Yahoo!ニュースに、次のような記事が出ていました。
ネタ元は時事通信の記事のようです。
一人親世帯の54%「貧困」=先進国で最悪-厚労省調査
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091113-00000150-jij-pol
不況の風吹きすさぶ昨今ですが、とりわけ一人親世帯(子供を抱える片親家族。ただ、「片親」では語感があまりに悪い。)は厳しい現実を突きつけられているのがこの記事からも伝わってきます。
独立前の子供を抱えた一人親世帯の場合、就職もままなりません。子供を抱えているというだけで就職面接に落ちる可能性が高いからです。社会の成員の再生産を社会的責任と考える企業は少ないですからね。「子供がいる」ということは、リスクとなってしまっているのです。
母子家庭の場合、児童福祉手当てのほかに母子加算手当てがありますが、いわゆる男親の、父子家庭の場合はそれに該当する手当てが想定されていません。明らかな制度的欠陥であり、行政不作為です。行政機関には「子供は母親が引き取るべきもの」という固定観念でもあるんじゃないかしら、と邪推の一つもしてみたくなります。
子育てはただでさえ経済的負担がハンパではない(一ヶ月あたりの保育園にかかる経費だけでも2万円を超えます。)うえ、就職活動においては「残業ができないんじゃないか」「子供が体調崩したら仕事を休まれるんじゃないか」と、子供が減点の対象として捉えられるのが一般的です。オソロシイことに。
良かれ悪しかれ、(お向かいのおいちゃん・おばちゃんという)昔の長屋的世界は崩壊していますし、24時間保育を提供している施設は都市部にしかなく、1ヶ月あたりの保育料も10万を越え、これでは生活してゆけません。ベビーシッティング等の地域ボランティアもほとんど発達しておりません。ボランティアにおける責任問題もあり、かなり洗練(訓練)された組織と人員が求められるからであり、日本における地域ボランティアの質は一般的にまだまだ萌芽段階だからです。(阪神大震災の教訓から生まれた災害支援NGOなど一部例外もありますが、ほんとうにごく一部です。)
ドイツにおける緑の党のような合目的的政党、それも社会福祉の適正化(単なる肥大化でもない)へ向けての政党が生まれたら面白いのですが、日本では・・・・さびしい限りですね。
行政機関としての社会福祉事業のみならず、また、介護や障害者福祉に加え、これらのまだまだ未開拓・・・単に日本の社会が立ち遅れているともいう・・・分野を専門とするNPO・NGOの設立が待たれます。無認可保育園よりも安い価格帯に設定しても、政府が初期段階においてある程度の支援をしてゆけば、それらは事業としても十分に成り立ってゆけると思うのですが。
Posted at 2009/11/13 21:47:37 | |
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