先にブログアップした7月の色々な出来事から、
時間を少し巻き戻して・・・。
梅雨どきの6月29日、
年に数回ある宿直勤務明けの金曜日。
ふと思い立ち、日ごろの邪念を振り払うべく、向かったのは、
「天台宗総本山 比叡山延暦寺」。
このエリアは比叡山山系を挟み、京都側と滋賀側に路線を巡らす京阪電車グループの、ケーブルカー、ロープウェイ、バス、電車、地下鉄、併用軌道と、バラエティに富む乗り物/鉄軌道で、ぐるっと一周旅を楽しむことができます。
休日だと乗換え待ち時間だけで終わってしまいそうなので、一度ゆっくり乗ってみたかったのでした。
スタートは、京阪石山坂本線 坂本比叡山口駅。
1面2線のこじんまりした終着駅。
ここでは京阪電車には乗りません。
切符の購入が目的!入手した1dayチケット。
その名も、 『世界遺産 比叡山延暦寺巡拝チケット』
「1日乗り降り自由」+「比叡山延暦寺巡拝券」+「優待割引14施設」
『京橋発着で、ぐるっと回って¥1,440もおトク!!』
(エクスクラメーションマークが2個も付いてます)
自由乗降区間はコレ!大阪淀屋橋から乗って、ぐるっと回って戻れば、確かにお得かも。
今回は、坂本からケーブルに乗って比叡山に上がり、延暦寺を参拝して、比叡山頂から八瀬に下り、叡電で出町柳へ。京阪電車にちょこっと乗って三条へ。京都市営地下鉄東西線から京阪京津線に直通して浜大津。石山坂本線で坂本比叡山口に戻るルート。
拝観料も入ってますし、自動改札対応なので、あちこちで切符を買いお金を払う手間は省けます。
江若バスで「ケーブル坂本駅」へ。林の中に、ひっそりと建っていました。
人がほとんどいません。
シーズンの狭間、平日の日中なんてこんなものか。
この時間帯、30分毎なので、改札時間を待ちます。
坂本ケーブルは正式名称を『比叡山鉄道比叡山鋼索線』といいます。
1927年開業。路線長2025mは日本一。
途中に「うらい丘駅」と「もたて山駅」の2つの中間駅があります。
ポスターと同じ、レトロフューチャーなケーブルカーが!?
これから乗るのは、緑地に赤縦帯の1号車「縁号」。
改札が始まりました。線路は林の中へカーブして登っています。
発車しました。駅停車中に充電するための剛体架線が見えます。
この車両、バッテリーを積んでいて、走行中は補助電源の集電はしません。
なので駅を離れると架線がなくなります。
乗客は、私を合わせて3名。
ケーブルカーの運転士は大抵の場合、頂上駅でワイヤー巻き上げ機を操作しています。
先頭の乗務員は運転士ではなく監視が仕事。
上下列車のスレ違い。
すれ違ったのは、赤地に緑縦帯の、2号車「福号」。
「縁号」の銘板は、『YEN 1』と書くのですね。
ケーブルカーのすれ違いポイントに、可動ノーズはありません。
ケーブルカーは、外側車輪が両フランジ、内側車輪が幅広のフランジ無し、になっていて、線路と線との間にケーブルを通す部分では、幅広車輪が線路を跨いで通ります。
およそ11分で「ケーブル延暦寺駅」に到着。
駅舎は1927年開業当時そのままの建物。車両は1993年に更新されました。
ここから、延暦寺東塔までは歩いて10分ほど。
建設に当たり、延暦寺からは
・土地は売却せず線路や駅舎用地は貸与する。
・山上駅は寺の浄域から離れたところとし線路は遠くから見えないようにする。
・貸した土地に茶店等を設ける時は寺の許可とし茶店での宿泊はさせない。
という条件がつけられた』そうです。(Wikipediaから)
修行のヤマならではですねー。
そして、太平洋戦争が勃発し、終戦近い1945年(昭和20年)3月には営業休止に。
