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2023年10月28日

(SR)トレールの視点から考えるSRのフロント足回り

(SR)トレールの視点から考えるSRのフロント足回り SR400/500で他のバイクとは少し違っていて、しかもクローズアップされていない、あまりネガティブでは無いおもしろいネタ無いかな? と考えた時に思い浮かぶのは、やっぱりフロントのトレールに成るのかな?なんて思います。






もしもSRのフロントフォークが↑こんなデザインだったら SR400/500 を購入していたでしょうか???
写真はセローのフロントフォークですが、オフロードのモデルはこの様にフロントフォークの前側に車軸が付くタイプが採用されているイメージですね。




トリッカーはこんな感じ。セローに比較してストロークを積極的に確保しない代わりに軽量化を行った感じですが、車軸は前出ししている感じです。




こちらはSRのフロントフォークですが 当然?オンロードモデルなので、すらっとしたデザイン? 良く見慣れたストレートなタイプです。車軸はフロントフォークの軸線上に配置されています。
オンロードモデルなのでこちらのデザインが順当と言うかスマートで良いですね。


今日の話題は、「SR400/500 の足回りのデザインはオンロードだけれども、実際はオフロードモデルに近い足回りの設計をされている!!」 です。


セローやトリッカーの車軸が前出しされているフロントフォークの見た目から得られるイメージは、

「なんかオフロードっぽいモデルは、安定性?の為にタイヤを前に出しているのかな?」
「ホイールベースを稼いで直進安定性を出しているのかな?」

私はこんな感じで見ていましたが、良く良く考えると ”逆” で、ハンドリングをクイックにするために車軸が前に出されているんです。

フロントの足回りで重要なファクターは、

1,キャスター角
2,トレール量
3,・・・

あと何でしたっけ???...ま、トレールが分かれば十分です。

今日はトレール量にフォーカスしていきたいと思います。


トレール量と言うと、、
・トレールが大きいと直線安定性が良い。
・トレールが小さいとコーナリングが良い。

こんなイメージですね。実際には ”実舵角” で考えるそうでが、上記の考え方でも基本は間違いは無いかと思います。


トレールとは実際には何か?
イメージが湧くようにイラストで追って見ましょう。
SRのフロント周りを書いてみました。





まず基本に成るのは、フレームのステムパイプから路面に向けて伸ばした直線が路面に接する場所、ココが起点に成ります。ハンドルの軸と言った方が分かり易いですね。イラストの青丸の位置に成ります。





次にタイヤの中心となる車軸から路面に真っ直ぐに降ろして路面に接する場所、タイヤの接地点に成ります。






この2つの地点の関係から発生する作用は、

「ハンドルの軸(青)よりも、タイヤの接地点(赤)が後ろに有るので、前進時に自動的にタイヤが進行方向を向き安定する。」

とする事が出来ます。
なんかキャスターでトレールの説明をするとややこしいですが、キャスター角は忘れてください。一旦トレールに集中です。





この ハンドルの軸を延長した線が接地する地点(青)と タイヤの接地点(赤)の距離が大きい程安定する事に成りますが、この距離の事を「トレール量」としています。

バイクのトレールは、青と赤の線がクロスしてしまい分かり難くなっていますが、ハンドルの軸(青)を基準に取り、タイヤの接地点(赤)との距離と考えれば同じ事に成る事が分かるかと思います。

なのでトレールは青のハンドルの軸の線を出来るだけ前に出した方がトレール量を大く取れる事に成ります。

具体的には、





タイヤの外径を大きくするとトレール量は増えます。





クルーザーの様にフロントフォークを寝かしてもトレール量は増えます。

当然逆に、






タイヤの外径が小さく成ればトレール量は減少します。





SSバイクの様にフロントフォークの角度を立ててもトレールは減少します。


ですがそんな事をしなくてもトレール量の変更?調整は簡単に行う事が出来ます。






車軸を前に出すとトレール量は減少します。

オフロード車は直線安定性の為?フロントフォークが寝気味なのはイメージで分かると思いますが、フロントフォークを寝かせる事と大径のタイヤの採用からトレールが大きく成り過ぎるので、車軸を前出ししてトレールの調整を行っていると言うのがあのフロントフォークの機能の様です。走行中にハンドルが重たくなるのをある程度キャンセルする意味合いかな?


