この車もはるばる千葉からやってきました。ひところ3号車と一緒に車検をとって2台併用していました。ボディがくにゅくにゃになった車の次の次がこれですが、ボディの柔らかさは実は2号とあんまり変わらなかったかも?しれません。
メーカーの言うところではボディを補強したという後期ですが、大差はありません、高速コーナーでは、リアが妙に粘りあまりサラサラしてくれません。箱の個体差でしょうか?
例によってこれも2号車と同じく振動の大きく回りの悪いエンジンだったので、もう何のためらいなくエンジンを乗せ変えました。今回はカムはノーマルのまま圧縮比を11.5まで上げ、ボアアップも限界まで上げました。ボーリング屋さんから「これはちょっとやりすぎだよ」と忠告があり、最初の腰下は没になりました。ボア間は3ミリ台だと思います。ボート研磨などは当然行うとして、ピストンは確かマツダのBP用を流用しました。そのままでは付かないのでコンロッドに加工もしています。
テーマは「中速トルク」。「前回のように高回転タイプにするより峠ではこちらのほうが速いはずだ。」とのチューナーの人の考えでした。前回は高速ラリーコース仕様でしたし。
シャシダイの実測は143馬力。けど、カムはノーマルだし、やっぱり上は回らなかった。残念。まあこんなもんでしょう。メーカー出荷エンジンより馬力が上がったのでよしとすべきですね。
そもそもハイドロリックバルブアジャスタは高回転向きではないです。高回転型エンジンと謳っているメーカーの設計思想がおかしいです。高回転になるとアジャスターが追従できなくなってサージングを起こすのが分かります。7000回転の後半からバリバリ言い出します。さすがにメーカーは、JT191でやめましたが、気づくのが遅すぎます。
この車のエンジンは6万キロは持ちませんでしたが、やはり限界までボアアップしたせいだと思いますが、ある日突然エンジンブローしてエンジンルームから真っ白い煙が出てしまいました。コンロッドの足出しです。しばらく惰性で走って、路肩ではない広いところに止めました。
この頃になると峠にはハチロクはほとんど見掛けなくなって、シビックタイプRとかAE111とかが主流でした。その中で昭和車のジェミニが走っていたのは珍しがられました。下りはFCと遜色ない速さだったのでよく一緒に走っていました。ブローした時にはFCの人に自宅まで送ってもらいました。
今でも痛感するのが、ブレーキ。やはり容量が小さすぎますね。ハブに負荷がかかりすぎます。ローターがすぐ真っ赤になって熱を持ってしまうのであまり踏まないように走っていました。レース用パッドも一週間持たなかったです。特に効きの良いものは。ディスクの容量はスターレットと同じ車重700キロクラスの小さいものですから、最初から不足していました。峠道では休み休みできますが、レースには全く不向きな車です。
この車オリジナルのハンドリング・パイ・ロータスの足回りの、ピッチングの大きい酷いセッティングには閉口しました。ただでさえ悪いサスペンションジオメトリーの悪さをより強調してくれます。バックミラーの景色が頻繁に上下します。本当にいすゞのトラックのようでした。
おまけにたった4万キロでこんなにへたるのか?と言いたくなるような酷い制動のなさで、これでは怖くてとてもとてもスピードなんかは出せません。結局、ロータスの足回りは名前だけでした。
当事は、GABの市販品がありましたから、リアを硬くすればそれなりには改善できました。でもシティやホンダ車のように地面に張り付く感じは全くありません。サスペンションのレベルが当時としては低すぎます。おしりを流す走り方をする分には低いスピードからできるので、楽しいといえば楽しいですが。
そういえば、この頃所有のジェミニの全てのECUが壊れてしまいまた。基盤のコーティング材の変質よる腐食か断線が原因のようです。本来ならリコールものだと思うのですが、当時4万円ほど出して新品に交換する羽目になりました。やはり香港や韓国のACデルコは品質が低く駄目です。(JT190からGMのパーツが使われていた)