8月1日(木)、今日から8月。
サンライズエクスプレスを堪能し、
横浜から京急線でビューン!
上大岡までは1000形急行の先頭かぶりつき。
上大岡で奇跡的な、京急黄色、赤色、青色のコラボレーションに感動して、
金沢文庫でBLUE SKY TRAIN 2100形快特_久里浜行を降車します。
橋上駅の改札を抜けて…。
今日の目的地を確認…!?
京急金沢検車区の向かい側、金沢八景駅からの引き込み線がつながる広大な敷地のココ。
『(株)総合車両製作所』、通称 J-TRECです。
金沢文庫駅東口に出ました。
今日の最高気温予想は37℃とのこと!?
暴力的な日差しが…。
京急3色揃い踏みを見たあと、今度は黄色い電動貨車デトがやってきました。
\(^o^)/
京急金沢検車区の電留線には、1000形2編成が停車中。
ステンレス車体塗装車(左)とステンレス車体ラッピング車(右)。
1000形20・21次車1890番台、愛称は『Le Ciel』。
総合車両製作所の新世代ステンレスカーブランド『sustina』プラットフォームを初採用。車内はクロスとロングシート可変となる1000型初のデュアルシート。
今日の出張目的にふさわしい車両が、目前で間近に見られました。
はい、「何シテル」でもアップしましたが、今日の出張目的は?
☞今日の出張目的はこれ!?
日本機械学会 技術と社会部門企画、
『機械の日』記念 J-TREC横浜事業所見学会。
機械学会主催の見学会は以前にも参加しました。
2016年6月、金沢開通1年後の北陸新幹線、JR西日本『白山総合車両所』に訪れています。
☞北陸新幹線 『白山総合車両所 見学会』 に行ってきた!
今回は、
☞J-TRECで保存されている東急5200系デハ5201形と、7000系デハ7052形が『機械遺産』に認定された、
のを機に、『ステンレス製鉄道車両の歴史に触れる企画!』ということで、元東急車両製造のJ-TREC横浜事業所で見学会を開くことになった、とのこと。
これは、もう、行くしかないっ⁉ という訳ですぐに申込み。
ここで、J-TREC とは?
☞株式会社 総合車両製作所(J-TREC)
横浜事業所はステンレスカー製作で知られた、元東急車両製造。
「JR東日本新津車両製作所」と「東急車両製造」が合併し、JR東日本グループ子会社の『総合車両製作所』として再編された鉄道車両製造会社です。
受付を済ませ、まずは講演会場へ。
見学に関する諸注意も伝達されます。
あー、基本的に工場敷地内は撮影禁止。
また、この日見聞きしたこと、具体的には製造ラインで製作中の車両やユーザに関する情報は一切口外しないでくださいとのこと。
守秘義務は守らなければなりません。
会社紹介(説明とプロモーションビデオ)のあと、
「オールステンレス車両60年の歩み」と題して、
お二方から講演がありました。
ステンレスカーの技術と歴史、世代の変遷を解りやすく解説いただきました。
ステンレスは機械加工性が悪く溶接ひずみも出やすいため、初期のステンレス車は平面を保つためにわざとコルゲーションとよばれる何本もの溝加工をするのが普通でした。
コンピュータの発達で、機械強度の数値計算が細密化できたことから、面加工では何本ものコルゲーションから数本のリブ加工になり、現在では裏側から自動スポット溶接することで、表面の平滑度をアルミニウム車体並みにすることが可能になっています。
同時にアルミ車体並みの軽量化も達成している、というのが現代のステンレス車体の特徴、ということでした。
さて講演後は質疑応答、ということで、LEN吉のいじわる質問の虫がムクムクと…。いくつか質問してしまいました。
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【LEN吉の質問①】
国産ステンレス製鉄道車両は、東急5200系が1958年登場なのに対し、国鉄が1953年以降、当時の関門トンネル用のEF10形電気機関車のうち、24・27・35・37・41の5両を塩害対策として外板をステンレス鋼鈑とした方が先なのでは?
また国鉄EF10と東急車両製造との関係は?
