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７３年前、第一機動艦隊より零戦・九九艦爆・九七艦攻１８３機からなる攻撃隊がハワイオアフ島の米太平洋艦隊を空襲しハワイ海戦が勃発した。

総飛行隊長淵田中佐、零戦隊板谷少佐、艦爆隊高橋少佐、艦攻隊村田少佐の攻撃によりヒッカム・ホイラー両飛行場、停泊中の戦艦が被害甚大、更に島崎少佐の二次攻撃隊１７１機の攻撃で被害は拡大、結果として戦艦５隻が撃沈・着底、２隻が中破、１隻小破で米太平洋艦隊主力は全滅した。

太平洋艦隊主力の動向に捕らわれなくなった日本軍は初期の目標である南方資源地帯へ侵攻する事が出来たのである。


①真珠湾攻撃がもたらした事：航空機の集団による攻撃に戦艦は脆弱である。日本は大艦巨砲主義と言われるが、アメリカはノースカロライナ型・サウスダコタ型・アイオワ型１０隻以上の建造を進めており、戦中に次々と就役している。日本は大和・武蔵のみ。しかし米軍は桁違いの造船能力から空母も平行して建造しており、機動部隊の充実も図っている。結果として旧式戦艦は戦後、ほとんど廃艦となった。

②本当に騙し討ちだったのか？：自分にとって巨匠と言うべき秦郁彦氏の説は非常に納得の行くものだ。・外務省～米大使館の暗号は解読されていた。・海軍の暗号は開戦時には解読されていない。・日本軍の攻撃目標は南方であると判断していた。・ハワイの警戒は現地司令官に任せていた。総合的に判断して攻撃が機動部隊による大規模空襲とは考えていなかったと思われる。
また、マレー半島のコタバル上陸開始の報から警戒はしたはずだが、はっきり言えば日本軍が行動する（した）事は分かっていたが、あのような結果は想定していなかった。

③現地司令官の怠慢：キンメル大将は少なくとも駆逐艦ワードの国籍不明潜水艦撃沈、マレー上陸の報、日本偵察機の上空侵入と警戒態勢を取れる機会はあったが結局、奇襲を許した。一つ弁護するなら日常的に似た事例が多く、報告がいいかげんだった。最終的には職務怠慢の嫌疑は晴れたそうだが。

④第二次攻撃の必要性：三川中将、山口少将は攻撃進言をしたが、司令官南雲中将はしなかった。山本長官は太平洋艦隊全滅を期すほどの戦果拡大を期待していた。三川と山口はその意志を考慮した。南雲と草鹿参謀は戦果充分とし、艦隊保全を優先した。作戦の解釈の違いであり、指揮官全体の意志疎通が取れていなかった結果だろう。