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2016年02月19日 イイね!

【続編】時速320km E5系「はやぶさ」で、逃避行から社会復帰・・・。

【続編】時速320km E5系「はやぶさ」で、逃避行から社会復帰・・・。2月19日(金)午前6時45分
青森駅 

急行『はまなす』を見送った後、しばし茫然。

逃避行から、現実の世界に戻る準備を・・・。



今日は、午後から名古屋出張。
東京経由で新幹線を乗り継ぎます。

青森6:19着の急行『はまなす』に接続する東北新幹線は、本来は新青森6:49発『はやぶさ8号』。
しかし今日は、青森車両センターに回送される『はまなす』を最後まで見届けたので、もう1本あとの『はやぶさ10号』に乗ります。


時間があるので、早朝の青森駅前をちょっと散策。
駅舎のとなりは、昔リンゴ市場があったのですが、駅ビルになりました。


青函連絡船メモリアルシップ『八甲田丸』と青森駅第2岸壁です。
JNRマークがついた国鉄時代の姿で係留保存されています。
時間があれば見ていきたいところなのですが、まだ営業時間前・・・。

国鉄時代の青森桟橋です。接岸しているのは『摩周丸』。
ここは上の写真より手前にあった第1岸壁。


青函トンネルが開通し、連絡船の廃止から26年が経ちます。

最盛期には、客貨船合わせ最大13隻が就航していました。
廃止後、ほとんどが海外に譲渡もしくは解体。

お台場『船の科学館』にあった羊蹄丸も解体されました。
国内で現存するのは『八甲田丸』と函館の『摩周丸』だけです。

【連絡船内でお土産に売られていたJR北海道の下敷き】
左上から、八甲田丸、摩周丸、十和田丸、大雪丸
右上から、羊蹄丸、檜山丸、石狩丸、空知丸

八甲田丸、摩周丸、十和田丸、大雪丸、羊蹄丸は『津軽丸』形客貨船
檜山丸、石狩丸は、元『空知丸』形貨物船に客室を増設した改造客貨船
空知丸は貨物船(車両航送専用船) です。


1980年ころの時刻表地図
(松前線、江差線、大畑線も健在ですねー。)



北海道⇒東京連絡時刻表 を作って、比較してみました。

国鉄近代化の集大成『ヨンサントオ』と呼ばれた1968年10月改正(昭和43年)
今回の『はまなす』乗車2016年2月
北海道新幹線開業2016年3月26日改正後

*「新函館北斗駅」は、「渡島大野駅」から改称予定の同一駅
*急行『はまなす』は、新幹線工事のない所定時刻
*1968年10月は札幌-上野間の所要時間

とにかく新幹線の時間短縮効果が大きいんですね。当たり前か。

最速ダイヤは(下り)東京⇒札幌間7時間44分となる、とのことです。
(上り)は、北海道内での列車の遅れを見込んで8時間以上とする、とのこと。



『ヨンサントオ』の乗り継ぎを写真にすると、こんな感じになります。

1.2014年に訪れた小樽市博物館に保存されているキハ82系特急『北海』
旭川-札幌-函館を、小樽、倶知安経由の山線回りで走る唯一の特急でした。    
2.青函連絡船『大雪丸』



3.青森駅でDE10が航送貨車の入れ替え中。  
4.連絡船深夜便からの接続列車(1980年頃です)
青森4:53発『はつかり2号』485系と4:45発『みちのく』583系


青森駅で見掛けた、新幹線のポスターです。

54年かけてひとつのことをやる。そうだ、僕らは不屈だ
      『北海道新幹線3/26開業』

そうだったのかー。



新青森駅へ移動します。青森-新青森は奥羽本線を一駅。

5番線は先発の7:09発「快速_弘前行」701系ロングシート車
4番線は次発の7:15発「普通_新青森行」485系3000番台の間合い運用


どちらも新青森に行きますが、迷わず485系3000番台に乗ります。
これはラッキー!


485系3000番台は、JR東日本の485系リニューアル車。
『はくたか』『北越』『いなほ』にも運用されました。
外観、車内ともに新車並みに改良されています。

走行性能は485系そのもの。DT32台車のゴロゴロした乗り心地も変わりません。
国鉄特急型485系もJR九州、JR西日本では定期運転を終了。JR東日本に残るだけとなりました。




青森を発車すると、左手に東青森貨物駅に通じる、奥羽-東北短絡線が見えます。
かつて青森に停車しない『北斗星』が通ったこともあります。

さらに右手には、津軽海峡線と青森車両センターへの回送線が分岐します。
わずかな時間ですが、興味深い車窓が続きます。


5分で新青森に到着。周囲はまだ空き地ばかり。


新幹線ホームに上がります。『はやぶさ10号』はまだ入線していません。


7:31函館方からE5系『はやぶさ10号』が入線してきました。


1号車に乗ります。


座席は1号車5番C。
残念ながら3列の通路側。


7:43定刻に発車。盛岡までは最高速度260km/h。
雫石以外の各駅に止まります。

盛岡で秋田からのE6系『こまち10号』を併結します。

盛岡を出ると、最高速度320km/h区間となります。
座席も、満席となりました。

仙台を出ると大宮まで止まりません。

11:04 定時で東京に到着。
所要時間は3時間21分ですが、体感はまさにあっという間。
特別な感慨も感じないのがかえって悲しい・・・。

東京駅でE5系とN700系の並び 


E6系『こまち』とE5系『はやぶさ』の連結部です。


東京に着いてから気づいたのですが、乗ってきたE5系は第1編成、トップナンバーでした。
下り『はやぶさ17号』として再び新青森に折り返します。



東海道・山陽新幹線乗換口へ。
今日は名古屋に14:30までに着けばよいので、ゆっくりできる『こだま』にします。
『こだま651号』の案内を確認。


『こだま651号』はN700A改造型でした。
N700Aは、改良型ブレーキ、改良型車体傾斜装置、定速走行装置(オートクルーズですね)を搭載した最新車両。既存のN700も順次N700A化改造されて、施工車はN700ロゴの横に控えめなAマークが付きます。 


