
本日は5月24日に発表され、7月より発売が開始されたMAZDA3の2,000CCガソリンエンジン搭載モデルに試乗しました。繰り返しになりますが、試乗記の内容については厳しい記述になる部分もあろうかと思います。私自身マツダ車には免許取得以降18年間で7台のマツダ車を所有していて、どちらかと言えば愛着あるメーカーですし、MAZDA3の前身であるアクセラは7年間で3台乗りました。だからこそMAZDAが嫌いとか、MAZDA3が嫌いとかはありません。ただ、今回の試乗記は1個人の感想として書いているものであり、読まれる方はそのあたりをご了承いただくとともに、この前書き部分を読んで「気に入らない」と思われる方はスルーしていただきたいと思います。試乗グレードはセダンの最上級グレード、20S L Package(2,649,000円/6AT/FF)になります。なお、今回は同日に試乗したホンダ シビックハッチバック(2,800,440円/CVT/FF)との比較を交えながらの試乗記となります。
【エクステリア】

MAZDA3 フロント ボディカラーはマシーングレープレミアムメタリック

シビック フロント ボディカラーはフレームレッド

MAZDA3 リヤ

シビック リヤ
プレスラインをできるだけ排除して「面」の美しさで魅せるMAZDA3とロー&ワイドを強調し、エッジを鋭くしてカッコ良さを表現しているシビック。どちらも甲乙つけがたいですが、個人的には優美な姿のMAZDA3に惹かれますかね。
【インテリア】

MAZDA3 ダッシュボード

シビック ダッシュボード
インテリアは、MAZDA3のデザインの良さ、素材の見せ方に上手さを感じます。
シビックは使用している素材はクラス相応のものが使われているのですが、シンプルであっさりとしたデザインとなるため、見た目にそれほどクオリティの高さを感じにくいのかな、と思います。
【シート】

MAZDA3のフロントシート

シビックのフロントシート
シートの掛け心地についてはバックレストやクッションの「体が支えられている面積」の多いMAZDA3のシートのほうが掛け心地が良く感じました。今回試乗したL Packageは本革仕様となるのですが、ファブリックシート同士の比較でも生地のクオリティはMAZDA3のほうが高いですね。
【エンジン・トランスミッション】

MAZDA3のトランスミッションは6速AT

シビックのトランスミッションはCVT
MAZDA3は2,000CC直列4気筒DOHC直噴エンジン(156PS/20.3kgf.m)と6速ATの組み合わせ、シビックは1,500CC直列4気筒DOHC直噴ターボエンジン(182PS/22.4kgf.m)とCVTの組み合わせになります。
1,800CCディーゼルでは発進時にモッサリ感が、1,500CCガソリンエンジンではアクセルを踏み込みがちになるMAZDA3にとって、この2,000CCガソリンエンジンはやっとその車格に合ったエンジンかなと。アクセルを軽く踏み込んだ瞬間から吹け上がりよく軽快に加速していくので、加速力に不満を覚えることはありません。3代目アクセラで途中廃止になりながら、今回のMAZDA3でこのエンジンを復活させたのも頷けます。
シビックは発進時のトルクの薄さを感じる以外は車重の軽さ(1,350㎏)もあって、20㎞/hを超えたあたりからはスペック以上にパワフルなエンジンに感じます。
【サスペンション・乗り心地】

MAZDA3に装着されていたタイヤは215/45R18 トーヨー プロクセスR51

シビックに装着されていたタイヤは235/40R18 グッドイヤー イーグルF1
フロント・ストラット/リヤ・トーションビームで構成されるMAZDA3のサスペンションは2,000CCガソリンエンジン加速感に合わせた「軽快さ」が特徴かなと。
サスペンションセッティングをそれほど硬めに設定しているわけではないのですが、マツダ独自のトルクベクタリング機構であるGVCプラスの制御によりシビック以上の直進性とステアリング操作に対し素直に曲がっていくハンドリングを実現しています。乗り心地についても、路面がよほど荒れていない限りは十分にフラット感が保たれ、鋭い突き上げのない乗り心地になっているのかなと感じました。
試乗していて気になったのは、タイヤの接地感が薄いというか、路面をつかんでいる感覚があまり感じられないことと、そのタイヤの接地感にもかかわらず、クルマが思っている以上に真っ直ぐ走っていたり、曲がったりすることで、「運転している」というよりも「GVCプラス」に操られてしまっている感覚が強いことでしょうか。
フロント・ストラット/リヤ・ダブルウィッシュボーンで構成されるシビックのサスペンションは硬めでスポーティなセッティングながら尖った突き上げもなく、快適でスポーティなハンドリングを実現しています。ステアリング操作に対しグイグイと曲がっていくその感覚は、MAZDA3以上の「人馬一体」感を感じます。
【総括】
2,000CCガソリンエンジン車は予想通りMAZDA3で最もバランスの取れているモデルであると予想したとおりの結果になりました。しかし、惜しいですね、MAZDA3。エクステリアデザインやインテリアの先進性に比べて走りはというと、正直シビックにはおよばない、というのが結果です。MAZDA3のカタログでも「走りの良さ」をアピールしているページが無く、マツダが貪欲に走りの良さを追求していないように感じてしまうのです。
本当、シビック並みのシャシー性能であれば、フォルクスワーゲン ゴルフとは違う方向性でCセグメントに国内メーカーから新しい風を吹かすことができたのに、と思うと、「基本性能でカバーできない領域は全てGVCプラスにお任せ」感のあるマツダの姿勢が個人的には残念に思えてならないのです。
このブログの撮影機材
カメラ Panasonic LUMIX G8
レンズ LUMIX G X VARIO 12-35/F2.8 ASPH. POWER O.I.S.
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試乗 | クルマ
Posted at
2019/07/21 18:39:47