十四日から断続的に続く今回の熊本地震。
想像以上に広範囲で被害が拡大しており
重ね重ね被災地の皆様にお見舞い申し上げます。
熊本県益城町で震度7を記録した後も続いた余震は
震源を北東へと移動しつつ、16日にはM7.3を記録。
気象庁はこの地震が「本震」とみられると発表しましたが
地震学者の間ではこの見解に異論も聞こえると言います。
(そもそも二つの地震は動いた断層が違うと言います。)
「ここまで大きい地震になるのは近代観測史上、聞いたことがない」(青木元・地震津波監視課長)
「今回の地震はよくわからない、見たことのない現象が続いている」(飯尾能久・京都大学教授)
「布田川断層帯の北東端は、想定していなかった地点にまで達していた」(政府・地震調査委員会)
要は専門家でも今回の地震は想定外であり
この先も何が起こるのか誰にもわからないという事です。
気象庁は今後の見込みについて
「これ以上の大きさ(の余震)は考えにくい」
としていますが、これとてぶっちゃけ希望的観測に過ぎないと思います。
なにしろ前例のない事態が起こっているのですから。
地震大国日本・・・。
3.11東日本大震災の衝撃も記憶に生々しいながら
改めて巨大地震の可能性は日本全国どこにでもあると思い知らされました。
とはいえ、私たち庶民に出来る事はそう多くありません。
この先30年以内に首都直下型地震が起きる可能性は70%と言われても
ただちに今の生活を捨てて、首都圏からの脱出できる人はほとんどいないでしょう。
(もしそういう方がいたら、その人はかなり生活にゆとりのある方だと思われます。)
今回の様な震災を他山の石とせず、いつか自分の身に降りかかった時の事を考え
いざという時の覚悟と、常日頃からの準備(備え)をしておくしかありません。
例えば避難先を確認しておいたり、家の耐震化を検討したりです。
しかし国として政治に出来る事はまだまだあると思います。
・・・鬱陶しいのを覚悟で言わせてもらえば、原発行政の問題です。
今回の熊本地震でも全国で唯一稼働している鹿児島の
川内原発や、
佐賀の
玄海原発、そして今回の震源となった布田川断層帯の延長である
中央構造線上に位置する愛媛県
伊方原発などへの影響が心配されています。
例えば稼働中の川内原発などでは今回の震災を受けて
直ちに操業を停止すべきとの意見もありますが
私は必ずしもこれらの意見に賛成ではありません。
停止中であっても核燃料が存在する限り、その危険性に大差はないと考えるからです。
そして現存する原子炉を一つ廃炉にするには少なくとも数十年の年月を必要とします。
(事故の起こった福島原発の話ではありませんよ?普通の停止中の原発の話です。)
※ 参考記事:廃炉作業の費用と期間に隠されている原発の真っ黒な現実。
東日本大震災ののち新たに発足した原子力規制委員会は
福島原発の教訓をもとに原子炉等の設計を審査するための「新規制基準」を作成し
それを元に川内原発をはじめ、各地の原発の再稼働が審査されています。
しかしその「新規制基準」は今回の熊本地震を想定出来ていたでしょうか?
私にはとてもそうは思えません。
現時点では川内原発の地震動は12.6ガルと、基準の620ガルを大きく下回っています。
しかし今回のように未だ発見されていない活断層が原発の下に存在したら?
活断層の問題だけではありません。
川内原発周辺は世界的に見ても有数の「カルデラ密集地帯」だと言われています。
今回の阿蘇山の噴火はこれまでの噴火と比べても小規模なものであり
むやみに不安を煽るべきでない事は重々承知していますが、
万一九州で大規模なカルデラ噴火が起こった場合、
火砕流が川内原発に到達する可能性がある事は
当事者である九州電力ですら認めています。
それでも安全審査をクリアして再稼働を果たした根拠はなんなのでしょう?
原子力規制委員会・田中俊一委員長は次のような説明をしています。
「そんな大噴火が起きるとしたら、原発うんぬんの前に九州は壊滅的な打撃を受けるという事。
原発が稼働中のたかだか30~40年の間にそのような事が起こる事はほぼ無いでしょう。」
・・・ありがたい話です。
個人的な事を言えば、あんな見た事の無い大津波が発生するような地震も
私が生きている間に起こる事はほぼ無いだろうと思っていました。
以前にもシレッと貼り付けた動画ですが
原発行政の事を思うとこの歌を思い出さずにいられません。
それでもTVは言っている
「日本の原発は安全です」
さっぱりわかんねえ 根拠がねえ
コレが最後のサマータイム・ブルース
何度も言いますが原発は一朝一夕には無くなりません。
いつか訪れるその時の為に、少しでも今できる準備をしておく事。
それこそが政治にしか出来ない事なのではないでしょうか?
Posted at 2016/04/18 03:01:01 | |
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