エクスプレス予約のポイントが600pを上回っていたので、グリーン車へアップグレード。
これはゆっくり過ごせてラッキー、精神的にもリハビリシートです。

『こだま』は600p、『ひかり』は800p、『のぞみ』は1000pたまると、アップグレードできます。


三島を過ぎると富士山が見えてきました。
「かっ、架線柱がー!」


という訳で、新富士の手前で撮影。
手前のラインは第二東名。
2月に豊田東JCT-浜松いなさJCTが開通。
東名の岡崎-蒲郡の渋滞が解消されたはず・・・。


14:15名古屋到着~。


昨日18日14:50に名鉄名古屋を出発して、23時間25分で戻ったことになります。

いい現実逃避・・・、もとい、気分転換になりました。

『さあて、今日の仕事を片付けにいきますかー!』



『はまなす』の最終列車まであと20日余り。
がんばれ急行『はまなす』、永遠に・・・。
Posted at 2016/02/28 20:11:21 | コメント(10) | トラックバック(0) | 鉄学 | 日記
2016年02月19日 イイね!

【後編】最後の客車急行 『はまなす』 乗車記

【後編】最後の客車急行 『はまなす』 乗車記急行「はまなす」

最後の『14系、24系客車列車』
 最後の『DD51が牽引する定期旅客列車』
  最後の『ED79が牽引する定期旅客列車』
   最後の『青函トンネルを通過する定期客車列車』
    最後の『国鉄型機関車・客車で組成された列車』
そして、『JR最後の急行列車・・・』

急行「はまなす」は色々な最後を背負って走ります。


(前編からの続きです)

2月18日22:00  『旅立ち』
~札幌駅4番線~ 



扉が閉まりました。
車掌と機関士(今は運転士ですね。)が無線で発車確認を行う『間合い』のあと、DD51が「ピーーッ」と、長めのホイッスルを響かせます。 
軽く「クン」という衝撃があり、列車が動き出しました。
密着自動連結器特有の引出し感。

一瞬、右手にライトアップしたテレビ塔が流れ、すぐにビル影へ消えました。

連結部の緩衝器が「グググッ」と唸り、車体が左右に揺れてポイントを転線。
青森へとつながる鉄路は次第に収束していき、列車は緩やかに加速。

「はまなす」は「タラッタタン、タタン♪」という軽快なジョイント音を奏でて定速走行に。
インバータ制御、フルノッチ自動進段の電車では味わえない客車列車ならではの感覚・・・・。





22:02  『ハイケンスのセレナーデ』

客車列車お約束の『ハイケンスのセレナーデ♪』が聞こえてきました。 
14系+24系「はまなす」のそれは、エコーの少ない初期の電子音。

わずか2小節のメロディですが、『客車列車に乗っているんだ』という実感が湧き、テンションが上がります。

「ハイケンスのセレナーデ」は、車両と時代でいくつかのバリエーションがあります。スハフ42、オハフ33、オハネフ12などの旧型客車では、オルゴールの音そのものでした。

停車駅、到着時刻と編成の案内放送が続きます。
「~終着、青森には、明朝6時19分に到着します。」
「明朝・・・、」という響きがイイですねー。
「到着予定」ではなく「到着します」という言い方も、正確な日本の鉄道を表していてイイです。



3号車自由席 スハフ14 556 の座席は、窓側がほぼ埋まり乗車率は4割ほど。
空いていた進行方向右手の『7A窓側』に座ります。

席に座るなり「はまなす」の安全運行を祈念して・・・、
「ひとり乾杯~!」

ディーゼル発電機DMF15の低い唸り音が響きます。
車外だとかなりの音量ですが、車内では意外と気になりません。

白石から千歳線に入ります。
「はまなす」は、最終の室蘭行特急「すずらん10号」の1時間半あとを走り、新札幌、千歳、南千歳、苫小牧と停車して行きます。
降りる人もちらほらと見られ、札幌通勤圏のホームライナー的な役割も果たしているのです。






『速度種別とDD51』

「はまなす」は所定7両編成ですが多客期は最大12両に増結されます。

また「はまなす」を使った札幌運転所と五稜郭車両センター間の車両回送もよく行われます。
JRにすれば定期列車に増結扱いで回送できるのですから、便利な存在なのです。
JR東日本の「北斗星」用24系が「はまなす」で青森から札幌に回送されたこともあったそうです。


さて「はまなす」は12両編成であっても、牽引するDD51は単機。
これに対し「カシオペア」や廃止された「北斗星」「トワイライトエクスプレス」はDD51重連。 
この差はどうして?

列車にはダイヤ作成のため、それぞれ「速度種別」が割り当てられます。
「速度種別」とは運行される鉄道車両の速度の基準で、直線で上り勾配10パーミル(1000m進んで10m上る勾配が10パーミル(‰))における均衡速度(最高速度)を用います。

【札幌-函館間の各列車の速度種別】
『はまなす』「通客F6」 均衡速度56km/h。
『カシオペア』「特通客C1」 均衡速度81km/h。
『北斗星』『トワイライトエクスプレス』 「特通客C3」均衡速度83km/h

最高速度の設定が違うのでした。
DD51の最高速度は95km/mで、『カシオペア』『北斗星』の均衡速度は限界近く。
少しでも余力を持たせるために重連で牽引されます。
これに対し、『はまなす』は均衡速度に十分余裕があるため単機でOKなのです。


