、三条通りから南禅寺方向へ向かう道路として明治時代に作られました。

「まんぽ」というのはトンネルの呼び名、「ねじり」というのは、トンネル内部の壁面のレンガが道路と平行ではなく、斜めに積み上げていて全体を見ると螺旋状にねじったようにみえることからつけられた、とのこと。

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こちらが反対側、南禅寺方向からの入口(帰路に撮影)。

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トンネル内の壁面、確かにレンガ壁面が螺旋状です。
強度を増すため、といわれていますが、鉄道以外のトンネルでこの形状になっているのは珍しいそうです。

壁面を興味深く眺めながら歩いていると、自転車で走り抜ける下校途中の高校生とすれ違います。彼ら彼女らには、ごく日常の風景なのでしょうね。

南禅寺へと向かう小径を歩きます。両脇には生垣や白壁造りの塀と、立派な門構えの邸宅や寺院が続き、時折通過する自転車の高校生の話し声のほかには何も聞こえない静かな道です。

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南禅寺金地院の楼門。この辺りはすでに、南禅寺の境内の一部です。

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南禅寺中門
すぐ近くにタクシー乗り場もあり、タクシーはこの門を行き来しているそうです。

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三門が見えてきました。まさに威風堂々、という言葉が合う、その大きさに圧倒されそうです。

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南禅寺の中心である法堂。まずはこちらでお参り。

法堂に向かって右手の方向、木立の中を少し歩くと、「水路閣」が見えてきました。

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南禅寺水路閣
少しくすんだレンガ色のレンガ造りであるアーチが左から右へと続きます。
最上部が水路になっており、それがまさに「琵琶湖疏水」。蹴上から北へ向かい、市街地北東部~北西部を巡って賀茂川に合流する疏水分線にあたるものです。

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水路がみえるところまでやってきました。今も現役で、絶えず水が流れています。

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自然の中に延びていくレンガのアーチ、今の季節は、濃い緑の中ですが、四季折々で様々な光景を見せてくれることでしょう。
真夏を思わせるような暑い陽気の中歩いてきましたが、ここは涼しくて爽やか。しばらく佇んで深呼吸。初夏の美味しい空気を満喫します。

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帰り道すがら、路地を流れる水路も、涼やかな水の流れる音が聞こえてきました。

琵琶湖疏水、名前は聞いたことがありましたが、内容はほとんど知りませんでした。今回、行く前に少しだけ予習と、帰ってきてからも記事を書くために復習で色々と調べたのですが、知れば知るほど興味が湧いてきます。
まだまだつたない知識の中でのお話しで、全然深堀りが足りていないこと、平にお許しを。

ここから帰路に。その中で、鉄道ネタを少し…
蹴上駅に戻り、そのまま京阪電車の浜大津、石山駅を経由して東海道線を辿ることにします。
米原まで向かい、ここで大垣行き普通列車に乗り換え。

こちらの大垣行き列車、車内に何やらカメラや録音機材を持った人が多く見かけます。その時はそこまで気にも留めていなかったのですが…
大垣駅に到着後、その列車はそのまま回送電車となったのですが、発車していく様子を何となく反対側のホームから見ていると、最後尾には「感謝」のヘッドマークが…そう、引退間近のJR東海311系だったのです!

今になって気づきましたが時すでに遅し、写真を撮ることができなかったのは痛恨でした。

普段でも何気なしに乗っていた車両で、快速系統は313系で普通列車のときに311系、というイメージだったのですが、これで乗るのも目にするのも最後、となると、車窓から雄大な伊吹山を眺めることができたことを、思い出としてしまっておきたいと思います。

…以上、近代遺産と鉄博を目当てに街歩きも絡めた、初夏の京都日帰り旅のお話でした。

Posted at 2025/07/06 14:48:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | 街歩き | 日記
2025年06月13日 イイね!

琵琶湖疏水と京都鉄博巡り(中編:京都鉄博へ)

琵琶湖疏水と京都鉄博巡り(中編:京都鉄博へ)前編からの続きです。

桃山御陵前駅から再び京都駅に戻ります。
一旦ここで琵琶湖疏水からお別れして、向かうは京都鉄道博物館(以下「鉄博」)。

最寄り駅は山陰線で1駅先、梅小路京都西駅ですが、発車時刻までは20分以上。ならば…ということで、駅前に出て線路沿いに西へと歩み始めます。

堀川通の、リーガロイヤルホテル近くのアンダーパスを見ながら横断。JRの線路沿いに梅小路通りを歩いていきます。天気が良くて暑い…たちまち汗が噴き出してきます。

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始めて歩く道ですが、このようなモニュメントを見ると正しい道順を辿っている、ということを教えてくれます。