もう一つやり方があります。 ←今日の本題です。





フロントフォークのオフセットを増やしてフロントフォークを前出しします。するとトレール量は減少します。




フロントフォークって少し前に出ていますよね。? ここの量を調整するという事です。


セローやトリッカーの様に車軸を前出ししてトレールを調整するのとSRの様にフロントフォーク自体を前出しするのとは、トレールの観点では等価となります。ここは中々気が付かないのでは無いでしょうか?

SRのフロントフォークのオフセットは+47mmとなっていますが、スポーツモデルの他車種では35mm位が標準かな? SRは50mmに近くオフセットは大きい部類に入るかと思います。要するにセローなどと同じく車軸の前出しをしていますが、見えない形で行っているのです。
SRのアンダーステムに剛性が必要になる理由もこの辺りに有ったり無かったりです。オフセットを長く取るとどの様な変形が多くなるのか?どの方向の剛性が必要になるのか?他の車種よりも剛性を持たせないと対等なフィーリングになり得ませんね。
(ネタですけどね)


逆にフロントフォークのオフセットを減らすとトレールは増加します。17インチとか小径タイヤに変更すると合わせてフトントフォークも立ってきてトレールが失われる方向になります。トレールが減少しすぎる場合にはオフセットを減らして辻褄を合わせる事になるのかな?

(キャスター角とピボットハイトとの関係から車体全体のセッティングはかなり難しい事になると思います。上手くいかない??長いスイングアームを入れてダウンスロープを維持したままピボットハイトを上げると上手く行きそうとか、想像すると楽しくなります。)

ここ迄で一つ嘘をついていました。オフロード車はフロントフォークが寝ているという先入観を与えましたが、実際には セロー250のキャスター角は 26°40′。SR400 は 27°40′。 SRの方がフロントフォークが寝ています。ちなみに R1は 24°00' です。SRのフロントフォークは大分寝ています。






簡素ですが代表的な車種?のスペックの一覧を作成しました。ルネッサ250 辺りはタイヤサイズもSRと似たり寄ったりなので、標準的なディメンションとして参照しても良いかな?と思います。R1は最近の?フロントタイヤをヌメヌメ使う新しいディメンションなのか?セルフステアを得る為か?トレールが大き目です。
他にも調べてみると110mmを超えるトレールを持つオンロードバイクがどれだけ変態的なのか?分かると思います。

ドォでしょうか? SRはオフロード車よりもオフロード車の様なディメンションなのがお判りいただけるかと思います。
他のロードモデルが苦戦するような砂利の駐車場でも、ちょっと後ろに体重を掛けるだけで割と平気な感じで走れちゃうSRの足回りの秘密がこんな所に隠れています。(砂利道の走行は直線だけね。)


ー蛇足ー
この砂利道でのお尻とシートの位置、コーナリング中もこの辺りにお尻を置くとトラクションが掛かりやすいので、始めはこの感覚で覚えるのも良いと思います。
それから言葉では説明がし難い、背骨と骨盤の曲げ方(←言い換えると上半身の使い方とかシートへのお尻の当て方)、と下半身と言われる主にお尻の骨、仙腸関節?での車体のホールド姿勢も、砂利道でちょっと後ろに体重をかけてタイヤの爪先で走らせる様な感じで乗ると自然と背骨から骨盤が弧を描いて曲がり、胸の下を動かしてダンパーの様に機能させられる姿勢と、肛門の少し後ろのお尻の割れ目(言うなれば幻の第二肛門の位置)がシートを掴んでホールドする様な感覚の経験が出来るので、砂利道でフロントタイヤの負担を減らす様に後方に荷重を掛けて、フロントタイヤを神経質に感じる姿勢の経験はオススメです。左右のお尻の骨でシートを掴んで固定する感じ。その時は肛門の筋肉は使わずに仙腸関節で掴む感じ(第二肛門でシートを吸引する感じとも言うかな?)。太ももからお尻につながる筋肉の一番上のもうチョイ上の所を使う。