山頂側の延暦寺駅そばに『特攻機「桜花」射出カタパルト』が建設されることになり、5月には全施設が海軍に接収。車両は客室を取り払って資材の運搬用ケーブルカーとして使われたが、特攻機「桜花」が投入される前に終戦を迎えた。このため、カタパルトは一度も使用されること無く、戦後米軍の進駐前に破壊された。(Wikipoediaから)
のだそうです。
山の中のカタパルトから戦闘機が発射されるというのは、あの、山が割れてロケットが飛び出す『サンダーバード』のような秘密基地が、比叡山の中に作られていた訳ですね。
じめっとした空気がまとわりつく中を10分ほど歩いて、延暦寺東塔の入口へ。
ふもとから見れば雲の中にいます。時折り、ザーっと雨が降っては止むのを繰り返す感じ。
もちろん、1dayチケットに拝観料が含まれているので、パンフレットのみ受け取り境内へ。
1200年前、伝教大師によって開かれた延暦寺は、比叡山山頂一帯に広大な敷地を持ちます。
大きく分けて東塔、西塔、横川の3つの地域に分かれています。
天台宗総本山の根本中堂は現在大規模な改修工事中。拝観立ち入りは可能ですが、外観を見ることはできません。また内部は撮影禁止なので画像もなし。残念。
大講堂(奥)の前に位置するのが、大鐘楼。
1回50円で、鐘を突くことができます。
私も日ごろの不摂生を省み煩悩を振り払うべく、思いを込めて突き棒を引きました。
大講堂です。画面ではわかりづらいですが結構雨足が強まっています。
比叡山では、法然、栄西、親鸞、道元、日蓮など、のちに教えを開く著名な高僧が修行しました。
ここ大講堂には、宗派を超えたそれぞれの開祖の肖像画が飾られています。
雨に煙る法華総寺院「東塔」。東塔地域の最も高いところに位置します。
まだまだ、西塔地域、横川地域とあるのですが、全てを回ると、今回の主目的、乗り物でぐるり一周ができなくなるため、西塔、横川は次の機会にすることにして。
延暦寺バスセンターへ向かいます。それで己の煩悩をふりはらうことができたかどうか…。
1時間に1,2本運転される京阪バスの「シャトルバス」を捕まえて、標高848m 比叡山山頂へ。
5分ほど歩いて、叡山ロープウェイの乗り場へ向かいます。
比叡山京都側の玄関口ですが、なんだか簡素な作り…!?
改札口は自動ではなく、人影もありませんが、改札時間になると駅員さんがやってきました。
叡山ロープウェイは叡山ケーブルと合わせ、京福電鉄グループに属します。筆頭株主は京阪電鉄。
ふもとの八瀬と出町柳、そして鞍馬を結ぶ叡山電鉄は、元京福電鉄でしたが株式を京阪電鉄に100%譲渡して分離されました。なので、叡山電鉄も京福電鉄も京阪電鉄グループであることには変わりないのですが。
また、京福電鉄の「福」は「福井」を示し、以前は京福電鉄福井支社として福井、三国港、勝山、永平寺を結んでいました。こちらは2度の正面衝突事故を契機に、福井県出資の第三セクター「えちぜん鉄道」になり経営分離されました。その際、永平寺線が廃止されたのが残念です。
福井地区は今でも京阪グループの「京福バス」が路線・貸し切りバス事業を展開しています。
「比叡山頂」駅! 叡山ロープウェイは全長486m。
上下線がすれ違う頃、再び雨が!>
隣は叡山ケーブル「ケーブル比叡」駅。
叡山ケーブルは、高低差561mで日本一です。丁度、ケーブルカーが登ってきたところ。
ケーブルカーと、ホーム階段の傾きが一致しないのがユーモラス。
こちらは降り場なので、反対側へ。
駅反対側の乗り場です。閑散期の平日ですから発車は20分後。
改札は発車5分前からなのでしばらく待ちます。
ようやく改札。坂本ケーブルより勾配がキツい。
巻き上げ機が見えます。
発車しました。最前列にかぶりつき、ですれ違い点へ。
上下車両のすれ違い!
