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家族の肖像〜ルノー16とセニック

当時高校生だった私は、中島みゆきのオールナイトニッポンを欠かさず聞いていた。
午前3時になり、歌うヘッドライト（だったかな）になると、明日の授業を思い出し、慌てて布団をかぶったものだ。
かぞくのしょうぞう〜っ。当時、中島みゆきが声高く叫んでいたのを覚えている。オールナイトニッポンのひとつのコーナーであるが。中身は覚えていないがあのフレーズだけ今もよみがえる。

うちのメガーヌセニックはまさに家族の肖像だと思う。もう10年オーバーの選手である。
三人目の子どもが出来たという知らせを聞いて、慌てて、当時乗っていたオペルヴィータから乗り換えた。
椅子が五ついるからだ。リアのセパレートになった三つの椅子は、小さなこどもたちもケンカをせずに座れる。

最初にこの車を知ったのは、カーグラフィックの誌面だった。ヨーロッパでカーオブザイヤーを取ったメガーヌセニックの写真が掲載されていた。

ダンゴムシのようななんとも嫌なデザインで、絶対に欲しくない車だった。
すべてが丸っこい。いかにもデザインでございますって感じがヤナ感じだった。

それが、三人目の子どもが出来て真っ先に浮かんだのが、これだった。
ネットで探して京都まで行って即買いだった。
ヴィータやミニ1000で過ごしていた私たちは、なんとも快適なクルマ!と思った。
クルマを買って名神高速の帰り道、当時3歳だった真ん中の娘は居眠りして後部座席から床に転げ落ちた。

思えば、父の買っていたカーグラフィックを読んで過ごした少年時代、大きくなって欲しいと思ったクルマはルノー16だった（笑）
テールゲートを開けて家族でピクニック。荷物をたくさん積んで小旅行。

もちろんバックナンバー読んでのことだが、当時の編集部員 大川悠が乗っていたんですよね。
ルノーってクルマは壊れやすい。そして屋根が禿げるのがお約束。でもなんとなく家族のクルマ。
子どもごころにそう思っていた。そして今、セニックで実践している。

でも私のこころの中の家族の肖像〜、ルノー16と、このセニックである。
松任谷正隆が乗っていたこともささやかな自慢だった。
ガレージでは、最初はミニと並び、プジョーと並び、今は隣の席は空いたままである。

最近、ガタが出始め、やはりもうそろそろかなと考える。
でも家族の思い出がたくさん詰まったこのクルマ、大好きである。

家族五人で出かけることも少なくなったし、カングーに乗り換えもないか。
今さら国産ミニバンもなぁ。と思う。
なんだか父親としてのワタシとだぶるようだ。ルーフ禿げてはないが。

もうちょっとだけ、がんばれ、セニック。