☆☆☆
「はまなす」は淡々とレールのジョイント音を刻みます。

『ボーッ』と窓の外を眺めながら、ビールはいつの間にかウィスキーのポケット瓶に代わりました。

ちょっと呑みすぎたか、のどが渇いてきました。
この3号車 スハフ14 556 には飲み物の自動販売機があります。
アルコール類はありませんが、函館以外、長時間停車のない「はまなす」にはありがたい設備です。

おおー、(@_@) これは!   
リボンシトロンがある。懐かしいー。

という訳で、早速購入。



23:52 東室蘭を発車
まもなく日付が変わります。

酔いが回ってきました。
折角のB寝台券なので、寝台に戻ることにします。

増21号車 1番上段

アルミ製の折り畳みはしごをよじ登り上段へ

斜めのアームは、上段昇降装置の名残・・・。
3段式寝台の時代は、走行中のベッドのセット解体が当たり前でしたが、2段式B寝台の登場後ベッドのセット解体そのものが不要になり、昇降装置も撤去されました。

寝台の中の小物類です。
読書灯   
ウィスキーと水、パソコン、新書 

JRマークの浴衣
禁煙プレート(新車時のまま)
このほか、各寝台には、ハンガー1つ、スリッパ1足が常備されています。


朝まで眠りたいところですが、函館の機関車交換は押さえておきたいイベント。
という訳で、函館到着2:52まで仮眠することに。
アラームをマナーモードにしてセット。 
起きられるかな・・・?




2:52 函館着  
~函館駅8番線とED79~ 


函館駅8番線に到着。
危うく寝過ごすところでした。
コートを羽織りホームに出ます。

所定だと発車は3:22、停車時間は30分ですが、この日は新幹線工事日にあたり、函館発車は3:56に変更されています。

約1時間の停車、いわゆるバカ停。



8番線ホームの端へ急ぎます。
札幌からの牽引機DD51 1148の姿は既になく、スハネフ14 552の顔が、露わになっていました。 
『しまったー、出遅れた』(^^;)


函館から進行方向が変わります。
編成の反対側、青森方 スハフ14 508のほうへ行ってみます。


今日の津軽海峡線牽引機は ED79 13


函館の雪は札幌より多いようです。 
30年前、この右手に青函連絡船の姿がありました。


上の写真とほぼ同じ位置の30年前、1986年2月の函館駅4番線(今の8番線)
(『j train vol 25』2007年から ) 
函館発 小樽回り 札幌行 荷41列車 
編成はDD51+スハフ44+スハフ44+マニ50+マニ44+スユ15 

荷41列車は東京隅田川から青函連絡船で海峡を越えてきた荷物車3両(運用名;北東航)を受け、札幌へ向かう荷物列車。 当時まだ荷物列車も鉄道郵便も健在でした。これに2両の客車をぶら下げ、札幌までの普通夜行列車として運転されていたのです。

函館-札幌間の夜行と言えば、10系寝台+スハ45系で組成された、急行「すずらん 5号/6号」が知られています。もう1本の函館夜行「荷41列車」は、山線回り倶知安経由で札幌まで走る唯一の夜行列車でした。

ED79の連結部


ED79の 保安装置表記です。
S ⇒ ATS-SN 速度照査式ATS-S改良型
N ⇒ ATS-DN 車上データベース速度照査式ATS
C ⇒ ATC-L 海峡線ATC(在来線ATC) 

北海道新幹線は青函トンネル内も含め、この『ATC-L』とは互換性のない、デジタルATC『DS-ATC』となります。このため、新幹線開業後、海峡線を通過できる在来線車両は、DS-ATCを搭載するJR貨物EH-800が牽引する列車だけになるのです。

『カシオペア』『はまなす』の廃止理由に、海峡線(青函トンネル)の架線電圧が、在来線規格20,000Vから新幹線規格25,000Vになるため、と報道されています。しかし、この保安装置の変更も、もう一つの大きな理由とされています。

新幹線開業後も引き続き、本州と北海道を直通する貨物列車を運行するJR貨物は、海峡線専用の電気機関車EH-800を新製しました。

EH-800は複電圧対応、新幹線デジタルATC『DS-ATC』を装備しています。
新製コストが高いので増備は最少限にして検査周期を平準化する必要があり、EH-800の運用区間は五稜郭ー東青森間専用となります。これまで首都圏から五稜郭まで直通運転していたEH-500は東青森までの運用に短縮されます。




3:56 函館発車
~最後の津軽海峡線、定期旅客列車~



身体が冷えてきたので、そろそろ車内に戻ることにします。



3:56 定時 「ピーーーッ」 
ED79 13の叫ぶようなカン高いホイッスル。
「はまなす」は進行方向を変え青森に向け発車しました。

五稜郭から、江差線に入ります。
噴火湾に沿って緩やかにカーブを描くように、線路は青函トンネルへと向かいます。

木古内までの江差線は単線区間。
駅を通過するごとにポイントを渡り、左右に揺れます。

遠くに、函館山と函館市内の夜景が見えました。


木古内を過ぎると、揺れが少なくなり速度も上がりました。
いよいよ海峡線に駆け上がります。

短いトンネルが連続し、そのたびにED79が「ピッ」と短いホイッスルを鳴らします。
「ピー」長めのホイッスルが聞こえてきたかと思うと、「はまなす」は全長53.9kmの青函トンネルに入りました。

青函トンネル内は、年間通じて気温20度、湿度8~90%。
窓が白く曇り何も見えなくなりました。

「コー」っという音を響かせ12パーミル下り勾配のロングレールを下っていきます。
しばらくして、水滴が斜めに流れ去り、車窓の視界が開けてきました。

単調な時間が過ぎていきます。
だんだんと意識も遠のき、怪しくなってきました。

空いている椅子を回転させ足を投げ出し、エビ寝状態に。
              

気が付くと、「はまなす」は青函トンネルを抜け、津軽線「蟹田駅」に運転停車していました。
隣には札幌貨物ターミナル発-宇都宮貨物ターミナル行 高速貨物7066列車。
「はまなす」に道を譲るため、退避しています。
7066列車に先行して蟹田駅を発車。