【講演者のご回答①】
→東急5200系より国鉄EF10形電気機関車のステンレス仕様の方が早いのは事実。「今後は『東急5200系は日本最初のステンレス製電車』と呼ぶこととします。」とのこと。
また、国鉄EF10形と東急5200系には直接の関係はなく、それぞれ独自に開発をすすめた。とのこと。
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【LEN吉の質問②】
ステンレス車体でも先頭部は加工性の違いから鋼製やFRP製とした車両も多いが、異材質接合に伴う電蝕問題は生じないのか?
【講演者のご回答②】
接合は接着材による場合もあり必ずしも電蝕が起きることはない。基本的には鋼製部分でも塗装で耐食性を保つことができる。
→これは、今となってはあまり問題にならないようです。
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【LEN吉の質問③】
先ごろJR東日本とJR西日本が技術協力して、車両部品の共通化などコスト削減を 狙う、と発表があったが、各グループ車両製造会社間での技術協力の動きはあるのか?
【講演者のご回答③】
鉄道会社間の技術協力について発表されたのみで、まだ具体的な動きと呼べるものはない。
基本的には今後の鉄道会社の方針に従い、共通設計などできるところから順に進められていくと思われる。
一つ一つ丁寧に回答していただきました。
国鉄EF10がステンレス車体で先行していた話に触れると、ちょっと、
「あっ、しまったな…」
という感じでしたね…。
もう少し云うと、5200系の作られた1958年、ほぼ同時期に国鉄ではステンレスカーの実用的先行試作車サロ153-900が登場しています。これも『電車』ですから日本初!? は、ほぼ同時期ということに。
この件は突っ込みませんでしたが…。
さあ、いよいよ工場見学です。
【見学順路】
①車体部品加工 ②レーザ溶接 ③構体組立 ④艤装 ⑤塗装工場
⑥配線・配管 ⑦機器吊り ⑧内装 ⑨台車入れ ⑩台車工場
⑪機械工場 ⑫検査 ⑬試走線
車両組み立てのほぼ全容を見せていただきました。
工程は、アルミ車もステンレス車も混流で作られる、とのことです。
撮影禁止なので、画像をお見せできないのが残念です。
もうすぐ走り始める「あんな車両」や「こんな車両」が次第に形になって完成していく様子がよくわかりました。
\(^^)/
さて、工場内の車両製作の場面は撮影禁止でしたが、今回機械遺産に認定され保存されているデハ5201とデハ7052は撮っても良い、ということでしたので、ここは撮影してきました。
日本初のステンレス車体の電車、東急5200系。
【以下Wikipediaから】
1986年(昭和61年)に上田電鉄別所線(当時は上田交通)の架線電圧1500V昇圧に伴って5000系とともに東急電鉄から上田電鉄に譲渡。
1993年(平成5年)、同じく東急から譲渡された7200系への一斉置き換えに伴い、5200系は営業運転を終了。
デハ5201号は東急に返還され、長津田検車区に保存されていたが、その後東急車輛製造横浜製作所(現・総合車両製作所横浜事業所)の構内で保存され、「東急車輛産業遺産制度」の第1号として永久保存されることが決定した。
ここでは、2009年8月に同遺産に指定された東急7000系デハ7052号と背中合わせで保存されている。
なお、この2両は2010年5月15日に産業考古学会(JIAS)から推薦産業遺産の認定を受けているほか、2012年8月7日に日本機械学会から機械遺産第51号(2012年度認定分の一つ)の認定を受けた。
銘板です。
加工性の問題から、デハ5000系のような張殻構造にはできず、裾絞りはなし。
スキンステンレスカーと呼ばれる所以です。
往時の手差し式ヘッドサインが楽しいです。
こちらは、アメリカバッド社のライセンスを受けて製作された7000系では7052号。
7000系は今でも弘南電鉄や北陸鉄道などで現役車両として運転されています。
18m級3扉の小柄な車体は地方鉄道で使いやすく、錆びない車体も相まって、譲渡が進んだのでした。この耐久性と信頼性の高さもデハ7000系の優秀さを物語っています。
(Wikipediaから総合車両製作所のニュース)
長野電鉄に譲渡されていた東急5000系が里帰り