この乗車姿勢を作るのには日常生活では使われていないインナーマッスルを使うので、ポッとバイクに乗った人は体が動かないので理解が出来ない筈です。分からないけど2,000kmも走っていればインナーマッスルは自然に鍛えられているみたいです。私はコレを「バイク筋」と言っています。ハンドルにどっしりと乗った体重が抜けて、手が軽くハンドルを掴める様になった頃がバイク筋の発達完了です。

ー蛇足終わりー




トレールから理解してキャスターも見ていくと、各車の個性が何となく分かる様な気がしますね。

SRの個性。ここにあり。 です。





すらっとした足回りですが、実質は、





これよりもモットオフロード!? です。 見掛けには寄らない物ですね。 SRはこんな所まで変な?個性が光ります??

重量物であるフロントフォークを前出ししてデメリットは無いのか?ですが、あります。しかも皆さんも感じたことがある筈の現象です。それは、停車時に少しバイクが傾くと大きくハンドルが切れ込むことがある。です。ハンドルを少し切った発進でのエンスト時には特にそうかな?簡単に考えてハンドルの軸より前に重たい物が有るので車体を傾けるとハンドルが曲がります。自転車のカゴに荷物を載せて車体を傾けた時にハンドルが強く曲がるのと同じシステムです。コーナリングでバンクした時にも同じ作用が発生して舵が強めに効きます。
他にはハンドルの軸から離れた所に重量物が付くので路面からの入力に対するレスポンスが劣ります。逆に言うと安定性が出ます。
デザインを別に機能性だけを考えると、セローやトリッカーの様なフロントフォークにした方がメリットがあります。


と一般的にはキャスター角に目が向きがちですが、実際にはトレール量が重要で、トレール量の変化特性の為にキャスター角があると言う所から足回りを考えた方が「幹」の技術に成るかと思います。


ここ迄でトレールの機構が理解出来たと思いますので、オフロードよりもオフロードそんなSRから出来るだけオンロードバイクの様な?気持ちの良い回頭性を引き出す方法を考えます。





イラストはリアのピボットシャフトを中心として、フロントフォークを目一杯縮めた所をシュミレーションしてみました。(ホイールベースは車軸を合わせる為にデフォルメしています)
フロントフォークが縮むとフロントフォークが立つ(キャスターが立つ)効果でトレールが減少します。
コーナー手前でのブレーキングからクリップポイントに掛けて、極力フロントフォークを縮める様なセッティングを行うとコーナリング中の回頭性を引き出す事が出来るというロジックが出来上がります。
(リアは相対して沈めない、フロントフォークの空気バネの様にバネレートが立ち上がる様なサスが良いと思います。)
キャスター角は直接的には意味を持たず、トレール量変化の特性の為にキャスター角があるだけで、目的として意識するべきなのはコーナリング中のトレール量だと言う事が良く分かるかと思います。
※実舵角の観点でキャスターは有効

具体的にな方法はフロントフォークのオイル油面を下げる事に成るのですが、底付きの可能性があるので進められることではないかも知れません。
私の場合10mm油面を下げてコーナリング中は体を伏せてフロントに荷重を載せるようにしますが、富士山周辺のワインディングで一度二度、底付きしたような気がします(伸びてこない感じだけで走りにネガは感じない)。ですがやはり回頭性はストロークが深くなる程良く出てきます。(3.50-18です。) これは特にYAMAHA車に共通する乗り方かな?YAMAHAしか乗らないから知らないけど。普通はエンジンの重量が遠心力で増してフロントに荷重が掛かるけど、SRはエンジンが少し後ろなので?フロントの荷重は自分で少し意識する必要がある?
(突き出し+油面アップの方が良いのかも知れませんが、セッティングがメンドクサクなりそうで試していません。。。)