しばらくして2回目の『ハイケンスのセレナーデ』が流れ、朝の放送が始まりました

『みなさまおはようございます。本日は2月19日金曜日。急行「はまなす」は時刻表どおりに運転しています。』
車掌さんの声が誇らしげに聞こえます。

青森総合車両センターの横を通過します。
保留車となった651系が、いつの日かの出番を待って、眠り続けています。


始発「スーパー白鳥95号」789系


青森での乗り換え案内が続きます。
『長らくのご乗車、お疲れ様でした。間もなく終着青森、青森です。どなたさまもお降りの際はお忘れ物の無いようご注意ください』
『本日は、札幌発の急行「はまなす」をご利用いただき、ありがとうございました。またのご乗車をお待ちいたしております』

6:19 急行「はまなす」は定刻に青森駅3番線に到着しました。


先頭では、すぐにED79が切り離されます。


後部には、青森車両センターへ回送のため DE10 1761 が連結されました。


青森駅の、青函連絡船連絡階段と跨線橋は一部が残っています。



桟橋には、青函連絡船「八甲田丸」が保存されています。
今にも汽笛を鳴らし出港しそうな雰囲気。


6:40「はまなす」は青森車両センターに回送されました。



こうして、8時間19分の「はまなす」の旅が終わりました。

急行「はまなす」は3月22日の朝まで、毎日普通に走り続けます。
鉄道ファンのための列車でもリゾート列車でもない急行「はまなす」は、日々の生活に、当たり前に利用されている夜行列車であることを、改めて実感したのでした。

【参考文献】
・鉄道ピクトリアルJan2016 【特集】客車急行 
・j train vol 25  2007 Spring 特集 旧型客車の時代  
・鉄道ジャーナルNo.593 2016 3 特集 青函新時代

Posted at 2016/02/26 00:10:54 | コメント(11) | トラックバック(0) | 鉄学 | 日記
2016年02月18日 イイね!

【前編】最後の客車急行 『はまなす』 乗車記

【前編】最後の客車急行 『はまなす』 乗車記


急行『はまなす』

青森-札幌間を結ぶ『夜行急行列車』
そして、JR最後の 『定期客車列車』
 そして、最後の  『14系、24系客車列車』
  


1988年3月、青函トンネル『津軽海峡線』が開業。
北海道と本州が陸続きとなり「青函連絡船」は80年の歴史に幕を下ろしました。
代わりに走り始めた青森ー函館間の快速『海峡』がその役割を引き継ぎます。

そして食堂車と個室寝台車を連結した、寝台特急『北斗星』が上野-札幌間で運転を開始。 
海峡線の目玉として話題を集めます。

その華やかさの傍ら、急行『はまなす』は青森-札幌間の夜行列車として運転を始めました。

JR最後の急行列車『はまなす』
機関車が牽引する「客車列車」も、定期運転としては今や『はまなす』が唯一無二の存在。

2016年3月、北海道新幹線函館開業と引き換えに廃止される急行『はまなす』。

今回は実際に乗車して、その歴史と魅力を振り返ることにします。





寝台券の入手
CYBER STATIONで空席状況を調べます。
ここには、普通車指定席(ドリームカー)とB寝台車の空席状況が表示されています。
(カーペットカーの空席は、CYBER STATIONでは見ることができません。)
2月18日上り、札幌発青森行「はまなす」は指定席、B寝台いずれも空席わずかとなっていました。



事前に入手した急行券・B寝台券。 
席番は「増21号車1番上段」
所定ではB寝台車は1,2号車の2両なので、18日は増結されることがわかります。  



札幌から目的地名古屋までの乗車券です。
経由のところに、
「・・函館線・海峡・奥羽・新青森・新幹線・・」
と書かれていますが、北海道新幹線開業後は「海峡」の文字が消え、
「・・函館線・新函館北斗・新幹線・東京・・」
となってしまうはず。


これで準備は整いました。
いざ、札幌駅へワ~プ!(←)






2016年2月18日21:20 札幌駅

東改札口のLED列車表示板
「苫小牧・函館・上野・帯広・釧路方面」
『急行はまなす 22:00 青森 4番線』 の文字が灯りました。

2015年3月には「トワイライトエクスプレス」が、 8月には「北斗星」が廃止されました。
(過去の寝台列車についてはコチラ(←)を参照)
2016年3月のダイヤ改正で、本州と北海道を結ぶ夜行列車に終止符が打たれます。

寝台特急「カシオペア」は3月19日上野発、3月20日札幌発が最終列車に。
急行「はまなす」は3月20日札幌発、3月21日青森発が最終列車、となることが正式に発表されました。

3月21日以降、ここに「上野」「青森」など本州の駅名が表示されることはなくなってしまうのです。


「カシオペア」はJR東日本の所属、「はまなす」はJR北海道の所属です。
最終日はそれぞれ自力の営業運転で古巣に戻れることになります。

昨年3月に廃止された「トワイライトエクスプレス」札幌行最終列車は、ダイヤ改正された朝、札幌に到着しました。
このため所属するJR西日本宮原総合車両所(略称;大ミハ 名門車両区ですね)へは、非営業で返却回送する必要があったのです。

しかし、北陸本線直江津-金沢間はその日から第三セクターに転換されたため、JR西のEF81はそのまま通過することができなくなってしまいました。そこで新潟貨物ターミナル-南福井間は、路線事業者免許が継続しているJR貨物の甲種回送扱いとなり、EF81を含む全編成丸ごと、JR貨物のFE510にけん引されて走行したのでした。

JR貨物EF510 20 にけん引される JR西EF81 43+トワイライト第2編成 【不許転載】
(EF81はパンタを下ろしています) 
 
