バルブクリアランス(タペット)調整
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
エンジンの上の方から「カチャカチャ」音が盛大に聴こえるのはバルブクリアランスの広過ぎが原因のことが多いです。音だけで実害は無いといえば無いんですが。
ネットで色んなところに調整方法が出ていましたが、手順と理屈がイマイチわかりやすくリンクしていないと感じたので、自分の知識の範囲ですが整理しておこうと思います。
①外さなくてもできますが、タイミングマークを見やすいのでまずグリルを外します。
②プラグを軽く緩めます。シリンダー内にゴミが入ったり、万一ネジとか落っことすと大事件なので外さない方がいいです。圧縮を抜くためなので緩めるだけで十分。
③シリンダヘッドカバーを外します。くっついてたらプラスチックや木ハンマーで軽くコンコンと。
あ、ミニは「冷間」が指定されていますので、エンジンが冷え切ってるときに作業してくださいね。
2
④1番か4番を圧縮上死点に合わすべく、クランクシャフトを回します。
一般的にはクランクプーリーにメガネレンチを掛けて回すんですが、ミニは全然届かないのでオルタネーターで回しちゃいます。
オルタだけだと重たい場合は、右手(軍手してね)でベルト(下の方)を引っ張って上下で回すと回りやすいです。
3
⑤クランクプーリーに1ヵ所キリ欠き(タイミングマーク)がありますので、それをシリンダーブロックに付いてるギザギザ(タイミングスケール)の一番大きいトンガリに合わせます。だいたいでいいです。
これで1番か4番、どちらかが『圧縮上死点』になりました。
4
⑥1番か4番、どっちかっていうのはディストリビューターキャップを外してローターの向き(何番のプラグコードに向いているか)で見てもいいですが、ロッカーアームをカタカタさせて動く(=バルブが閉まっている)方が圧縮上死点、動かない(=バルブが開いている)方が排気上死点です。
5
一番が圧縮上死点にできたとして、このときにどのタペットを調整できるかですが、よく見かける4サイクルエンジンの4行程にシリンダー番号を書くとわかりやすいです。点火順序は「1-3-4-2」ですので、「吸入-圧縮-膨張-排気」とは逆回りに割り振ります。
1番が圧縮上死点のとき、1番の次に爆発する3番はそのひとつ手前の行程、吸入下死点です。同じように順番に見て行くと4番は排気上死点、2番は膨張下死点です。
タペット(バルブクリアランス)を調整できるのは閉まっているバルブ(正確にはカム山に掛かっていないバルブ)ですので、圧縮上死点の1番はEX、IN両方OK。2番は膨張下死点なので、EXは開きかかっているのでNG、INはOK。3番は吸入下死点なので、INはまだ開いておりNG、EXは閉まっていてOK。4番は排気上死点なのでどっちも開いて(オーバーラップ)いてNG。
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整理すると、1番圧縮上死点で調整できるのは
1番 EX IN
2番 IN
3番 EX
となります。
もっと簡単にいうと、
1番シリンダー(向かって右)の方から数えて「1」「2」「3」「5」番目のバルブです。
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同様に4番を圧縮上死点にしたときには、4番シリンダーから数えて「1」「2」「3」「5」番目。
理屈を覚えるのが苦手な向きには
「エキ-イン-イン-エキ」と「1-2-3-5」
を呪文のように覚えましょう。(笑)
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⑦ロックナットを緩めてアジャスティングスクリューをマイナスで回してロッカーアームとバルブの隙間を加減します。
基準値は1000の場合、EX,IN共冷間で0.3mm。
1300は0.27~0.33mmだそうです。
0.3mmのシクネスゲージが程々の抵抗で動く程度に調整します。
この「程々」というのは数をこなして慣れるしかないですが、異常にきつくしない限り問題は起こらないです。
わかりやすい方法としては、0.3mmが多少抵抗があって、0.28mmがスルスルって動くくらいにする。こうすれば”0.29前後程度”なハズなので、大外しにはならないです。
ロックナットを締めるとバックラッシュ分だけ緩くなるので、ちょっと狭い目でロックするといいと思います。
最後にもう一度ロックナットを確認してヘッドカバー、プラグを元に戻したら終わりです。
ちなみにヘッドカバーを付けないでエンジンを掛けても全然問題ありません。(ウエスとか工具が近くにないのを確認してね)
ロッカーアームとバルブがカタカタ動くのをナマで見てみるのも悪くないですよ。初めてだとカンドーすること請け合いです。(笑)
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