私的には、SRのリアは短すぎるスイングアームが災いしてダウンスロープの影響からストロークさせると良い事が無いので、フロントを沈めてキャスターを立てていくようなセッティングが良いのではないかな?なんて思っています。と言ってダラダラと沈めてもダメなので、奥で十分に空気バネが効くようなセッティングをします。



と今日はここ迄です。
正確には「実トレール」と言う考え方があるそうですが、トレールの考え方で十分だと思います。


トレールを中心に考えると足回りが理解しやすくて、楽しくなりますね。
リア周りはピボットハイトを中心に「ダウンスロープ」の効果を理解すると更に楽しくなるかと思います。


と言いつつ、私はいつまで経ってもサグの意味がさっぱり理解できません。。。
リアサスはある所以上にストロークさせるとダウンスロープの影響からめきめきトラクションが抜けるように成るので、そこまで深くストロークしないギリギリ低い所までシート高を上げておきます。その位しかしません。それがサグ出しなのかな? 気持ち良く走るギリギリ低い設定にしています。少し高めに設定した事も有りましたがこれも又短すぎるスイングアームが災いして? 突っ張り感とストロークした時の姿勢変化が大きく成り落ち着きが無くなったのですぐに辞めてしまいました。
という事で今は、”気持ち良く走るギリギリ低い設定” にしています。(膝擦らないので高いレベルの話では有りません。。)

あとリアブレーキをかけた時のリアサスの沈み込みが少ないのもSRの特徴なんでしょうか?どうも進入がやり難いです。そんな事も影響してリアはギリギリまで低めにセットしています。
要するにピボットの位置に不満があると言う事になるかな?




~番外~




オフロード車をイメージしてイラストを作ったら大袈裟になってしまいました。
カスタムされたクルーザーバイクのディメンションにこの様な感じのが有りますね?。これもトレールの調整をしている物だと、この失敗した?イラストで気が付きました。 はからずしてどのジャンルのバイクでもトレールは大切に設計されている事が分かりました。
チョッパーバイクも車軸を前に出すかフロントフォークを前に出すかでトレールの調整を行っているのだと思われますが、ヨーク角などと言うデザインを崩さずにトレールを減少させる技?も出てくるので、これもまた考えてみると面白そうです。


~番外おしまい~





以上、「トレールの視点から考えるSRのフロント足回り」 でした。



足回りは正解の無い遊びなので皆さんの理論も聞いてみたいなぁ、との思いから少し話が膨らんでしまいました。
私はフロントトレールを意識して、リアは最低限のダウンスロープを維持って感じです。リアはオイシイ範囲が少ないのが泣き所と感じます。サグは理解出来ないので気にしません。


大人のSR vol.3 があったら、特集記事は”トレール”に成らないかな?www。




面白かったかな? 楽しんで頂ければ幸いです。



Enjoy! SR。




こちらの整備手帳も面白いかも?。


・(SR)ロール軸の視点から考えるリアの足回り
https://minkara.carview.co.jp/userid/2092714/blog/47624569/


・SR真っ直ぐに走る化計画 最終章。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2092714/car/2422595/6999111/note.aspx


・リア周りの車体センターをDIY計測で確認。フレームアライメント確認①
https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/2092714/car/2422595/7109860/note.aspx


・リア周りの車体センターをDIY計測で確認。フレームアライメント確認②
https://minkara.carview.co.jp/smart/userid/2092714/car/2422595/7111896/note.aspx




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Posted at 2023/11/12 00:15:08

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