1月中旬、
私にとっては衝撃的なニュースがネットから飛び込んできました…!?
『鉄道ジャーナル』誌が、2025年6月号(2025年年4月21日発売)を区切りに休刊する、と発表⁉
3月号発売前にリークしたらしいとのことですが…。

にわかには信じ難いのですが…。
1月21日『鉄道ジャーナル2025年3月号』の発売日。
早速、書店にて購入して…、
表紙をめくると⁉
裏表紙1面ぶち抜きでお知らせページが!
先月12月発刊の、2025年2月号で通巻700号を数えた矢先でした。
その次の通巻701号3月号での「休刊のお知らせ」…。
これによると、4月21日発売の2025年6月号を最後に休刊する、とあります。
通巻704号が取り敢えずの(?)最後の号となります。
流行りのWeb版移行はありません。事実上の廃刊ということか…。
『鉄道ジャーナル』誌は、”鉄道総合誌” を標榜して1967年に創刊。
当初は不定期発行でしたが程なく月刊誌に。
単なる鉄道趣味誌に留まらず、車両や路線、運行や信号制御の技術解説から、都市圏および地方と鉄道とのかかわりを多面的に捉え、海外やバスの記事も交えて、『鉄道の将来を考える、社会派、総合、専門誌』として、他の鉄道雑誌とは一線を画した立ち位置の編集方針が特徴的でした。
鉄道雑誌と云えば、『鉄道ジャーナル』『鉄道ファン』そして『鉄道ピクトリアル』、これに鉄道雑誌で最も古いと云われる『鉄道模型趣味』誌を加えた四誌が鉄道雑誌の老舗主力誌。
近年、鉄道趣味がそこそこ認知され、色々な鉄道雑誌が刊行されるようになりました。しかし、スマートホンやネット環境の普及に伴い、Web版の鉄道サイトやニュースも数多く表れ、印刷された本離れも進んで、鉄道雑誌界は読者の伸び悩みどころか、購読者の減少に悩まされていきます。
3月号の目次です。
毎号、特集テーマを決めて、現場主義を有言実行する取材に基づいた記事が掲載。
コロナ禍を挟み、最近では以前に掲載されたリバイバル記事も目立つようにはなっていました。
『鉄道ジャーナル』記事のもう一つの特色だった、『列車追跡シリーズ』。
実際の列車に乗車し、車内の乗客の様子、流れる景色、停車する駅やすれ違う列車など、臨場感あふれる描写で、読者も一緒に乗って旅しているかのような気分になりました。
最盛期には、国鉄本社の許可を取ったうえでの、営業列車運転室添乗など、セキュリティやコンプライアンスでガッチガチな現代では実現困難と思われる、踏み込んだ取材と記事もありました。
運転台では信号の指差歓呼を一緒に行うなど、現場の緊張感も伝わってきました。
これは。2025年3月号に掲載されている「列車追跡シリーズ」のリバイバル記事。
時は2012年4月、いよいよ全廃が迫る寝台特急のなかで日本海縦貫線を走り抜ける特急「日本海」に大阪から青森まで乗車したレポートです。
「列車追跡シリーズ」には旅行作家 宮脇俊三氏も寄稿していました。
また連載記事では、旅行作家 壇上莞爾氏のエッセー「桐と動輪」、レイルウェイライター 種村直樹氏の評論 「レイルウェイレビュー」など、一流の鉄道ライターによる鉄道絡みの読み応えある記事も魅力的でした。
ほかにも、東京大学名誉教授で工学院大学教授も歴任した鉄道工学者 曽根悟氏や、国鉄技師の齋藤雅男氏、国鉄旅客局長からJR東海初代社長となった須田寛氏も車両から運転技術、経営方針にも踏み込んだ寄稿があり、まさに専門情報誌を標榜するだけのボリュームはありました。
須田氏に至っては読者投稿欄「タブレット」で国鉄やJR東海を代表して回答するなど、読者と正面から向き合う姿勢も好感が持てました。
これらの企画構成とそこに集まる顔ぶれは、前編集長 竹島紀元氏の人脈に寄るところが大きいのでしょう。
編集長が竹島氏から現在の宮原正和氏に変わってから約10年。
基本方針は引き継がれていましたが、世の中の情勢変化から鉄道会社の協力を得ての車内取材が難しいとか、プライバシーの問題で、以前よりもドラマティックな描写が難しくなるなど、実際の取材の中でポリシーをいかに堅持するか模索している雰囲気が伺えました。
特に、緊急事態宣言が発布されたコロナ禍の2020年から2021年にかけて、日本独特の”自主規制”という枠組みの中ではあるものの、大手を振っての取材活動もままならず、苦しい紙面構成が続いていました。
鉄道ジャーナルの鉄道旅記事から分離した姉妹誌『旅と鉄道』は、先に一旦休刊になったものの、のちに元編集者が新たな編集会社を立ち上げ、イカロス出版から再版され復活しています。
イカロス出版の『j-train』は、年4回刊行の季刊ながら、『鉄道ジャーナル』と『鉄道ファン』を合わせたような、専門的かつグラフィカルな誌面が魅力的で、お値段は高いものの、時々気になる号を購読しています。
イカロスさん『鉄道ジャーナル』の版権、引き継ぎませんか?
『鉄道ジャーナル』誌は、小学4年生の頃1973年10月号から毎月購読するようになり、それから50年以上、ひと月も欠かさず現在まで、総数615冊になります。
マレーシアに来てからは、国際便の送料が高いので、ウチの会社の本社事業本部止めにして鉄道ジャーナル誌を購入し、総務の妙齢のお姉さまのご厚意で車内便に紛れさせて、マレーシアまでに送ってもらったりしていました。
51年と3か月の615冊は全冊とも処分せず、自宅と、レビンを停めてる秘密のガレージ、そして実家に分散して保管してあるはずですが、どうなっているか確かめてみないとわかりません。
古い版は、衣装ケースや段ボール箱に入れっ放しで、その後開けて虫干しもしていないので、湿ったり変質しているかもしれません。

半世紀以上日本の鉄道を捉え続けるも、世の中鉄道ブームと言われる中での『鉄道ジャーナル』誌の休刊。
残念ですが、作り手と受け手の乖離が大きくなってしまったような時代の流れ、を実感します。
参考と参照
☞【鉄道雑誌あれこれ】「ヨンサントオ」国鉄ダイヤ大改正時刻表を読む
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鉄学 | 日記
Posted at
2025/01/24 05:53:34