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2019年02月20日

【ぶらり、テツ旅】 「えちてつ物語」を走る『国鉄型』 と仲間たち 

【ぶらり、テツ旅】 「えちてつ物語」を走る『国鉄型』 と仲間たち 


福井県を走る、第三セクター鉄道の

『えちぜん鉄道』。





京阪グループ『京福電気鉄道福井支社』の路線を引き継ぎ、福井-勝山間27.8kmの勝山永平寺線と、福井口-三国港間25.2kmの2路線を運行しています。
全線単線、軌間1067㎜、架線電圧は直流600V。

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乗り鉄したのは、2018年12月15日土曜日の朝。 

前夜は、会社の忘年会で芦原温泉にお泊り宴会。
帰りは、同僚のクルマの相乗りを丁重に辞退して、えちぜん鉄道『あわら湯のまち駅』から三国芦原線に乗車します。せっかくなので、すぐに福井には向かわず、一旦終着の三国港(みくにみなと)駅を目指します。


三国港行の下り電車がやってきました。
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えちぜん鉄道Mc7000形、2両編成。
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室内は、背もたれが直角なクロスシートとロングシートが並ぶ、どこか懐かしい雰囲気…!
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4駅目が終着の『三国港駅』です。
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ここは、国鉄金津駅(今の芦原温泉駅)から延びていた、国鉄三国線の終着駅。

国鉄三国線は廃止されましたが、京福電気鉄道福井支社が芦原(あわら湯のまち)-三国港間を譲り受け、電化してて延伸開業しました。

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行き止まりの線路が郷愁を誘う…。

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えちぜん鉄道Mc7000形。

両開き3扉のこの電車。えちてつでは、2両編成より長くつなぐことは無いので、正面貫通扉に幌座がありません。
上部中央の前照灯と尾灯はLEDになり、前面は今風なマスクになっていますが・・・。

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元を糺せば、国鉄が製造しJR東海に承継された『119系近郊型電車』なのでした。

台車は国鉄式コイルバネDT21のままですが、駆動と制御は交流同期モータのVVVF制御に換装されています。


119系が登場したのは1982年。国鉄が慢性赤字にあえいでいた頃・・・。
119系は主に飯田線で使用されましたが、「するがシャトル」として静岡都市圏の東海道本線で運行されたことも!?

JR東海塗装の119系。(Wikipediaから)
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両開き3扉、裾絞りなしの車体と正面デザインは、国鉄が地方路線用に開発した105系電車に類似しています。

その後、JR東日本が165系の足回りに新製車体を組み合わせて製造した107系は、似たデザインですが、側窓が大型1枚窓になっていました。(Wikipediaから)

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105系の座席はロングシートなので、車両形式2桁目が「0」の通勤型であるのに対し、セミクロスシートを採用した119系は、形式2桁目が近郊型を表す「1」になっています。


これらローカル線向け新造車や改造車は、短編成化して車両運用を合理化するため、制御系は国鉄が得意としていた2両一組のMM’ユニット方式をやめて、1M方式を採用。


水色に白ラインの塗装は、1982年国鉄119系登場時のスタイル。(Wikipediaから)
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話を戻して…、三国港駅です。

折り返し、福井行の発車時刻が近づきました。
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駅に戻ってMc7000形に乗り込みます。
ドア上部の路線図には「えちぜん鉄道」の全駅を表示。

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三国港駅を発車すると、レンガ積みの跨線橋をくぐります。
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のどかな単線を走って芦原温泉街方向へ。次は、初めに乗車した「あわら湯のまち駅」です。
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いかにも「国鉄然」とした直角シートですが、モケットは「えちぜん鉄道」のEマーク入りに交換されています。
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「あわら湯のまち駅」を発車。(列車後部から)
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「大関駅」で、京福電鉄から引き継いだMc5000 形5001とすれ違い。

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Mc5000形は、京福電鉄福井支社が増備した電車。2両作られたものの、5002形は京福電鉄福井支社が運行停止命令を受け第三セクター化するきっかけとなった、京福電鉄正面衝突事故で廃車に。
残った5001形1両がえちぜん鉄道に引き継がれ、現在も使用されています。