トワイライトの車両たち、特にEF81にとっては、さぞ悔しい思いをしたことでしょう。

国鉄時代に築かれた、JRの全国ネットワークが分断されたことを物語るエピソードです。


・・・・・・
話が横道に逸れてしまいました。

急行『はまなす』の入線予定時刻は21:38です。
そろそろ改札を抜けて、4番線に向かうことにしましょう。

ホームに上がると、既に『はまなす』に乗ると思われる人たちの姿があります。
大きい荷物の旅行者、帰宅する通勤客などの姿も見られます。
明らかにお別れ乗車とわかる鉄道ファンだけではないことに、「今でもふつうに利用されているんだ」と思うと、ちょっとホッとしますね。


ホームの「発車案内版」を確認します。


増21号車の「乗車位置案内」です。
増結車でも仮設ではなく、ヘッドマークもちゃんと描かれているのがイイですね。


乗車位置が確認できたところで一旦階段を下り、隣の5番線に移動します。
「なぜ?」
「答えは、入線時の編成写真を捉えるため」

隣のホームに上がると、6番線には731系近郊型電車の姿が!?
普通「新千歳空港行き」です。








21:38 入線 
~「はまなす」の車両たち~


「ピィーッ」 DD51 1148を先頭に、高く短いホイッスルを鳴らし、急行「はまなす」がゆっくりと桑園方から入線してきました。
続くスハネフ14のディーゼル発電機の轟音が、あたりを包み込みます。



今日の編成を確認します。

2016年2月18日札幌⇒青森 202レ(全区間掲載)
(函館方) DD51 1148 [函](札幌運転所-函館)
(回送) DE10 1761[青](青森-青森車両センター)
  1号車     スハネフ14 552  札サウ B寝台
増21号車 オハネフ25 3   札サウ B寝台
  2号車     オハネ24 501 札サウ   B寝台
  3号車     スハフ14 556 札サウ   自由席
  4号車     オハ14 512 札サウ   指定席(のびのびカーペット)
  5号車     オハ14 507 札サウ   指定席(ドリームカー)
  6号車     オハ14 508 札サウ   指定席(ドリームカー)
  7号車     スハフ14 508   札サウ   自由席
(青森方) ED79 13 [函]  (函館-青森)

(脚注)
*回送牽引機DE10以外は、すべてJR北海道所属
(函;函館運輸所  札サウ;札幌運転所)
*青森での回送牽引機DE10は、JR東日本所属
(青;青森車両センター)

客車は、座席車5両+寝台車3両の8両編成。
所定は寝台車2両の7両編成ですが、この日は増21号車オハネフ25 3が増結されています。

電源エンジンDMF15搭載車両は編成中のスハフ2両ととスハネフ1両。
電源分散方式の14系は自車含め4両への給電能力がありますが、「はまなす」は給電に余力を持たせています。

1988年、「はまなす」の運転開始当初は、14系座席車モノクラス5両編成。
日中の間合い運用で、青森-函館間快速「海峡」にも使用されました。
折しも世の中はバブル景気。
さらに青函トンネルブームも重なり、乗客数が伸びて「はまなす」の増結が常態化していきます。

1991年、要望の強かった寝台車の連結が始まりました。
寝台車は24系と14系の混成。
両系列は制御回路のジャンパー栓(引き通し線)が異なり、そのままでは連結できません。
このためJR北海道所属の24系は14系連結化改造がなされています。



列車に乗り、車内を確認していきましょう。


函館までの最後尾となる、7号車スハフ14 508から車内に入ります。



7号車スハフ14 508 自由席車です。
座席は、国鉄末期特急型の象徴「簡易リクライニングシート」が並んでいます。
モケットこそ交換されていますが、現代のこの光景はある意味貴重。
3号車スハフ14 556 自由席車も同じつくりです。

簡易リクライニングシートは、183系特急電車、14系特急客車、485系300番台、1000番台特急電車から本格採用されました。 

簡易の名のとおり「リクライニング1段ストッパーなし」のこのシート。
体重で背もたれを押さえる方式なのですが、夜行列車では寝返りを打つたびに背もたれが戻り「バタン」と音が車内に響いて大変不評でした。
JRに引き継がれてからは、殆どがフリーストップ式の座席に交換されます。
しかし、このスハフのように座席が交換されない車両もありました。
さすがにストッパーはあとから設置されています。



6号車オハ14 508 、5号車オハ14 507は、指定席車「ドリームカー」。
石勝線経由で札幌-釧路間を結んでいた急行「まりも」に、高速バス対抗策として導入されたグレードアップ車両です。

キロ182のリニューアル改造時に余剰となった国鉄型グリーン車の座席を転用。
シートピッチはグリーン車と同じ1160mmに拡大。
一部窓割と座席が合わず、柱で遮られるシートもありますが、ほぼグリーン車と同等の設備を急行指定席料金で利用でき人気がありました。

1993年「まりも」は特急格上げされ、北海道独特の183系特急型気動車+14系寝台車の編成となります。
14系ドリームカーは全車両が急行「はまなす」に転用されました。

デッキ側の端部には談話室が設置されています。
今は禁煙ですが、改造当初は喫煙室を兼ねた談話コーナーでした。
テーブルに灰皿の名残があります。



4号車オハ14 512   「はまなす」の目玉車両「のびのびカーペットカー」

青函連絡船の桟敷席をモデルに改造。一部二段式。
指定席料金で利用できます。
二階席は寝台に匹敵するパブリックなスペースを確保できるので、「はまなす」の指定席は、まずここから埋まります。
この車両は「285系寝台電車サンライズエクスプレス」『のびのび座席』のモデルとなりました。