勾配票は、ほとんど消えかかっていますが、530‰(パーミル)と書かれています。
このあたりが最急勾配。
傾き1000分の530なので、arc_tan(530/1000)≒28度!
ケーブル八瀬駅に到着。次の便の乗客が見えます。
緑に囲まれた「ケーブル八瀬駅」
200mほど歩くと・・・、叡山電鉄八瀬駅へ。
ここからバスに乗れば、三千院で有名な大原の里まで30分くらい。
ホーム全体を包む鉄骨ドームが印象的な八瀬駅。
折り返しの出町柳行き700系が到着。
修学院車庫を通過(後ろで走り去る景色を見ています)
ノスタルジック塗装731号と、観光電車「きらら900」がチラ見!
終点、出町柳に到着。京都市電が廃止されたあと、出町柳駅は孤立したターミナルでした。
1989年京阪鴨東線 三条-出町柳間の地下線が開通し、京阪特急が出町柳へ直通。京阪グループとしてネットワークされ、乗客が倍増したとのこと。
自動改札ですが、一部、昔ながらの建物構造が残っています。
京阪電車出町柳駅。8000系特急に乗りたいところですが、次発なので・・・。
先発の3000系特急淀屋橋行きに乗車。
ちゃんと鳩マーク掲げています(^^)
三条から京都市営地下鉄東西線へ。
ここは以前、京阪電車京津線が三条通りから蹴上の路面を走っていました。地下鉄東西線建設に伴い、京津線の京都市内路面区間が廃止されました。
三条通りを走る600形 (Wikipediaから)
地下鉄東西線から京津線に直通するのはは、京阪所有の800系4両編成。蹴上の次、御陵(みささぎ)駅で東西線と分岐して、地上に上がります。
山科から浜大津までは昔ながらの逢坂山を超える区間。碓氷峠並みの61‰勾配もあります。
上栄町-浜大津の路面併用区間を走る800系。(Wikipediaから)
全長16.5m×4両編成の電車が路面を走る様子は、ひと頃の名古屋鉄道犬山線を彷彿とさせますねー。
急カーブを曲がって、石山坂本線に合流し、浜大津駅へ。
800系はここまで。折り返し線に回送されます。
石山坂本線に乗り換えます。やってきたのは元京津線用600形。
京津線地下化のあとは石山坂本線専用になりました。
結構な乗車率。
順に降車客が段落ちして減っていき、終点坂本比叡山口駅へ
向かいには、漫画「ちはやふる」イラストの電車が!?
700形でした。
ぐるっと、一周して戻ってきました。
梅雨の合間でしたが、独り楽しんで参りました。
ところで、邪念と煩悩は払えたのかどうか・・・。
f(^^)
_
イイね!0件
福岡クラシックカーミーティングエントリー受付中! カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/03/08 09:50:27 |
![]() |
第17回門司港ネオクラ 先行エントリー受付開始! カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/03/01 08:04:40 |
![]() |
来年のイベント開催予定 カテゴリ:その他(カテゴリ未設定) 2025/01/23 16:35:38 |
![]() |
![]() |
AE86LEVIN (トヨタ カローラレビン) *4年落ちのワンオーナー車を中古で手に入れて35年。 *2012年レストアを決行して内外 ... |
![]() |
クロスオーバー7 Ⅱ (スバル エクシーガ クロスオーバー7) 22万7323kmを走破したトラヴィックの後継車としてLEN吉家にやってきた初代LEN吉 ... |
![]() |
スズキ ジムニー 結果的に⁉ テリオスキッドの後継車となった日常の下駄車。 14万6172キロメートルを地 ... |
![]() |
ダイハツ テリオスキッド 2004年式 (2008年5月購入) 日常の足から娘の通勤車として活躍後、その任をジムニ ... |
2025年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2024年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2023年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2022年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2021年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2020年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2019年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2018年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2017年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2016年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2015年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2014年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
2013年 | |||||
01月 | 02月 | 03月 | 04月 | 05月 | 06月 |
07月 | 08月 | 09月 | 10月 | 11月 | 12月 |
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!