車体は新造、台車、モータ、冷房装置は、豊橋鉄道1900形の機器を流用。

台車はコイルバネのDT21です。(Wikipediaから)
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「鷲塚針原駅」で、福井鉄道乗り入れ直通急行用のL形、通称「キーボ」に遭遇。

福井鉄道との相互直通には、路面電車対応の低床車が使用されるため、鷲塚針原-田原町間の駅には、高床ホームと低床ホームが併設されています。

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L形「キーボ」は2両連接の、新潟トランシス製のLRV(Light Rail Vehicle)。

富山ライトレール、熊本電鉄熊本市内線、万葉線、岡山電軌そして福井鉄道に兄弟車があります。

これは、えちぜん鉄道福井口車庫に滞留中のL形。

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その福井鉄道が所有する相互直通急行用乗り入れ車両は、新潟トランシス製最大の3車体連接F1000形。相互直通ですが、乗入れする車両の規格は両社で統一されていないのでした。
こうした例は珍しいのですが、ほかには阪神なんば線があります。阪神なんば線は、近鉄が20m級4扉車、阪神が18m級3扉車で相互乗り入れをしています。

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福井鉄道との接続駅『田原町』駅に到着。

列車後部から見えるポイントが、えちぜん鉄道と福井鉄道の接続部です。

左は、福井鉄道880形。

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田原町駅に停車。隣の福井鉄道ホームには、元名鉄美濃町線用モ880形を譲渡された880形が停車中。

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名鉄美濃町線時代のモ880形 (Wikipediaから)

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えちぜん鉄道の車庫がある「福井口駅」。向かいは、Mc7000形の勝山行。

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終点『福井駅』に到着。

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隣は、Mc6100形の三国港行。

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えちぜん鉄道Mc6000形、Mc6100形は、元愛知環状鉄道の100形と300形。

愛知環状鉄道が、JR東海313系と共通設計の2000形を導入したことで、余剰となった片運転台の100形と両運転台の300形を無償で譲り受け、片運転台の100形は両運転台に改造されました。

えちぜん鉄道では、単行または2両編成で使用され、貫通扉には幌座と貫通幌が装備されています。

また、制御方式は抵抗制御ですが、ボルスタレスのエアサス台車を履いています。
メカ的にMc7000形と対照的なのが面白い。

(Wikipediaから)

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えちぜん鉄道には、京福電鉄から引き継いだ元阪神電鉄の車両もありました。

これは、並行カルダン駆動のMc2200形。(Wikipediaから)


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元は阪神電鉄赤胴車3301形。両運転台なので武庫川支線で運用されていました。

阪神は標準軌1435㎜なので、台車は京福入線時に国鉄型DT21に換装されています。

(Wikipediaから)

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釣り掛け駆動、片運転台2両編成のMc2100形。(Wikipediaから)

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元は、阪神普通列車用青胴車、通称「ジェットカー」の5231形。

これは阪神5231形の後継車5260形。(Wikipediaから)
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えちぜん鉄道、福井口-福井間は、北陸新幹線工事の一環として、昨年新設高架区間として開業。

それまでは、先に出来上がっていた北陸新幹線用高架橋を借用して、暫定高架区間で運行していました。

新幹線開業前に列車を走らせた例としては、過去にも、阪急電鉄京都線が、開業前の東海道新幹線高架区間を間借りして、上牧-大山崎間の高架化工事をしたことが挙げられます。

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えちぜん鉄道福井駅です。

左は、高架橋のみ先に出来上がり、えちてつが間借りしていた、北陸新幹線の高架橋。

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昨年11月、タレント横澤夏子が主演し、えちてつアテンダントの業務を描く「えちてつ物語」が公開され、11月18日に観てきました。

夢破れ、故郷に戻った主人公が、えちてつのアテンダントとなり成長する姿を描いたストーリーですが…。この手の映画やドラマにありがちの、いかにも地元の観光案内を、といった演出が目立ったのが残念。