梅小路通りはこの先から歩道に。大宮通の下をくぐると緑豊かな梅小路公園に到着。
目指す鉄博はこの公園を横断した先になります。

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緑豊かな小径を歩きます。これまでと違う、爽やかな空気を感じながら…。

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京都駅から歩くこと約20分、旧二条駅舎に到着。こちらは鉄博からの出場専用口になります。

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入場すると、新幹線0系と80系湘南電車、そしてトップ写真にあるようにC62形蒸気機関車の”歓迎”を受けます。

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まずは80系電車の傍らを奥へと進みます。車内への立ち入りはできませんので外から車内をのぞきこみます。4人掛けのBOX型ですが、知っているBOX型とはちょっと違い、背もたれやひじ掛けが木製なのは逆に新鮮。

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大阪環状線で活躍していた103系は車内に入ることができます。

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昭和初期製造のEF52形電気機関車の窓に映るのは、新幹線100形。

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往年の名列車のテールマーク、ヘッドマーク。
「富士」は戦前に東京下関間、その後長崎まで延長されたころのテールマーク。ローマ字表記が「FUJI」ではなく「HUZI」なのが特徴的です。
そして、代表的な特急「つばめ」。

上の写真の「つばめ」のマークは縦書き。後で調べたところ、こちらは戦前の東京大阪間を走っていた時のほんの一時期、付けられていたものだそうです。
戦後は一貫して、下の写真の左側にある斜め書きのヘッドマークでした。

しかし、戦前は漢字の「燕」の列車名だったはずですが、マークは平仮名なのですね。
そのあたりはなぜなのか、調べましたが解りませんでした。(ご存じの方がお見えでしたら教えてください。また、ここまでの私の記述についてご指摘等ありましたらお願いします)

平日の館内は、遠足や校外学習でしょうか、幼稚園~中学校くらいまでの様々な生徒の団体が何グループも訪れていて大変賑やかです。

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今では見かけなくなった貨車や貨物列車の車掌車も展示されています。
車掌車は、列車名のついた貨物列車「たから」の車掌車だそうです。

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ダイヤグラム作成機のプリンター(なぜか右側の本体が見切れています…)
これらの展示を、じっくりと見て回ります。団体でやってきた生徒さんたちの姿は、この辺りでは見かけません。

そして、一番興味深かったのがこちら
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かつて駅の発車案内で使われていた「反転フラップ(ソラリー式)」、いわゆる「パタパタ」式の案内表示が、実際に操作できるようになっています。

実際に使われていたのでしょう。「乗り場」「種別(列車名含む)」「時」「分」「行き先」をそれぞれボタンで選び、最後に「起動」ボタンを押すと「パタパタパタッ・・・」と発車標が動きます。

操作盤を見たのも初めてで、乗り場別に1回ずつ動かしてみました。
どの項目も選択肢がいっぱいあって間違えそうですが、これですとすべて手動で操作していたとすると、大変な作業ですね。

屋外の施設へ。
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1㎞ほどの距離を乗車体験できる「SLスチーム号」、この時はC56が担当です。

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扇形機関庫。JRに乗った時に車窓からも見ることができますね。
以前は「梅小路蒸気機関車館」という博物館でした。この頃に一度、訪れたことがありますが、鉄博の中に組み入れられてからは初めてです。

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1等展望車「マイテ49」
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お馴染み「機関車トーマス」。今はここにいるのですね。
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特急「つばめ」を牽引したC62 2号機を後ろから失礼
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個人的に「最もバランスの取れた蒸気機関車」と思うC58

まだまだ、載せたい写真はたくさんあるのですがどんどん長くなってしまいますので、この辺で…

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こちらが旧二条駅舎内の出場口。ここから鉄博を後にしました。

他にも、「運転シミュレーター」はさすがにやりませんでしたが、企画展では55年前の大阪万博から現代の大阪関西万博までの、鉄道だけでなく自動車などの各交通機関の移り変わりを紹介した展示に見入ったり、と様々に楽しむことができました。でも、ひとつひとつをじっくり見ようとすると、もっともっと時間が必要です。

梅小路京都西駅から、山陰線の下り列車に乗り、2駅先の二条駅で降車。

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現在の二条駅。高架駅になり、さきほどの旧二条駅舎とはデザインがまったく違いますが、ホーム屋根のデザインなどは、旧駅舎が建設された当時の斬新さにも通じるものがあるかもしれません。

ということで、後編に続きます。
Posted at 2025/06/29 22:08:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 鉄道旅 | 日記
2025年06月13日 イイね!