通路と反対側は独特の窓割になっています。 
ダックスフントがキャラクター。 

「はまなす」が運転される以前、札幌-函館間の夜行列車には、10系寝台を連結した急行「すずらん」のほか、多客期には快速「ミッドナイト」がキハ27形2連で運転された時期がありました。
キハ27のうち1両は、座席を撤去し全面桟敷席とした「カーペット車」でした。

末期の快速「ミッドナイト」は183系0番台で運転。このとき特急「オホーツク」向けに設置されたチャイルドサロンがカーペットコーナーとして開放されました。
「のびのびカーペット」は「青函連絡船」だけでなく「ミッドナイト」の進化形とも言えるのです。 
 


B寝台車
2号車オハネ24 501、 増21号車オハネフ25 3、 1号車スハネフ14 552
JR北海道の24系と24系25形は、14系連結改造がされています。

オハネフ25 3の通路です。カーテンに隠れて2段式B寝台が並んでいます。

上下段ベッド4人で1区画を構成します。

通路には、折り畳み式の補助いすがあります。
ここから、ボーっと流れる景色に身を任せるのもまた、いいんですね。


2号車オハネ24 501
元車は3段寝台のオハネ14形0番台。

耐寒耐雪改造、2段寝台化、引き通し線改造を受け、24系に編入されました。
「北斗星」にも使用されていましたが、簡易個室Bコンパート化はされず「はまなす」の運用に入りました。


増21号車オハネフ25 3
車号は製造時から変わりません。

車掌室側は丸妻で、出入り扉の引戸化以外はBコンパート化改造もされず、24系25形のオリジナルの姿を留める貴重な車両。
現在は増結用予備車となっています。
上段寝台はセット解体のための昇降装置が付いていましたが、のちに撤去され寝台は固定されました。


1号車スハネフ14 552 
24系25形の最終増備車オハネフ25 200番台が元車。

25形100番台と200番台は、製造当初から上段寝台が固定され昇降装置はついていません。外観では、車掌室側半折妻で貫通幌がむき出しになったほか、寝台側の側窓が下段に合わせた平たい形状になっています。
オハネフ25 218と220が、スハフ14から転用された電源エンジンと発電機を搭載して14系に編入され、スハネフ14 551・552となりました。
車体のイメージは14系15型に近いのですが、25形のとき側面に巻いていたステンレス製銀帯は、14系改造時白帯に変更され雰囲気が変わりました。





 

21:55 接続列車到着 
~本州連絡の使命~

隣の3番線に、稚内を16:49に出発した261系「スーパー宗谷4号」が到着しました。
「はまなす」への接続列車です。
稚内から東京への連絡ルートは今も生きています。
「はまなす」は南千歳で、釧路19:02発「スーパーおおぞら12号」とも接続。
釧路-東京間の連絡ルートも確立しています。

新幹線工事日でない所定のダイヤでは、「はまなす」の青森到着は5:39。
新青森6:19発東北新幹線「はやぶさ4号」に接続し、9:23には東京に到着できます。
今日は工事日なので函館で1時間ほど停車し、青森には6:19に到着。
この場合、新青森6:49発「はやぶさ8号」に連絡し、東京到着は10:28となります。

「スーパー宗谷」261系特急型気動車 
線路規格の低い宗谷本線での曲線通過速度を向上させるため、超過遠心力を打ち消す『エアサス式 強制車体傾斜装置』を装備しています。

3月改正では、「北斗」系統に車体傾斜装置のない261系1000番台を投入。
今後、順次183系初期車を置き換えていく計画が発表されています。



発車時刻が近づきました。車内に戻ります。

増21号車オハネフ25 3と1号車スハネフ14 552 の連結部です。
北海道仕様の14系、24系の出入り口は、雪詰まりによる戸閉め不良防止のため、折戸ではなく引戸に改造されています。


この日の寝台は満席。
寝台券は確保したのですが、増21号車の通路には先客がいて居場所がありません。

寝台に納まるにはまだ時間が早いし・・・。

3号車の自由席に移動することにします。
こういうとき、自由席車に空席があると重宝しますねー。
庶民のロビーカーに早変わり。






21:58 札幌駅4番線 
~発車案内~ 


3号車スハフ14 556のシートに座ると、ホームでは発車のアナウンスが。

『間もなく4番線から~、
22時ちょうど発、急行「はまなす」青森行きが発車いたしまーす。
ご乗車のお客様は、車内でお待ちくださ~い・・・。』

急行「はまなす」8時間19分の旅が始まります。

【後編】に続く


Posted at 2016/02/23 19:26:32 | コメント(6) | トラックバック(0) | 鉄学 | 日記
2016年02月18日 イイね!

【序章】北の大地へ逃避行 ~最後の『はまなす』を追う〜 

【序章】北の大地へ逃避行 ~最後の『はまなす』を追う〜 2月18日木曜日 
かねてより思い描いていた計画を実行に移します。

翌19日は、名古屋方面の出張が決定。
これは午後遅めの待ち合わせでよいとのこと。
幸運にも、1月休出の代休を消化する必要が!?
となると・・・、『チャンスはココしかない!』
と決断。 18日を代休にして北の大地へ。


一旦名古屋に向かいます。まず、名鉄名古屋駅へ。


名古屋鉄道「ミュースカイ38号」2000系
中部国際空港「セントレア」を目指します。

2000系は中部国際空港開港に合わせ運転を開始した空港連絡特急専用車。
全車座席指定の「ミュースカイ」は4両または8両で運転されます。
一般車連結の特急用2200系特別車も共通設計。


常滑を過ぎ、海上橋から空港が見えてきました。


名鉄名古屋から28分で中部国際空港到着。
セントレアはコンパクトな作りなので動線にムダがなく、アクセスが楽です。


国内線チェックインカウンターへ。


「ジェットスタージャパン」
GK185便札幌行にチェックイン 

これまで「フジドリームエアライン」や「スカイマークエアラインズ」など国内系のLCCを利用したことはありますが、外資系LCC「ジェットスター」は初めて。

まだ時間があるので、展望デッキに出ます。
こちらは国内線側。
飛行機が込み合う時間帯ではなく、ブリッジはがらがら。


コチラは国際線。
セントレアはアジア方面が充実していますが、アメリカやヨーロッパなどの長距離路線も就航しています。


こんな飛行機も。
B747ベースの大型貨物機「DREAM LIFTER」


手荷物検査場を抜けゲート5で搭乗を待ちます。
GK185は日本航空JAL6315とのコードシェア便。
出発予定時刻は17:15です。


17:10 
予定より10分ほど遅れて搭乗が始まりました。
機材はエアバスA320


17:21 ブリッジが離れ札幌へ出発。


LIFT OFF!


