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2025年04月21日

【続】 『鉄道ジャーナル』誌、休刊の衝撃…!?

【続】 『鉄道ジャーナル』誌、休刊の衝撃…!?


2025年4月21日、
鉄道ジャーナルの最終号発売。




通巻No.704号
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鉄道ジャーナル誌は、小生が小学4年生だった1973年の10月号から(恐らく?)毎月1冊も欠かさず購入し続けてきたので、実家と自宅の物置の衣装ケースや段ボール箱に、通算608冊、50年と8か月分が保管されています。
(のはず、です。傷み具合は解りませんが…)
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創刊は1967年5月号。
表紙は国鉄直流電気機関車EF66の試作機EF90と、長野電鉄0系OSカー。

以来、58年と1ヶ月でついに終止符が…。
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鉄道誌というと車両の写真が表紙を飾るイメージですが、最近の鉄道ジャーナルは哀愁ある鉄路の風景を切り取った表紙が多い印象でした。
最終号となった2025年6月号はJR東海N700Sですが、先頭ではなく赤いテールランプが光る最後尾車両というのが何とも情感を誘います。
サブタイトルはなく誌名の下に最終号の文字…。
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表向きは『休刊』という立場ですが、事実上の『廃刊』と受け取られています。


最終号となった6月号の記事、
特集が『東京の電車2025』ということで、特別最終号を意識した記事は少なく、いつものように淡々と鉄道界の出来事を取り上げている印象です。

中央線快速のグリーン車を紹介した、鶴通孝氏の「お待たせのグリーン車」、
E233系0番台具2階建てグリーン車の連結と営業開始を採り上げ、東京駅折り返しやラッシュの運用に制約のある中央線快速用ならではの設計秘話にも言及。

昨年、J-TRECの見学会でちょうどサロE233,E234を製造中でしたが、「口外無用」と念を押されていました。

☞【乗り鉄出張(後編)】学会行事でステンレスカーの歴史に触れる旅



そのJ-TREC横浜事業所の隣を走る京急の話題が、
土屋武之氏の、『京急2100形と快特』。
意外にも、関東で特別料金不要の転換クロスシート車というのは、今や京急2100形が孤高の存在で、関西私鉄並みのラピッドサービスと緩急接続の妙が光る京急のダイヤと車両には、独特の魅力があります。

そして、柴田東吾氏の「終焉を迎えた横須賀・総武快速線E217系」
一時は余剰転配で湘南色を纏い、東海道線の運用に着いたこともあるE217系ですが、車両技術とシステム的には209系とE231系のちょうど間くらいといった位置づけで、モハ70系や111系113系以来の近郊型を意識した車両。横須賀総武地下線を走る関係から、昔の安全基準で非常用前面貫通扉を装備した正面スタイルが独特の存在感でした。
新しい車両と思っていましたが、登場は1994年で30年選手。置き換えが始まっているのですね。



鉄度ジャーナルらしい記事の取り上げ方としては、国鉄九州総局長を務め、初代JR九州社長を務めた、石井幸孝氏の「新幹線物流提言と国鉄改革レビュー」や、鉄道ジャーナリスト櫛田泉氏の「決算資料から垣間見えたJR東日本の鉄道事業に対する経営姿勢」。

鉄道誌や自動車誌といえば、どうしても鉄道会社や自動車会社の批判記事を書くと雑誌そのものの売れ行きに影響するため、会社の顔色を伺う記事が目に付いたりするのですが、石井氏や櫛田氏の歯に衣着せぬ物言いは、鉄道界の今と将来を真剣に憂うからこそと思います。


また石井孝幸氏のほか、国鉄旅客局長でJR東海の社長も務められ、昨年亡くなった須田寛氏も多くの記事を寄せられ、「タブレット」と読んだ読者意見投稿欄に回答するなど、鉄道ジャーナル誌を幅広く支える存在でした。

国鉄技術者で台湾高速鉄道(台湾新幹線)の開業にも尽力された齋藤雅男氏の、かつての連載記事、
「鉄道とともに50年』
も読み応えがありました。





最終号を惜しむこれまでの執筆者の寄稿は、
鍋倉紀子氏の、「さよなら鉄道ジャーナル」
有志一同、「Forever 鉄道ジャーナル」
芦原伸氏、「惜別」

に載せられています。
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2025年5月号の特集は、「関西に電車を楽しむ」と題し、関西私鉄とJRの話題を取り上げています。
関西と関東の対比は意図的なものですね。
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鉄道ジャーナルといえば、
前編集長の竹島紀元氏のポリシーのもと、宮脇俊三氏や檀上莞爾氏のような紀行作家、種村直樹氏のようなレイルウェイライター、など、著名な鉄道作家やジャーナリストが寄稿して、「鉄道の未来を考える、社会派、情報専門誌」とサブタイトルがつく時期もあるなど、他の鉄道誌とは一線を画した編集方針が特徴でした。


