小坂鉱山から産出される銅、亜鉛、鉛の精鉱や、小坂精練が製造する濃硫酸を輸送していました。
旅客輸送は1984年廃止。
貨物輸送は2008年休止後、2009年に廃止。
2016年6月『小坂鉄道レールパーク』として再生。
旧小坂駅構内全体に、DD13などの機関車や、気動車、貨車が保存されています。
一部は動かせる状態として整備され、動態保存されています。
小坂鉄道レールパーク動態保存車両最大のハイライトが、
24系寝台客車『ブルートレインあけぼの』
2014年3月 上野-青森間の寝台特急「あけぼの」が定期運転を終了し、予定臨に格下げ。
2015年1月 臨時となった寝台特急「あけぼの」が最終運転となり、事実上廃止されました。
そして2015年10月小坂鉄道レールパークにオープンした、列車ホテル『ブルートレインあけぼの』。
電源車カニ24を含む24系寝台客車4両が、小坂鉄道レールパークに譲渡されました。
小坂鉄道保存車両の最大の特徴は、日本で唯一、動かせる24系客車で営業している列車ホテルであること。
(@_@)
小坂駅舎奥の駐車場です。24系24形寝台客車が、懐かしい姿で停車していました。
手前から、オハネフ24-12、オハネ24-555、スロネ24-551、カニ24-511の4両。
寝台特急『あけぼの』は、1970年7月上野-秋田間を奥羽本線経由で結ぶ臨時列車として運転を開始。その年の10月、運転区間を上野-青森間に延長して定期列車化されました。
当時の車両は、1958年寝台特急「あさかぜ」でデビューし走るホテルと言われた20系寝台客車。
しかし投入された20系は新車ではなく、寝台幅を70cmに拡大した24系が京都-長崎間「あかつき」に投入され、捻出された20系が「あけぼの」に転配されたもの。
20系の寝台幅は52cm。デビューから12年経過した当時としては、古く狭い印象が拭えませんでした。
『あけぼの』への24系投入は1980年。当時既に寝台車の主力は、サービス改善と合理化を両立させた2段式B寝台 24系25形となっていました。人気列車だった寝台特急『あけぼの』は定員を減らすことが難しかったため、3段式の24系のままでの転配でした。
1982年、急行「津軽」1往復を特急に格上げし増発された『あけぼの』にようやく2段式B寝台を投入。
その後、24系24形も2段式B寝台化改造が行われ、1983年に「あけぼの」用全編成の2段寝台化が完了しました。
24系寝台客車は1972年から製造。
前述のとおり、1958年当時としては画期的な冷暖房完備で「列車ホテル」とまで言われた20系寝台客車。
サービス電源を供給する専用の電源車を連結する集中電源方式のため、行先の異なる列車を連結する分割併合運転の場合には、付属編成のためにもう一両電源車を用意する必要がありました。またB寝台の寝台幅は、戦前から標準の52㎜。横になると寝返りも打てない大きさで、次第にその狭さが「サービス水準の低下」と指摘されるようになってきました。
これを解決したのが、1971年登場の14系寝台客車。
1970年の大阪万博輸送のため増備された12系客車をベースに、編成中数量の床下にディーゼル発電機を分散配置し、B寝台の幅を70cmに拡大。居住性は大幅に改善されました。
しかし、1972年急行「きたぐに」北陸トンネル火災事故が発生。火元は食堂車オシ17の石炭レンジとされているのですが、「ディーゼル発電機を寝台車の床下に配置する14系は防火対策上問題がある」とされ、14系の増備は中止。
そして、14系のサービス水準、車体構造はそのままに、20系と同じく専用電源車を連結した集中電源方式の24系が登場します。
24系はその後、2段式寝台の24系25形に発展。
初期登場のグループは24系24形として区別されます。
当時の外観上の特徴は、24系24形が青20号塗装に白帯、24系25形が青20号塗装にステンレス切抜き帯でした。
その後のアコモデーション改造で金帯車が登場し、この区別の意味が薄らいでいきます。
小坂の保存車両は寒地向け、アコモ改造車なので金帯です。
左がオハネ24-555、右がオハネフ24-12の連結部。
「ブルートレインあけぼの」なのに、列車名が「北斗星」となっているのは誤りではなく、青森車両センター所属のオハネフ24-12は上野-札幌間寝台特急「北斗星」にも運用され、方向幕には「北斗星」の行先も準備されているのでした。
さて14系寝台客車は、「さくら」、「みずほ」や、「あかつき」、「明星」、「彗星」など、長崎・佐世保行、長崎・熊本行、などの分割併合運転の需要も根強いため、エンジンの防火防炎対策や、火災時の自動消火装置を装備して引き続き使用されました。