琵琶湖疏水と京都鉄博巡り(前編:京都伏見散歩)

琵琶湖疏水と京都鉄博巡り(前編:京都伏見散歩)6月13日、金曜日、有休消化でお休み。

当初は少し遠くに出かけようか、と計画を立てていたのですが、この翌日に家事が入ることになり、急遽日帰りのお出かけに。
…ということで、日帰りコースを色々と考えた結果「そうだ、京都へ行こう!」

ただ、京都といっても訪れたいスポットが多いのでここは重点を絞り、前から興味のあった琵琶湖疏水と京都鉄道博物館(以下、鉄博)を主な目的地とします。

朝、通勤ラッシュが終わりかける頃、JR東海道線の下り列車に。
京都駅に到着したのは午前10時30分頃でした。

ここから鉄博…ではなく…その前に、

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近鉄電車乗り場へ。
奈良行き特急「あおによし」を見送ると、次の大和西大寺行き急行に乗車します。

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10分ほど走り、桃山御陵前駅で下車

酒蔵の街、伏見へと向かいます。

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隣接する京阪伏見桃山駅を過ぎた先から「伏見大手筋商店街」のアーケードが200m以上続きます。

道幅は5mほどでしょうか、そこまで広くはありませんが、チェーン店から個人商店まで、飲食店や薬局、八百屋、魚屋、さらには接骨院まで、お店が軒を連ねていて賑やかな商店街。よさげな蕎麦屋さんで軽くうどんをいただいた後は左折して納屋町通りへ、こちらも同様にアーケード商店街が続きます。

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納屋町通りの先は別名「竜馬通り」とも言います。
宇治川に設けられた水運の拠点のひとつ、伏見港へと向かうこの通りは、幕末、伏見滞在時に坂本龍馬が常宿としていた「寺田屋」があることから、幾度となく竜馬もここを通ったであろうことから名付けられたそうです。

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ここで再び左折、アーケードが無くなり、これまでと雰囲気もかわってきました。
手前には「黄桜記念館」
白壁造り風の建物が続きます。

上質な地下水が豊富で酒造りに適しており、江戸時代から造り酒が盛んで、多くの酒造メーカーがここで産まれ
ました。

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こちらは月桂冠の旧本社。

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その先に、月桂冠大倉記念館。

いずれのスポットでも、日本酒の試飲ができます。
正直、少し迷ったのですが、この先も結構歩き回ることも考えるとここで酔っ払っても…ということで自重しました。

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その先、濠川にかかる弁天橋という小さな橋のたもとから、酒蔵の街を巡る遊覧船「十石舟」乗り場があります。

ここから、濠川を辿り、宇治川に面した伏見港まで、酒蔵や柳並木が織りなす風景を眺めながら川下りを楽しめます。

この濠川が、琵琶湖から端を発する琵琶湖疏水が宇治川に合流する最終地点となります。ここから宇治川、そして淀川となって大阪湾まで続く流れは、関西圏の重要な水運路として発展を支えてきました。ということで、まずは先に琵琶湖疏水の終点にやってきた、という次第。


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弁財天長建寺の三門。弁財天は水辺に住む神様と言われていますが、京都ではここしかないそうです。海の中にある竜宮城さながらの竜宮門が特徴。

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さらに、柳並木が風に揺れる川沿いの小路を歩きます。

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「寺田屋」
水路だけでなく、京と伏見を結ぶ、さらには大坂を結ぶ街道にも近い交通の要衝の地にあり、幕末は、尊皇派の志士が襲われた「寺田屋事件」をはじめ、坂本龍馬も滞在中に襲撃を受けたりと、幕末の歴史にはよく登場する宿です。

写真の建物は明治期に再建されたとのこと。

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隣の庭園になっている場所が、幕末当時に寺田屋があった所とのことです。

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竜馬通りまで戻ってきました。
お昼近くになり、ますます賑やかになった商店街を、駅まで戻ります。

京都伏見は初めて訪れましたが、雰囲気のいい商店街から、白壁造りの酒蔵が続く通り、そして濠川と十石舟、川沿いの並木の組み合わせと、見どころいっぱいの街でした。

続きます。

※6月29日、タイトルを一部変更しました
Posted at 2025/06/22 21:29:53 | コメント(0) | トラックバック(0) | 街歩き | 日記

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