離陸後大きく旋回して上昇。
セントレアがみるみる小さくなります。

2014年10月から電子機器の使用が緩和され、電波を発しない機器や飛行機モードのあるスマートホンは常時使用可能になりました。

御岳山上空を通過。



日が暮れました。
山形県鶴岡上空付近。
機長のアナウンスによれば、最奥の明かりは仙台とのこと。


千歳市内の明かりが見え、GK185は最終着陸態勢に入ります。


19:00 着陸~! 
約1時間40分のフライトでした。
明かりは新千歳空港ターミナルビル。


JR北海道 新千歳空港駅
19:33発、快速「エアポート195号」で札幌に向かいます。


JR北海道の721系近郊型。
3扉車ですが耐寒構造として各扉にデッキと仕切りがあります。


20:10 札幌に到着。


早速JR北海道の各車両をチェックします。

201系通勤型気動車
731系電車と連結強調運転が可能で、現在も連結運用があります。
201系気動車と731系電車は同じ車体を持つ3扉の通勤型ですが、乗降性向上のため、ドア付近のヒーターを強化して、各扉のデッキがなくなりました。


789系特急電車。
旭川-札幌間「スーパーカムイ」用ですが、札幌から快速「エアポート」として新千歳空港までの一体運用が組まれています。
これはホームライナー運用。



今回の目的はコレ。
3月改正で、北海道新幹線の開業と引き換えに廃止される、
最後の定期客車列車、そして最後の定期急行列車
急行「はまなす」に乗車するため。



急行「はまなす」は札幌-青森間を約8時間で結んでいます。

仕事と家庭の制約の中、日常生活からの逸脱を最小限にして乗車を実現するためには、飛行機と新幹線を効果的に組み合わせる必要があります。

今回は宿泊は「はまなす」の車内のみとする「ゼロ泊弾丸ツアーが精一杯」との結論に至りました。




「はまなす」が発車する4番線で、乗車位置をチェック。
乗るのは増結寝台車の「増21号車B寝台」
発車は22:00です。


入線予定時刻は21:38
まだ1時間ほどあるので、札幌駅前に出ます。
札幌駅はこの20年で、ホーム高架化、ターミナルビルとJRタワーの建設、と大きく変化しました。 


JRタワーからの夜景。
(駅のポスターを撮影。今回上がった訳ではありません。)

札幌は昔からリトルトウキョーと言われてきました。
北海道の札幌一極集中の傾向は、さらに強まった気がします。


駅前ESTAの『ラーメン王国』に入ります。
ビールとラーメンで、まずは腹ごしらえ!
「SAPPORO CLASSIC」・・・。
んー、 「サッポロラガー」だと、もっと嬉しかったなー。


駅周辺をブラついて、急行「はまなす」入線までの時間をつぶします。

久々の『14系+24系寝台』ワクワク~!
p(;^^)q




Posted at 2016/02/20 18:50:56 | コメント(5) | トラックバック(0) | | 日記
2016年02月14日 イイね!

えちぜん鉄道と福井鉄道、相互乗り入れ工事近況

えちぜん鉄道と福井鉄道、相互乗り入れ工事近況


人口80万人余の福井県。

その規模の割には、県出資の第三セクター『えちぜん鉄道』と、沿線の越前市、鯖江市、福井市出資の『福井鉄道』の、JR以外に2つの鉄道事業者がある稀有な県。



福井市内の田原町駅は、両社が近接した乗換駅。
これまで線路はつながっていませんでしたが、今、それを接続して相互直通運転化する工事が行われています。

沿線には、大学、高校と病院がそこそこ並んでいることから、これまで田原町で乗り換えを強いられてきた学生や年配者の利便性が向上します。

開業予定は、3月27日



福井鉄道の路面区間から田原町駅へのアプローチ。


福井鉄道は、福井市『田原町』から鯖江市を経て越前市『越前武生』に至る21.4kmの路線『福武線』を有します。

このうち、福井市内は、軌道法による路面併用区間となっています。

福井鉄道の車両は、低床の路面電車型と高床の鉄道型に分けられます。
路面電車型には、廃止された名古屋鉄道岐阜市内線、揖斐・谷汲線、美濃町線から譲渡された770形、800形、880形。 新潟トランシス製の自社発注LRT F1000形。 イベント用として土佐電鉄から譲渡された、元ドイツシュツットガルト市電の735形(通称レトラム)があります。

高床型車両には、自社発注の前面2枚窓連接車200形、元名古屋市営地下鉄名城線1100形、1200形を台車換装し、パンタグラフ集電に改造した600形と610形があります。
現在は鉄道線の駅もすべて低床車対応で低く切り下げられたため、高床車の乗降時は車両に装備されているステップが開閉します。


工事中の田原町駅。手前は供用を開始した福井鉄道の折り返し線。
向かいが直通運転用に増設しているホーム。
一番奥にえちぜん鉄道が発着します。


軌陸車がバラスト敷設の真っ最中。


名鉄美濃町線から譲渡された880形。
2車体連接で、側面のユニット式2段窓が特徴的。



田原町駅西側にある『えちぜん鉄道』と『福井鉄道』の接続部。
既に連絡ポイントが敷設されています。
左が「えちぜん鉄道」、右が「福井鉄道」



えちぜん鉄道は、『福井駅』から『勝山駅』まで27.8kmを結ぶ『勝山永平寺線』と、途中『福井口駅』から分岐して『三国港駅』まで25.2kmを結ぶ『三国芦原線』を運行しています。