のちに、25形に倣い、当初から2段B寝台の14系15形も登場します。
JRになってから、14系、24系の全車2段寝台化改造に加え個室寝台車化も進み、14系と24系(25形含む)の連結改造も行われるなど、ソフト、ハードともに複雑な改造がされていきます。
個室B寝台「ソロ」のオハネ24-555。オハネ24-42から改造。
B寝台車ですが、線路に平行な向きに配置した2段ベッドは、上下段で完全に仕切られ、プライベート空間を確保した個室、となっています。
2階室の窓が屋根まで回り込んでいるのが特徴的です。
今夜「乗車」する、個室A寝台スロネ24-551、シングルDXです。オロネ24-1から改造。
こちらは、廊下側。元車オロネ24の窓配置が残ります。
(上段用補助窓は埋められています。)
電源車カニ24-511です。
4両の車両番号が500番台なのは、酷寒地向け改造車であることを示します。
動くことができるカニ24はもちろんここだけ。
LEN吉LEVINから24系を見る、夢のような非現実的ショット。
カニ24-511とAE86LEN吉LEVINを並べてみます。
シングルDX スロネ24-551の宿泊乗車は、「小坂レールパーク」が閉館する17:00から。
まだ時間があるので「小坂レールパーク」を見学します。
1960年-70年代の、小坂駅時刻表が掲げられていました。
国鉄奥羽本線の乗換駅は大館です。
岱野は大館の手前の駅。花岡は、大館から先に延びていた花岡線花岡鉱山の終着駅。
急行「千秋」「みちのく」や急行「しらゆき」「きたぐに」、特急「日本海」、特急「白鳥」の列車名が懐かしい…。
小坂鉄道11号蒸気機関車と貴賓客車。線路幅が762㎜の時代の車両。
本日乗車する24系の編成端、緩急B寝台車オハネフ24-12。
「小坂レールパーク」の見学時間帯は、自由に立ち入ることができます。
「ブルートレインあけぼの」列車ホテルのときは、宿泊はできませんが、車内で飲食もできる休憩スペースになっています。
「ブルートレインあけぼの」構内運転のとき、24系を牽引、推進します。
駅舎横の踏切から小坂駅構内を望む。
DD13は全部で4両。
小坂鉄道のDD13は、国鉄DD13を基本に作られていますが、国鉄DD13は入替え作業の効率化のため運転台が運転室中央横向きになっているのに対し、小坂鉄道のDD13は、本線運転が主な任務のため運転台はDD51のように第1エンドと第2エンドそれぞれに、進行方向に向いた運転台が設置されています。
国鉄DD13より、少し角ばった車体。
ラッセル車キ100形キ115。貨車扱いの除雪車として動くことのできる数少ない車両。
青森の弘南鉄道では、降雪期、電気機関車に押されるキ100形キ104が今も現役の除雪車として活躍しています。
小坂線廃線後、パナソニックがEVOLTA単一乾電池99本で電車を走らせるイベント『EVOLTA電池・廃線1日復活チャレンジ』を開催した際に走らせた乾電池式電車。大館側のやく8kmで実験が行われ、予定区間を完走!
EVOLTA号は、由利高原鉄道鳥海山ろく線でも実験が行われています。
濃硫酸輸送のタンク車タキに差し込まれていた列車票。
京葉線・越中島貨物線越中島まで運転されていたのですね。
小坂駅構内を奥に進みます。
構内を走るモーターカーTMC200形とトロッコ客車。
構内300mを「自力で」走る「レールバイク」に乗ってみます。
TMC200形と、旅客用気動車キハ2100。
キハ2100は2両ありますが、なぜか保存車両リストに載っていません。
キハ2100、車体の痛みが目立ちます。このまま朽ちていくのを待つだけなのか…。
バラスト散布用ホッパ車、ホキ909。
こちらは再整備を受け美しく復元されました。今年4月にお披露目会も実施。
300mを足でこぐのは、意外と距離があります。
鉄製有蓋緩急車、ワフ28000。
濃硫酸のタンクが残っています。
折り返し点近くに、もう一両のキハ2100。
日本車両製の私鉄気動車です。弘南鉄道黒石線でも同型車が運用されたことがあります。
何とか再整備できないものでしょうか。
折り返します。
24系「ブルートレインあけぼの」が見渡せます。
カニ24のある風景がイイですね(^^)
カニ24-511の側面。ディーゼルエンジンDMF15G-Zと発電機DM109を搭載。
酷寒地向け改造も施されています。
A個室寝台スロネ24-551の客室側です。全部で11室あります。
閉館間近の「小坂レールパーク」。閉館後は、宿泊客だけが出入りできます。
大館方の腕木式信号機。
今にも列車が向こうからやってきそうな雰囲気。
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