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その点、偶然にも、ほぼ同じ時期に公開された、
有村架純主演『かぞくいろ -RAILWAYS 私たちの出発-』
は、シリーズに共通する、風光明媚な沿線風景を描くも、観光地やご当地モノをクローズアップすることもない、自然な演出に好感が持てました。


舞台は南九州の第三セクター『肥薩おれんじ鉄道』。 

まあ、シングルマザー役の有村架純が鉄道の運転士を目指し、気動車を運転すること自体、結構唐突でハチャメチャな展開ではありますが。
あっ、ストーリーは辛辣で真面目でしたよ。じわっと、ほんわかと、させられる内容でした。
会社サボって見に行っただけの価値あり・・・。

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シリーズ前作は2012年公開、富山地方鉄道が舞台の、
『RAYLWAYS2 - 愛を伝えられない大人たちへ-』
これも、良かったな~。



こうして、ローカル鉄道に関心が集まるのは、いいことではあります。
f(^_^)




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ブログ一覧 | 鉄学 | 日記
Posted at 2019/02/20 06:49:34

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この記事へのコメント

2019年2月20日 12:06
お疲れ様です。地下鉄に乗ってみると
ほとんどの人がスマホをいじってて
他の皆さんは寝ているか読書・・
キョロキョロしてる人は私だけ?
不思議な空間に戸惑います(^^ゞ
コメントへの返答
2019年2月20日 12:51
仙台市地下鉄南北線は、小生学生の頃の1987年開業。1000形電車は30年選手なのですね。その後、仙石線も地下化され、東西線も加わり、仙台都市交通も相当変貌した、という印象です。
私は電車に乗ると落ち着かず、寝ている暇もありません。
<(^^;)
2019年2月20日 14:26
終点の三国港駅は趣のある駅舎ですね〜。
北陸新幹線高架を間借りしていた福井から田原町駅までLEN吉さんと乗り鉄したのが懐かしいです(^.^)。
言われてみれば高校時代に宇部線で乗っていた105系に似ている印象がありました(^^)。
コメントへの返答
2019年2月20日 16:37
国鉄時代はガソリンカー改造のキハ41000形が単行で走る非電化路線だったそうです。
もう3年近く前の福井クラミー前日、懐かしいですねー。あのときもMc7000形に乗ってますね。
先月、長府につく前、末期色の105系を見ました。
f(^_^)
2019年2月20日 14:32
こんにちは。
 この119系の顔のデザインは、80年代初頭に当時の国鉄が投入した105系を嚆矢として、更新車両の定番となったような記憶があります。正面窓回りの黒い処理(ジンカート処理でしたっけ?)も201系以降、一時拘っていたように思います。これらの現存車両、良く考えると本来のオリジナルの状態の期間より、更新改造後の寿命の方が長いという主脚転倒の現象が見られるのも、581(583)系→419系&715系のケースともどもなんとも皮肉と言いますか複雑な気がします。当該線区の営業状態から新車投入は、侭ならず、かといって新たに別途更新投入するにも適切なベース車両が無いという実体もあるのかと推察しています。
 脱線しますが、三国港という響き、スカイブルーのクハ79920を思いだすとともに、高校時代の夏休みに読んだ松本清張の赤毛布の男の小説の印象があまりに強く、『家紋』という題名忘れていたのに赤毛布(実際は青ゲットとかいうらしいですが)という言葉のおどろおどろしい記憶が今でもPTSDのようになってます。清張氏もなんとも罪なことをしたものです。(笑)
コメントへの返答
2019年2月20日 21:57
こんばんは(^^)/
そうですねー。国鉄末期に登場の貫通顔。この顔で新車で投入されたのは、105系、119系と福岡市交地下鉄直通の筑肥線103系1500番台があります。
更新車は、103系改造105系(4扉のグループ)や107系がありますねー。ジンカート処理!? そうです、ジンク・アート処理、略してジンカート。201系で採用され、窓回りのブラックアウトに使われました。今では当たり前の「スケルトンバス」が登場すると、従来のモノコックボディの窓枠をブラック処理して連窓風にしたバスもありましたねー。
581, 583改造の715系は、東北と九州に投入されましたが10年そこそこで姿を消したのに対し、JR西日本の419系は20年以上使われました。寝台電車時代が17, 8年くらいでしたから、まさに主客転倒!
419系だけは2M1Tの3連でしたから、北陸では使いやすかったのでしょう。
スカイブルーのクハ72 920+クモハ73全金車は富山港線です。仙石線の103系の車体を載せた72系970番台や80系300番台とともに、最も近代化された旧国ですね。
松本清張の「家紋」・・・、ドラマ化されて物議を醸し出し再販禁止になったとか。私は読んだことはないのですが・・・。
f(^_^)
2019年2月20日 20:58
ボックスシートとロングシートの組み合わせが113系の車内にしか見えません(^_^;)