実際の列車に乗車して、車内や沿線の風景、車両、鉄道員の働きをドラマチックに伝える『列車追跡シリーズ』も人気がありました。
時には運転室添乗まで行われていましたが、JR化後、セキュリティ強化で取材規制が厳しくなり、自然消滅…。


鉄道三大誌というと「鉄道ジャーナル」 「鉄道ファン」 「鉄道ピクトリアル」の3誌ですが、鉄道や車両そのものの話題だけでなく、地域や社会の背景と鉄道との関連についても踏み込んで、鉄道が抱える問題の今と将来を浮き彫りにする「鉄道ジャーナル」の姿勢は独特のものでした。

この編集方針が今の時代にそぐわず、紙媒体という雑誌であることも合わさって、売れ行き不振になり休刊に追い込まれたとすれば皮肉な現象と言わざるを得ません。
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『休刊』という位置付けに一縷の望みを託しつつ、姉妹紙だった「旅と鉄道」のように、何らかの形で版元を変えてでも『復刊』してくれれば…、と云うのが今の素直な気持ちです。


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ブログ一覧 | 鉄学 | 日記
Posted at 2025/05/06 05:54:34

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この記事へのコメント

2025年5月6日 8:55
休刊=廃刊 最近はネットばかりで雑誌が次々休刊になりますね。
自分は紙面で見たい派なので寂しい限りですね。
コメントへの返答
2025年5月6日 14:16
ネット配信の記事は読んでいるようで頭の中に残らない気がします。
何でも便利に手早くが当たり前になっていますが、こうした気骨ある雑誌が消えていくのは、時代の趨勢とは言えそれで良いのか?という気がします。
2025年5月6日 18:47
やっぱり書籍(雑誌)という媒体で残らないと実感がわきませんね。
手にとって綺麗な鉄道と風景画像を見ながらの記事がいいです。
この先、何とか年一回でも出てくれるとありがたいですね。
コメントへの返答
2025年5月6日 23:06
雑誌は読み捨てとは云うものの、Webでなく書籍で読みたいですね。
写真は『鉄道ファン』と言いますが、『鉄道ジャーナル』の"鉄道のある風景写真"は、情感が溢れていて好きでした。
別冊鉄道ジャーナルという位置付けだった『旅と鉄道』は、休刊のあとイカロス出版が引き継ぎ復刊しました。こういう形にならないか、と淡い期待を寄せてしまうのですが…。
2025年5月6日 19:29
50年にも渡り一貫してる読者は
ある意味編集者よりも凄い事ですね
消すことができるのがデータですけど
保存に値するのが紙ベースと再認識!
コメントへの返答
2025年5月6日 23:11
幅広い情報量から『鉄道ジャーナル』を毎月購読していました。時々『鉄道ピクトリアル』や『鉄道ファン』、『ジェイトレイン』を買ったりしてました。
そうなんです。場所は食いますけど、デジタル保存と紙媒体では重みが違う気がします。
国立国会図書館って、凄いことを淡々と続けているのですね。
2025年5月9日 20:48
LEN吉さん、こんばんは

大切に集めていた雑誌が休刊になるのは、とても残念な話ですね。もうワクワクしながらページをめくることができない、なんて思ったりします。

月刊じゃなくても季刊に変更とかできなかったんでしょうか。

私も少しでも本屋さんが元気になるようにと、月一冊くらいは買うようになりました。
先月はなんと山梨県の地図です。今まで図書館で借りてましたけど、思い切って買ってみました。
コメントへの返答
2025年5月10日 10:07
danslemidiさん、おはようございます(^^)/

もうルーティンな毎月のことでしたのでポカッと穴を開けられた感じですね…。
鉄道誌の中では情報量が多く、車両から路線と沿線、時には社会問題や行政、政治に踏み込む記事もあり、鉄道界とその周辺の動きを理解するにはちょうどよい内容と構成でした。
最近はネットの鉄道系サイトも増えYoutubeも合わせ速報性という意味では押され気味でした。鉄道ジャーナルの記事は趣味的内容にとどまらないのでそれなりにじっくり読まないと理解できないものも多く、昨今のお手軽風潮からは逆行する感じでした。気骨ある編集方針といえばカッコいいですが売れ行き不振となれば看過できない訳ですね。
休刊が発表され最終号が発売されると売り切れ続出…、このあたり、鉄道路線の廃止が決まるとさよなら乗車が増え廃止日は満員となる現象と同じ。「それほど惜しむくらいなら普段から購読したり乗車したりしろよ!?」と言いたくもなる訳です…。
ネットと紙の書籍は一長一短がありますから、時々でも本屋で書籍を買うのはいいことですね。

プロフィール

「@essay@ さん、はい。Web版と朝刊3ページに写真が掲載されました。インタビュー記事が無いのが残念ですが…。」
何シテル?   05/06 22:41
柴犬のLEN吉、本名「レン」永遠の12才です。 クルマでお出かけするのが大好き。 イベントで見掛けたら、声を掛けてください。 (^^)/
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