以前は、京福電鉄福井支社として長く営業してきましたが、2000年と2001年、立て続けに正面衝突事故を起こし、全線運行停止に追い込まれました。
京福電鉄は事業の継続が困難として路線廃止を表明。

運行休止中はバスで代替輸送したものの、国道、県道が慢性的な大渋滞となり、皮肉にも通勤通学の足としてバスが機能しないことを証明した社会実験となってしまいました。

この結果を重く見た福井県は、第3セクター方式で鉄道の存続を決定。
2002年に『えちぜん鉄道』が発足し、2003年営業運転が再開されました。


MC6101形

えちぜん鉄道発足に伴い、愛知環状鉄道から片運転台の100形2両と両運転台の300形12両を譲り受け、100形は両運転台化改造のうえMC6001形として、300形はMC6101形として投入されました。
日中は単行運転が多いのですが、朝夕は2両連結される運用もあります。



MC7000形

2013年と2014年、JR飯田線を走っていた119系を譲り受け、モータと制御装置をVVVFに換装。
シングルアームパンタを装備のうえ、MC7000形+TC7000形として12両が投入されました。
Mc+Tc(モハとクハ)の2両固定編成。
正面デザインも国鉄105系顔からえちぜん鉄道顔に改造され、イメージが変わりました。
側面と車内には国鉄近郊型の面影が残ります。
VVVF化されましたが、台車が元車のコイルばねDT21のままなのが残念。

京福電鉄時代は、南海や阪神(台車は交換)から譲渡された車両が主力。
えちぜん鉄道にも引き継がれましたが、MC7001形の増備で殆ど廃車されました。

引き継がれた唯一の現存車両は1両1形式の両運転台車MC5001形です。
(写真はWikipediaから)

えちぜん鉄道MC5001は、京福電鉄が最後に増備した両運転台車両5000形で、1999年に2両製造されました。
車体は阪神電鉄系列会社の武庫川車両工業製、台車や電装品は豊橋鉄道1900形の廃車発生品を流用。5002は前述の、2001年正面衝突事故で大破し廃車。5001のみがえちぜん鉄道に継承されました。


MC6001形、MC6101形、MC7001形、いずれも全長20m級の鉄道線用大型車のため、路面区間への乗り入れはできません。
このためえちぜん鉄道は、乗り入れ専用の新潟トランシス製LRTタイプ低床車両を既に増備しています。まだ営業運転には入っておらず、福井口車庫で眠っているとのこと。



工事前の田原町駅です。 (写真はWikipediaから)
接続予定部分ですが、線路はつながっていません。


工事前の田原町駅に停車中の福井鉄道200形(写真はWikipediaから、)

福井鉄道200形は自社発注の1960製で福鉄最古参車両。
日本車両製造の私鉄向け高性能電車群に類し、名古屋鉄道5000系、長野電鉄2000系、富士急行3100形、富山地鉄14770形、14780形が同世代の類似設計車両。

200形は3編成製造されました。
F1000の増備に伴い順次廃車される計画で、現在稼働しているのは1編成。
第一編成201-1+201-2はすでに解体されました。

200形は2車体連接であることが福井鉄道オリジナル設計となっています。
動力台車は、それぞれ運転台側台車となっており、連接部台車は無動力。





もう一つ、延伸工事が行われている福井駅前広場に移動します。

途中すれ違ったのは、福井鉄道770形、名鉄時代は岐阜市内線から揖斐・谷汲線への直通急行に使用されていました。
側面のHゴム固定窓が特徴。

770形の車内。 4編成8両あり、この車両はトリプルセブン777。


F1000形(通称フクラム)第二編成、新潟トランシス製のLRT。
富山ライトレール、万葉線、熊本電鉄、岡山電軌に同型車があります。
福井鉄道車は、系列唯一の3車体連接。


市内線停留所の改良工事も進められています。
今月から使用開始された「木田四ツ辻」停留所。
幅が拡大され屋根とベンチが設置されました


福井駅前停留所に停車する800形 
800形は名鉄美濃町線で使用されていたVVVF制御の部分低床車。
クロスシートを装備していますが、単行のためラッシュを避けた日中と夜間の運転が主力。


福井駅前(通称ヒゲ線)の延伸区間。既に架線も張られています。


福井駅西口ロータリーに延伸され、工事中の福井駅前電停

工事が続く福井駅西口ロータリー

惜しいと思うのは、高岡の万葉線や富山市内線のように、駅ビル内に乗り入れるという発想までには至らなかったこと。

福井駅東口に高架線で発着するえちぜん鉄道ですが、例えば富山ライトレールと地鉄富山市内線の計画のように、福井駅の下をくぐらせて接続し、市内環状線を構成させる、という考え方もあったのでは?

軌道法事業者と鉄道法事業者の相互直通運転は全国初のケース、とのことです。

が、福井県の担当者はつい最近まで、鉄道事業の法律には軌道法と鉄道事業法があることを理解していなかった、という信じがたいエピソードも聞こえています。

利用者の立場に立った長期的な視点の施策が望まれますね。
(;^^)

Posted at 2016/02/14 20:13:56 | コメント(5) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「@フレンドリー182 さん、北の大地上陸ですか〜!? 壮大なスケール感、楽しんできてください。
(^^)b」
何シテル?   08/10 06:08
柴犬のLEN吉、本名「レン」永遠の12才です。 クルマでお出かけするのが大好き。 イベントで見掛けたら、声を掛けてください。 (^^)/
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