国鉄らしさ満載ですね(*^_^*)
コメントへの返答
2019年2月20日 22:10
えちぜん鉄道Mc7000形、制御系と前面は一新されましたが、室内はほぼ原型を保っています。
401系421系交直流近郊形から始まる両開き3扉セミクロスシート車。私鉄では、伊豆箱根鉄道3000系が採用してますねー。
(^^)b
2019年2月21日 12:09
こんにちは、あわら温泉といえば以前観光で立ち寄りましたが「ちはやふる」という漫画、映画のロケ地と言って家族が写真撮りまくっていました。宿まで乗ったタクシーの運転手さんが「あの道は昔線路があったんだよ」と話してくれたのも印象的でした。
コメントへの返答
2019年2月21日 16:11
こんにちは(^^)
芦原温泉駅や芦原温泉の周辺もロケに登場したようですねー。
えちぜん鉄道の「あわら湯のまち駅」から福井方向に進むと東向きから南向きに曲がるのですが、国鉄三国線は曲がらずに金津へ向かっていたそうです。
2019年2月23日 8:55
仕事で福井~勝山間を2度ほど利用したことがあります。終点の勝山駅は市街地とは反対側のしかも大きな橋を渡った川向こうにあり、なんでこんな不便なとこに駅を作るんだろうと不思議に思いました。
しかもタクシーも電話しないと来ない(笑)
電話番号は市外局番書いてなくて携帯電話からかけられない(笑)

若い女性の車掌さんが全線乗車されてましたが、お客さんは少なくて、大丈夫なんだろうかと心配になりました。でも、老人が乗って来る度に顔見知りなのか車掌さんと会話が弾むのがほのぼのしてて良いなぁと思いました。
こんな風景がいつまでも残ってるといいなと思います。
コメントへの返答
2019年2月23日 10:29
元々、勝山から先、越前大野まで路線が延びていましたが1974年廃止。永平寺線もえちぜん鉄道発足の2003年に廃止され、今の姿に。集落の少ない九頭竜川左岸に路線があるため、勝山駅も市街地と離れています。フイーダーバスはあるのですが・・・。
アテンダントは「えちてつらしいサービスを」として始められ定着しました。客室乗務員なのでドア扱いは運転士が行います。映画の原作は、初代アテンダントの嶋田郁実著「ローカル線ガールズ」。
人と人とのふれあいを大切にしたい「えちてつ」には、切符の自動販売機はなく窓口かアテンダントからの対面販売です。また、少しずつですが福井鉄道との相互乗り入れも寄与して乗客は増えているようです。
今、Nos2daysの会場に居られるのですねー。
今年は諸般の事情により(?)、行くのは断念しました。皆さんによろしくお伝えください。
(^^)/


プロフィール

「@よころっく さん、ありがとうございます。久しぶりにお会いできて良かったです。泉大津に上陸後、無事帰還いたしました。
(^^)/」
何シテル?   05/19 23:33
柴犬のLEN吉、本名「レン」永遠の12才です。 クルマでお出かけするのが大好き。 イベントで見掛けたら、声を掛けてください。 (^^)/
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