高校コーラス部の恩師を囲み、
全国からメンバーが集って、
10年以上音楽活動を続ける浅岡会。
LEN吉改めレン之介も、これまで10年間活動に加わってきました。
今年は昭和100年に当たり、
太平洋戦争終戦から80年が経ちます。
東京と富山で二度の空襲に見舞われ、戦争を体感された浅岡先生の強い意志を汲み、
浅岡会では、
『富山空襲80年 平和を祈る』
と題して、6月22日日曜日、夏のコンサートを開催しました。
メインテーマ曲は、広島で被爆した大木惇夫作詞、佐藤 眞作曲の、
混声合唱のためのカンタータ『土の歌』。
この組曲の最終曲『大地讃頌』は、卒業式の定番とも呼ばれるくらいポピュラーで親しまれている曲ですが、今回は組曲から『祖国の土』『死の灰』『もぐらもち』そして『大地讃頌』の4曲を選び、取り組みました。
「土の歌」だけでは非常に重たいテーマなので、アンサンブルや男性合唱、女性合唱など、気軽に楽しめる要素も盛り込んでいます。
6月21日土曜日はリハーサル。
会場の『富山県教育文化会館』に向かいます。
舞台ではセッティングとピアノの調律が進行中。
男声合唱のリハーサル。
指揮と指導は、あの慶應義塾大学ワグネル・ソサィエティー男声合唱団OBの大先輩、高畑さん。
立ち位置や出だしの音を確認しますが、ついつい合唱のダメ出しにも熱が…。
浅岡先生が到着され、さらに音合わせとギリギリまでの指導が続く!?
今回の浅岡会コンサートはマスコミの注目度も非常に高く、
在富山民報TV3局の『BBT富山テレビ』『KNB北日本放送』『富山チューリップテレビ』と『ケーブルテレビ富山』、
そして在京キー局の『TBS』が練習から密着取材。
さらに『北日本新聞』と『富山新聞』も取材希望があり予告記事を掲載していただきました。
浅岡先生独唱ステージのリハーサル。
ピアノ伴奏の黒田先生と、応援に駆けつけた元伴奏者の玉井先生も加わって。
『ブラボーコール』も練習しました。
舞台袖でも、先生の指導(お小言…)は続く…⁉
リハーサル終了後のスナップ。
メンバー平均年齢68歳、私はまだ若造・・・!?
『さあ、いよいよ本番へ』
お花も添えられて華やかに。
どれくらいの方々に、足を運んでいただけるでしょうか…⁉
6月19日(木) 北日本新聞朝刊の記事です。
(レン之介のコメントと写真が…)
明けて、6月22日日曜日。
『浅岡会2025夏のコンサート』当日の朝。
富山地鉄富山港線(旧富山ライトレール)環状線直通で会場に向かいます。
下車したのは県庁前電停。
会場の『富山県教育文化会館』、今日も暑くなりそう…。
入り口近くのデジタルサイネージに案内が。
本日の催し物、とあります。
お花も届けられました。 気分が高揚しますねー。
開演まで、あと5時間あまりです。
浅岡先生が到着され、最後の調整も念入りに…。
開演15分前。
座席はほぼ埋まっているように見えます \(^o^)/
浅岡会チャンネルの限定公開ビデオです。
全動画とタイトルはコチラ。
『☞浅岡会2025夏のコンサート_平和を祈る』
画像は、卒業生で浅岡会サポイートメンバーが客席から固定カメラで撮影したものに、
音源として、卒業生で反田恭平さんピアノ演奏録音も担当した日本ビクターのプロデューサのミキシングデータを重ねてあります。
開演 富山中部高等学校校歌
第1ステージ 女声合唱
「ねむの花」「愛の賛歌」「オーシャンゼリゼ」
第2ステージ 男声合唱
「オレーグ公の歌」「最上川舟歌」「夕焼け小焼け」
不肖レン之介、
男声合唱では『オレーグ公の歌』のバリトンソロトップを担当しました。
普段は第1バスですが、オクターブ高い音程で音の載せ方、響かせ方が違い、ちょっと戸惑いも…。

