クルマ漫画について取り上げてみようかと思います。
私は子供のころから
漫画を主食に育ってきたマンガっ子。(笑)
ついつい長くなってしまいましたが気楽に読み飛ばしていただければ幸いです。
紹介順は連載終了時期の新しい順から。
頭文字D
しげの秀一 週刊ヤングマガジン 1995年 - 2013年
前項でも紹介したとおり、未だに新作映画が製作されているクルマ漫画の金字塔。
コミックや関連書籍・映像作品・グッズなどなど・・・直接的な売上総額も膨大ながら
あの「トヨタ86」もこの漫画が無ければ(少なくとも今の形では)世に出ていなかった
であろう事なども併せ考えると、その影響力は計り知れない。
連載開始当時、「あの『バリバリ伝説』のしげの秀一が帰ってきた!」
「しかも今度は四輪で峠バトルだ!」とファンは大いに盛り上がった。
本作品は大きく二つのパートに大別することが出来る。
天才的なドライビングスキルを持ちながらクルマに興味が無かった
主人公・藤原拓海が、ライバルの走り屋たちとのバトルを繰り広げるうちに
次第に走り屋としての自覚と夢に目覚めていく「高校生時代編」。
「頂点に立つドライバーになる」という夢を持ち「関東完全制圧」を掲げる走り屋チーム
「プロジェクトD」のエースドライバーとして関東の名だたる峠道へ遠征して
強敵たちとの熾烈なバトルを繰り広げる「プロジェクトD編」。
長期間に渡り連載が続いていた本作だが、作品が盛り上がりを見せたのは
「溝落とし」「ブラインドアタック」「インベタのさらにイン」などの
破天荒な必殺技が繰り広げられた初期から中期のエピソードだろう。
プロジェクトD編の終盤は正直な所ネタ切れ・失速の感を禁じ得ないと思う。
ー間違った記述があったため、一部改稿しました。<(_ _)>ー
作品を彩るヒロイン役に関しても、後期の「アスリート少女」も悪くないが
私個人的には、前期の「訳あり援交JK」という設定のエグさが
青春の甘酸っぱい匂いがして好きだ。(爆)
湾岸ミッドナイト
楠みちはる 週刊ヤングマガジン 1990年 - 2012年
ご存じ頭文字Dと並んで当時のヤンマガを支えた二枚看板。
頭文字Dの峠バトルに対し、こちらは首都高湾岸線での最高速バトルを舞台としていたが
やがて戦いの舞台を徐々に首都高全体から都心環状線(C1)へと移していく。
(第二部的扱いの「湾岸ミッドナイトC1ランナー」では主人公も変わっている。)
最初の掲載誌は実はビックコミックスピリッツであり、後にヤングマガジンに移籍した。
というのは当時作者楠みちはるはヤングマガジン誌上で既に「シャコタン☆ブギ」を連載中で
車ネタがかぶる「湾岸ミッドナイト」をスピリッツに持ち込んだ。
しかしあまり人気が出ず、読み切り数回であえなく打ち切り。その後ヤンマガで
「シャコタン☆ブギ」とシリーズ毎に交互に掲載という形がとられると徐々に人気に火がつき
最終的には「湾岸ミッドナイト」の人気に押し出される形で「シャコタン☆ブギ」は休載状態に入る。
なおヤングマガジンでの連載終了後、スピリッツ誌に復帰し
続編「銀灰のスピードスター」が連載されたが、本項では別作品として扱う。(読んでない)
「頭文字D」派と「湾岸ミッドナイト」派。読者の好みも別れるかもしれないが
私個人的には、よりメッセージ性や含蓄に富む本作の方が好みである。
本作も様々なライバルたちとのバトルを中心にエピソードがまとめられているが
そんな中でも私のお勧めは「スープラ(JZA80)編」。(コミックス8巻~13巻)
かつて首都高に散った「幻の最高速ランナー」相沢洸一。
その息子・圭一郎は、やがて父親の愛機(セリカXX)の後継車(スープラ)に乗り
父親と同じ最高速のステージに登るようになる。
そしてその事を知った洸一のかつての仲間たち。彼らは今も走りの世界に身を置き、
現在はチューニング各分野のスペシャリストとなっていた。
かれらは故人の遺志を継ぐために圭一郎の元に集結し
圭一郎のスープラをモンスターマシンへ変貌させていく。
「悪魔のZ」に挑むために・・・というストーリー。
熱い展開と共に、その意外ともいえる結末は、人間ドラマとしても読みごたえがあった。
余談であるが連載当時WRXを愛車としていたわかめは
はじめてWRXで首都高湾岸線を走行した際
地獄のチューナー北見淳のごとく・・・
「なるほど‥‥ウワサどーりいい道だな
ここなら300クルーズもまんざらホラじゃないかな‥‥」
・・・と呟いたとかなんとか。(笑)
ジゴロ次五郎
加瀬あつし 週刊少年マガジン 2002年 - 2007年
クルマ漫画じゃなくてヤンキー漫画だろって?
いいじゃないですか、好きなんだから。(笑)
肥満体型であだ名は「デブロー」。そんなちょっと情けない主人公・石川次五郎。
ある日彼は解体屋で一台の車に出会う。
その車はガルウィング仕様に改造されたS13シルビア。
運命的なものを感じた彼はシルビアを手に入れ「ラブマシーン」と名付ける。
しかしその車には妖しげな力が備わっており
時にまるで車が意志を持っているかのような不思議な出来事が・・・。
・・・とあらすじ書いていて改めて気づきましたが
この物語の導入は「湾岸ミッドナイト」からの丸パクリですね。(爆)
加瀬あつしというとデビュー作「カメレオン」のインパクトが強いが
陰に隠れた感のある本作もなかなかどうして!
「主人公ピンチ!」
↓
「あり得ないようなラッキーで大逆転!」
↓
「周りから実力以上に評価される」
という「カメレオン」からのテンプレを踏襲しながらも本作品ではそれにとどまらず、
はじめはカッコ悪い次五郎が「妖車」S13シルビアに助けられながら活躍するうちに
自分自身もシルビアに見あう男になろうと徐々に成長していく過程が
読んでいて実に好感が持てるし、爽やかな読後感をもたらしてくれる良作だと思う。
予想以上に長くなってしまったので急遽二部構成に変更。(爆)
明日続き書き終わらなかったらごめんなさい。