モハ2510-クハ2560のみは解体を免れ、1998年から長野県須坂市の長野県道58号長野須坂インター線沿いで営業していた飲食店「トレインギャラリーNAGANO」敷地内に留置されていた。
閉店後の2022年4月19日、同車の製造会社東急車輛製造を源流とする総合車両製作所がこのうちモハ2510(東急時代車号デハ5015)を取得、横浜事業所内で復原保存すると発表した。
同車両は2022年5月24日に丸池海運によってトレインギャラリーNAGANO跡を出発し総合車両製作所横浜事業所へ陸送された。
*横浜事業所内では復元作業中のデハ5015を見ることができました。
*日本最初のステンレス電車デハ5200系は、このデハ5000系をベースに設計されました。
(左は原型に近い熊本電鉄譲渡車で動態保存中の5000形で通称「青ガエル」、右は長野電鉄に譲渡され塗装変更されて「赤ガエル」と呼ばれたモハ2510-クハ2560)

(株)総合車両製作所横浜事業所の正門付近です。
特徴的なのは、京急逗子線金沢八景駅方向に向かって繋がっている引き込み線は、軌間が京急と同じ標準軌の1435㎜と、JRや東急と同じ狭軌の1067㎜の三線軌条となっていること。
この車両回送線は、金沢八景駅からさらに神武寺駅へとつながっていて、JRなど狭軌鉄道向け新製車両の納入、改造車両などの入出場のために横浜事業所からJR逗子駅までの搬出入(回送)線を併設した三線軌条区間となっています。
見学会が終了。帰りは、金沢八景駅まで歩いてみます。
京急逗子線上り線のみ、三線軌条となっている様子がわかります。
金沢八景駅に到着。
三線軌条はさらに神武寺駅方向へ伸びています。
さて、ここから再び京急線で帰路につきます。
金沢八景から、1000形羽田空港行き急行に乗車。
早速、最前列でかぶりつき。三線軌条区間からの発車です。
南太田で退避する普通を見ながら通過線を進みます。
京急鎌田に到着。 スイッチバックして空港線に入るため2階4番線に入線。
右手前に曲がる線路が空港線下り。
折り返して空港線に入りました。3階の上り線が合流します。
羽田空港に到着。
今回も、ワンワールドのマイレージが余っていたので、日本航空小松便に乗ることにしました。国際線での行き来でマイレージが溜まり様々(サマサマ)ですが、有効期限があるので早く使ってしまいたいこともあり…。
搭乗するのは、羽田小松線の最終、20:45発JL193便。
8月1日、夏休みに入った後の羽田空港です。
家族連れが目立つもののこの時間帯になると落ち着いています。
手荷物検査場を抜けて、17番ゲートへ。
いつもながら、地方空港路線は延々歩かされる訳ですが…。
17番ゲート前です。
搭乗まで時間があったので、我慢できずに缶ビールを…!?
JL193便、Lift Off しました。
東京ディズニーリゾート上空を見ながら上昇中。
房総半島手前で旋回して、北陸に向かって西北西へ。
ドリンクの機内サービスです。
おっと、この便もJTA(日本トランスオーシャン航空)が受け持ちのよう。
実質フライト時間45分ほどで、小松空港に着陸。
機材はB737-800
「沖縄美ら海水族館」とのコラボレーション、ジンベイジェットでした。
☞ジンベイジェットとは
JL193便、小松定刻21:45到着。
この時間、福井駅方面の空港バスは無いので、路線バスでIRいしかわ鉄道線 小松駅に向かいます。
新幹線「つるぎ」に乗っても結局福井から乗るハピライン線電車は同じなので、IRいしかわ鉄道線へ。
ハピライン線直通の福井行です。
北陸本線を引き継いだ北陸三県の第三セクター線は、いずれも521系を主力車両としています。
521系はJR西日本から譲渡された車両が多いのですが、「IRいしかわ鉄道線」と「あいの風とやま鉄道線」には自社発注車もあります。
福井に到着。
残念ながら同一ホーム乗り換えではなく、これから乗るハピライン線敦賀行は隣のホームに停車中なので階段で移動。
長くも楽しい一日が終了。
後日、機械学会事務局から記念写真が送られてきました。
8月15日付「交通新聞」にも掲載されました。
(日本機械学会事務局提供)
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鉄学 | 日記
Posted at
2024/08/24 05:40:34