
整備の代車に新型Eクラスかなと期待しましたが,まだEクラスは入っていませんでした。そこで用意してもらったのは
CLA45S 4matic+
です。421馬力AMGですな。
AMGはA35とGLA45Sと乗りましたが,どちらもあまり良い記憶はありませんでした。とにかく乗り心地が悪く,シートも硬くて苦痛だったのです。GLA45では,ブレーキが効かないのにも閉口しました。A35は,最低地上高が105ミリしかないので,冬は使い物になりませんでした。
さて,目の前のCLA45も最低地上高は105ミリです。運転するときは,路上に落ちているものにものすごく注意が必要です。
■外装
クーペなのでかっこいいですな。A45だと羽がついたりして,ちょっと・・・な感じになりますが,これはふつうの感じでよろしい。空気抵抗もよく考えられているデザインです。ただ,小さく見えるなぁ。
ホイールがかっこいいなぁ。ブレーキは前が6ポッドで後が4かな。
残念なのが,こちらはまだ冬期なので,スタッドレスを履いていること。ただ,スタッドレスは,ノキアンのハッカペリッタR5。これは初体験だ。
■内装
乗り込んでもやはり車体が小さく感じます。まあAクラスの車なんですけど,それでも横幅は1855ミリあるのですが,ゴルフとそんなに違いは感じません。これは運転しているときも同じ。
インフォティメントシステムは,改良されたMBUX。ARナビもついています。かつてタッチパッドがついていたところは,ただのトレイになっていますが,昔の感覚で,ついつい,そこを触ってなぞってしまいます。この部分,タッチパッドとして残しても良かったんじゃないのかなぁ。
というのもCクラスと比較してナビ画面が小さいので,直接タッチして操作するのがちと面倒なのです。「一発でナビ画面に戻れない」という欠点もそのまま。走行モードを変更したりして,ナビ画面に戻るためには,ホームボタンを押して,スライドしてナビボタンを表示させてから,それを押さないとなりません。Cクラスでは一発でナビに戻るボタンがあります。
また,1000万円オーバーのクルマとしては,内装が安っぽい。これ,アウディでも感じましたが,ハードプラスチックばかり。
クーペゆえ,後席は狭いかなと思いましたが,身長170センチぐらいでは,台上ででした。
■走行
エンジンをかけると,咆吼がしますが,これがAMGです。でも,音が小さくね?! あれあれあれ,規制の影響でしょうか,AMGといえば爆音で近所迷惑だったのが,実に静かです。これはモードをSport+とかにしても同じ。昔の爆音はいったいどこへいってしまったのか???? これならゴルフRの方が排気音はうるさいかも・・・。
でも,逆に,初めて近所迷惑にならない45シリーズとなったようです。
エンジンをかけたときにシートベルトの緩みを巻き取ってくれるのもAMGらしいですな。
走り出して驚くのは,乗り心地が劇的に改善されていること。A35なんか,とにかく乗り心地が悪くて、拷問されているようでしたが,こちらはなんともありません。硬いのですが,よく動くサスです。これなら十分に耐えられる硬さです。突き上げもほぼありません。
そしてこの乗り心地値の良さは,モードをスポーツやスポーツ+にしても,たいして変わらないのです。ようやく,「普段乗りできるAMG」が出来たようです。
しかも,「AMGパフォーマンスシート」がこれまた全然硬くない。A35についていたシートは,これまた拷問のような硬いシートでしたが,CLA45のは,なんともありません。これなら,及第点。
お店の人に聞いてみると,「改良後はとても乗り心地が良くなった」とのこと。もしかしたら,以前に乗って,やはり拷問のような乗り心地であったBMW3シリーズも,今は改良されているのかもしれない。
さてこのエンジンははっきりとした高回転型なので,市街地ではスポーツ+ではギクシャクしてたまりません。まあゴルフRでも市街地はレースモードでは乗りにくい。
ただドッカンターボではなく,実に上までなめらかに伸びてゆくエンジンです。A35はDCT(VWでのDSG)でしたが,こいつは8速ATです。でもなんか感じはDCTみたく感じました。手動で変速してやると,はっきりと「ギアが変わった」という感じになるのです。おもしろいなぁ。
また,実に賢いATで,手動変速しなくても,運転者の意図通りの変速を行ってくれます。「そうそう,そこでダウンね。そしてアップ」実に賢い。
いつもの山道へ向かうと,なんと冬期通行止め・・・・。しかし,ゲートがかなり奥にあるので,そこまでの道を何度か往復しました。
感心したのが,ブレーキの効き。カックンでレーキではありませんが,GLA45のような必死で踏んでも効きが感じられないブレーキでもありません。かなりサーキットを意識したブレーキで,調整が実に容易。ただ市街地では初期制動が甘いので注意。
ブレーキが安心できるとクルマはたのしいものになります。
走らせても,やはりゴルフのようなコンパクトクラスのクルマを運転している感じがします。幅1855で重さが1700キロもあるのですが,コンパクトカーを運転している感覚です。四駆にしたスイスポみたいな・・・ヤリスGRか。
FFベースの四駆で100-0から50-50までの前後動力配分のはずですが,なんとなくFRの感覚があるのが不思議。後ろから押される感覚が強いです。
スポーツ+では,まあ,暴れん坊です。でもたのしい。A35だと、鬼のようなグリップで,その先はどうなるのか不安でしかありませんでしたが,こいつは,振り回せます。左右に滑りまくっても,なんのその。
ただ,路面が悪いと,はねてタイヤが浮き上がるのには困りもの。突然グリップが消えますからね。このクルマは,本当にサーキット用だなぁ。
ステアリングは,車速感応型のようで,スポーツ+にしても,低速ではとても軽くて頼りないです。もっと重くして欲しい。しかし,情報をよく伝えてきて,本当にたのしめます。峠の下りでも,ガンガンアクセルを踏めます。
高速道路では,ベンツらしく,速度を上げれば上げるほど安定してきますので,速度に注意です。前方の覆面に気がついて,セーフ。また一般道も100キロ以上走りましたが,まったくふつうに走れました。
■結論
AMGでこの乗り心地の良さは画期的です。ただ「乗り心地が良い」のではなく,「AMGなのに乗り心地が悪くない」というのが正確です。ですから,改めてCクラスに乗ったり,ゴルフRに乗るとほっとします。しかしAMGでこの乗り心地は画期的です。しつこい。
AMGなのに,夏タイヤはコンチのスポコンではなく,PS4Sですので,グリップは,あまり期待できませんが,タイヤの減りもそれほど早くなく,良いと思います。
AMGを一台だけ買うならこいつですが,ちと内装が1000万円オーバーのクルマには見えない・・・。やはりAクラスベースのクルマだなぁ。ただ「近所迷惑にならないAMG」というのは,すごいかも。
こいつなら,サーキットのホームストレートでも負けないかも。ゴルフRでは,ホームストレートで離されるのが,ちと悲しかった・・。しかしC63は476馬力(+モーターで204馬力)だからなぁ。AMGならC63をオススメします。まあ値段は・・・倍近いですが・・・。
前後の真っ赤なキャリパーが恥ずかしいと感じるトシになってしまいました。
ブログ一覧 | クルマ
Posted at
2024/03/28 10:13:45