オレーグ公は、9世紀から10世紀にかけて、キーフ・ルーシ公国で活躍した名君。
キーフは今のキエフ、つまりウクライナの首都キーウ、ルーシはロシア。
キーフ・ルーシ公国とは、ウクライナとロシア帝国の祖となった国で、そもそもは一つでした。
何故、力に任せ攻撃して争わねばならないのか…。
第3ステージ アンサンブル ヴァイオリン&ピアノ
「フォーレ ソナタ第1番より」
バイオリンの内田さん。もうこの演奏はセミプロ級。
黒田先生のピアノ伴奏も、バイオリンを立てつつ存在感あります。
(これはゲネプロ(最終リハ)のスナップ)
第4ステージ 独唱と二重唱 浅岡節夫&森川有紀
森川さんの声量と浅岡先生の声量に圧倒されますねー。
これはゲネプロ(最終リハ)のスナップですが、立ち上がれない浅岡先生が、森川さんのリードで軽やかにワルツを踊っているかのような、ステキな二重唱になっています。
アンコール曲は、十八番の「オー・ソレ・ミオ」。
夫婦漫才のようなアドリブも、本場イタリアのカンツォーネを思わせる楽しい演奏でした。
さて、今回のメインプログラムです。
第5ステージ 混声合唱のためのカンタータ
『土の歌』より、
「祖国の土」「死の灰」「もぐらもち」そして「大地讃頌」
2曲目『死の灰』の最終章、
浅岡先生が嗚咽し、会場が静まり返って時間だけが過ぎるハプニングが…。
楽譜を開くと、
『死の灰』4部合唱の最終小節は、
全休符にフェルマータが付き、
しかもlunghissimo、
そのピアノ伴奏は投下爆発を象徴するような和音に、
フォルテフォルテッシモffffとスフォルツァートのzが付いています…。
重く長く響き渡る絶望の音、
伴奏瀧川さん渾身のピアノ演奏は原爆投下のカウントダウン、
そして炸裂…。
浅岡先生の嗚咽と沈黙の2分間は、意図的な演出ではなくともそれらを体現する形になったと感じました。
3曲目は、人間の愚かさをもぐらの目線で痛烈に皮肉った『もぐらもち』、
滑稽なリズムが人間をあざ笑うかのよう…。
そして最終章『大地讃頌』
改めて、この歌詞とメロディーに込められた思いを噛み締めながら歌いました。
ファイナルステージ
高校コーラス部時代から慣れ親しんだ『ハレルヤコーラス』と『アヴェベルムコルプス』を噛み締めるように…。
最後は浅岡先生をメンバーが囲んで、エンディングとなるアンコール曲『神ともにいまして』を歌い、2時間半のコンサートが終演しました。
6月24日の富山新聞朝刊
6月24日火曜日、BBT富山テレビがニュース番組で、浅岡会夏のコンサートが取り上げられました。
去年のコンサートとその後の練習から密着取材を続けている富山テレビ放送。
今回の開催の背景、先生の思い、メンバーの取り組みが、的確かつ端的にまとめられています。
BBT富山テレビニュース 『ライブBBT』「平和祈る94歳声楽家 空襲の体験を語り継ぐ」
『戦後80年』特集報道が組まれています。
先生の指揮と、語りの回想シーン。
土の歌『死の灰』の演奏後、会場は静寂に包まれ、浅岡先生の嗚咽だけが響く…。
時が止まった会場、観客も静かに見守ります。
そして『大地讃頌』
人間がどんなに愚かしくとも、力強く優しく再生する、母なる大地。
クライマックスへ!?
大きな拍手をいただきました。
こうして、
浅岡会2025夏のコンサートは、終わりました。
私たち自身、改めて平和の脆さと大切さを実感するコンサートとなりました。
『音楽とは宗教をも超越する』
『芸術というものは、常に純粋で普遍的』
という浅岡先生の言葉の意味を、静かに感じています。
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